私は幻獣達に嫌われている。
時に他の幻獣達の声が聞こえる。
「偉そうにするな」「ウザイ」
そんな言葉が聞こえる。
嫌われている事は分かっていた。
でも、どうしてそんな事を言われなければならないのか、
私が何をしたのか。そんな思いでいっぱいだった。
だから幻獣王を嫌になって幻獣界から姿を消した。
六神となって、色々考える事はあったが、それでも楽しかった。
何処か抜けているアイツは、人と関わる事を嫌っていたが、
それでも、どんなに負けても、私に戦いを挑んでくる。
普通は嫌じゃないのか?何度も負けて、傷が増えて痛いはずなのに、
お前は諦めずに何度でも強くなる。
元々、戦いが好きだったが、嫌いでもある。
私が勝てば、負けた奴は私に嫉妬する。
だったら戦わなければ良いのに挑んでくるのが理解出来ない。
私は正々堂々と勝負をしただけなのに、愚痴を言われる。
もう疲れたよ。死にたい思いで生きていた。
死ねば私の目的は達成されない。
だから無理矢理にでも生きる。
答えを見つけるまでは、
あれから私は 妖夢達に救われた。
でも幻獣界での問題は解決しなかった。
怖い。また何かを言われるのが怖くて、幻獣界に戻る気になれない。
私は嫌になって、夜空が見える場所に来ていた。
ここだけは、何も考えずに居られる。
ゾディアーク 「おやおや、幻獣王様が此処に何のご用で?」
私 「いや、何でもない、じゃあな」
コイツに言ったところで意味がない。とりあえず気持ちを整理しよう。
それで戻れば良い…
ゾディアーク 「なんかあったのか?」
私 「え?」
ゾディアーク 「顔が物語ってるぞ。助けてくださいって」
意味が分からなかった。コイツは誰かに寄り添うタイプじゃない。
寧ろ人を傷付けている。でも…何故か身体が動かなかった。
助けて欲しい気持ちが、動きに出てしまったのだろう。
私 「いや…あの…」
言葉が出ない。どうしたらいいか分からない。
ゾディアーク 「幻獣界に戻りたくないんだろ?別にすぐに戻らなくても、時間を掛けて
ゆっくり行けば良いだろ。誰もお前を咎めないさ」
私 「何で…それを…?」
ゾディアーク 「私の親友も、お前みたいにお人好しの奴だった。でも私が殺人を犯した事を知って自殺した。だからもう…失いたくない」
ゾディアークは寂しそうに言った。
そう言えば、コイツは昔、優しかったらしい。家族を奪われて無ければ、ずっと優しいまま
だったのかもしれない。
私 「ゾディアーク…お前…泣いてるのか…?」
見ると、ゾディアークの目から涙が溢れていた。
ゾディアーク 「あはは…馬鹿だな…お前を救う為なのに、逆に私が泣いて…悪い悪い、
忘れてくれ。とにかく、お前は周りに流されるな。他人の意見なんてほんの一つの物でしか
無い。お前はお前だろ?」
私 「…ありがとう…私のライバルは、やっぱりお前だけだな」
ゾディアーク 「当たり前だろ。私以外にお前に勝てる奴は居ない」
私 「私が殆ど勝ってるのにか?」
ゾディアーク 「うるさい。これから勝ってやる」
私 「……ゾディアーク…」
ゾディアーク 「何だ?」
私 「これからもよろしくな、私の相棒!」
ゾディアーク 「おう、よろしくな」
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