夏、、、、
俺はあの日を思い出す
少し懐かしく感じる子供の頃
たしか9歳か10歳ぐらいだった気がする
「うぅ、、、、」
俺は方向音痴が発動していて神社の境内で迷子になっていた。
凸さんとニグさんに誘われて遊びに来ていたが、2人ともどんどん先に行ってしまうため気がついたら見失っていた。
小学生だったためスマホなんて便利な手段は持っていなかった
「あれ?さもくん?、、、、って大丈夫?」
気がつくと幼なじみであるべるがいた。一緒にいたななっし〜やおどろくさん達に断りを入れてからこっちに来たようだ
「たしか凸さんたちと来たんじゃなかったの?」
「それが、、、、2人とも先に行くから、見失っちゃって、、、、」
「あぁ、、、、あの二人ならやりかねないね」
「どうしよ、、、、俺絶対もうあの二人に合流出来ないんだけど、、、、」
「じゃあ、、、、一緒にお祭りまわろ?」
「け、けど、、、、ななっし〜たちとまわるんじゃ、、、、!」
「大丈夫だよ逆に行っておいでって言われたから〜」
こうして俺とべるは一緒にまわることになった。
それからぼちぼち凸さんたちを探してみるが見つからない
「ねぇねぇさもくん!!このおめん可愛くない?」
「ん。可愛い」
俺だけに向けられた屈託のない笑顔はまるで向日葵のように明るく見えた
そんなことを考えてるうちに可愛いとだけ口走ってしまい、お面が可愛いのかべるが可愛いのか分からなくなっていた。
「ねぇさもくん。こっち来て」
べるに手を引かれるままに神社の階段を登った
「もうすぐ花火見れるんだって」
するとドーンと花火の上がる音が響いた
すごく綺麗だった
つい見入ってしまうようなそんな花火だった
「綺麗だね」
「分かりみ大学所属」
「ねぇ、、、、また一緒に来てくれる?」
「うん!!」
時間の流れさえも忘れてしまう。
そんな1日だった
ー次の日ー
「なぁさもさんどこ行ってたの〜?」
「凸さんたちが置いてくから、、、、」
「けどさもさんたしかべるさんといたんですよね?」
「なっ、、、、」
な、なんで知ってるの?
「なにぃ〜さもさんべるちゃん好きなの〜?」
「ね、やめ、はずい!!」
数年後、、、、
俺たちは高校生になった。
「うぅ、、、、夏休みの宿題無理〜!!!!難しいー!!!」
「はいはい。どこがわかんないの?」
今もべるとは一緒にいる、、、、
付き合っては無いけど、、、、
けど俺自体はべるのことが好き
その結構恋愛的な意味で、、、、
「勉強飽きたぁ、、、、」
そういえば、、、、
明日神社の縁日だっけ、、、、
「べる」
「ん?」
「明日縁日でも行く?」
「行く!」
「じゃあ宿題頑張ろ?」
「うん!!!」
ーその日の夜ー
「あっさもさんべるちゃんとあのお祭り行くの〜?」
「うん」
「じゃあ思い出上書きしてきたら〜?」
「上書き?」
「そう上書き」
「上書きって、、、、」
「告ってきなよぉ」
「えぇ!?」
ー翌日ー
「さもくんおまたせ〜浴衣着るの時間かかっちゃった〜」
可愛い
「大丈夫だよ〜」
感じ的にべるは忘れてるのかな、、、、
まぁそんなもんか、、、、
何となくあの時回った時と同じように回ってみる
「ひゃっ!?」
「大丈夫?」
「うぅ、、、、人多いから、、、、」
「あれだったらパーカーの裾引っ張っててもいいよ?」
「ありがとう!!さもくん!」
気がつくともうそろそろ花火が上がる
そんな時間になっていた
「べる花火、、、、見に行こっか」
「うん!」
何となくべるの方に手を伸ばしてみる
そうすると手を握ってくれて、、、、
エヘヘと笑うのだった
行ったのはあの日のように神社の階段を登ったあの場所
あの日と同じように何も変わらない神社だった
花火がなくても夜空がすごく綺麗だった。
こんな空がこの町でも見れるんだなと素直に感心してしまった
「さもくんもしかして覚えて、、、、」
「覚えてるに決まってるじゃん」
「てっきり忘れてるかと、、、、」
「忘れられないよ」
俺ははっきり断言した
あの日のことを忘れたことがない
どれだけ嫌なことがあってもあの日の思い出があるから頑張って乗り切ってきた。
いっそ凸さんが言ったみたいに上書き、、、、してみよう
「べる」
「どうしたのさもくん」
少しだけ、、、、
今目の前にいるべるの表情が曇ってしまうのかもしれないと考えると少しだけ怖い
でも、、、、
ここでチャンスを逃すのは、、、、
「ずっと、、、、
べるのことが、、、、
好きでした、、、、」
べるは少し照れながら嬉しそうに笑って
「私もさもくんのことずっと好きだったんだから」
それと同時に花火が上がる
どんなタイミングだよ、、、、と思いつつ上書きできたなと思ってしまった
「さもくん」
目に映ったのはただ俺だけを見るべるの宝石のような瞳だった
コメント
2件
べるさも接種きもちー(快感)
あぁぁぁ!!! 尊いぃぃ… Twitterから来ました!