凌に、酒井が萩原に言ったことを話した。
「頭脳が目当て?」
「凌は」
凌はそんなんじゃないでしょ、と言おうとした。でもこれは、凌が自分で気づくべきだと思った。
「ありがと、教えてくれて」
私は少し微笑んで、うん、と言った。
『また当てられたとき困るから来いとか言うのかよ』
頭脳目当て。
萩原は、過去に何かあったような、そんな感じがする。わからないけど、何かを抱え込んでいる気がする。
「凌ちゃん、問14わかる?」
後ろの席の子が当てられ、助けを求めてきた。
「あ、ごめんまだできてなくて」
「そっか、ごめんねありがとっ」
『いや、俺まだやってないんだけど』
『お願いします』
私は急いで問題を解いた。
「あっ、でき」
後ろを振り向いて、ノートを見せようとした。
「ありがとーっ」
が、既に違う人にノートを見せてもらっていた。
答え全然違うし。私がノート見せなくて良かった。
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