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図書室を出た帰り道、夕焼けがやけに眩しかった。
lp『……さっきから黙っとるけど、どしたん?』
俺がそう聞くと、liは一瞬だけ立ち止まった。
li「別に……なんでもなか」
そう言いながら、ぎゅっと鞄の紐を握る。
その仕草だけで、胸がざわついた。
lp『嘘やな。顔に書いとる』
li「……lpって、ほんと鋭かね」
苦笑いしてから、liは深く息を吸った。
li「俺さ……お前が、誰にでも優しかのが、嫌や」
一瞬、言葉を失う。
li「頭良くて、かっこよくて、すぐ距離詰めてきて… なのに、俺だけ特別やないみたいで」
声が少し震えてる。
俺は気づいたら、liの前に立ってた。
lp『それ、誤解やで』
li「……は?」
lp『俺が一番気になっとるん、liや、
liしかおらん』
夕焼けのせいか、liの目が大きく見えた。
li「冗談やろ」
lp『冗談でこんな真面目な顔せえへん』
そう言うと、liはしばらく黙り込んで、
やがて小さく笑った。
li「……ずるか。ほんとずるか」
そして、勇気を出したみたいに顔を上げる。
li「俺も……お前の声とか、距離感とか、
気になって仕方なか」
胸が、はっきり音を立てた気がした。
lp「それってさ」
li「……言わせるな」
そう言って、liは俺の袖をまた掴む。
今度は、逃げる気なんてなさそうで。
lp「じゃあ、これからは」
俺はゆっくり言葉を選ぶ。
lp「付き合ったってことで、ええ?」
liは一瞬だけ目を逸らしてから、
小さく、でも確かに頷いた。
li「……いいよ」
その返事が、
どんな言葉より嬉しかった。
それからというもの、俺らは一緒に帰るようになった。
li「……別に毎日一緒じゃなくてもよかろ」
そう言いながら、当たり前みたいに隣を歩くli。
lp『せやな。ほな今日は俺、先帰ろか?』
わざとそう言うと、liはぴたりと足を止めた。
li「……なんでそうなると」
小さく、不満そうな声。
lp『冗談やって。顔に出すぎや』
li「出とらん!」
そう言い切るくせに、少し歩調を合わせてくる。
肩が、軽く触れた。
li「……俺から離れんな..、」
聞き間違いかと思うくらい小さな声。
lp『今、なんて?』
li「聞こえたなら、それでよか!」
顔は真っ赤。
ツンツンしてるのに、言うことは正直で可愛い。
ーーー別の日、勉強会のあと。ーーー
lp『今日も助かったわ』
li「……別に。暇やっただけやし」
そう言いながら、俺のノートをきれいにまとめてくれている。
lp『liほんま優しいな』
li「優しかない!」
即答。でも、否定の勢いが弱い。
li「……お前が困っとるの、嫌なだけ」
ぽつりと零れた本音に、胸が温かくなる。
ーーー数日後。ーーー
li「なあ」
lp『ん?』
li「……声、もっと聞かせて…?」
lp『なんで?』
li「……落ち着くけん」
言い終わった瞬間、liは自分で驚いたみたいに目を見開いて、
慌てて顔を背けた。
li「今のは、その……忘れて」
lp『無理やな』
笑うと、liはじとっと睨んでくる。
li「……ほんと、調子狂う」
でも、
その手はしっかり俺の袖を掴んだままだった。
ツンはまだ多い。
けど、デレは確実に増えている。
それが、たまらなく嬉しかった。