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私が彼に恋をしたのはあの冬の日だった。
四角に切り取られた深い紺色の空と、しんしんと積もり行く雪に、笑い声。
彼の声も、綺麗な横顔も、白い肌も、血管の浮いた腕も、その少しごつごつとした手も、優しすぎる性格も、話し方も。授業中寝ているところだって、全部大好きだった。
最初はかっこいいな、程度だったけれど、いつのまにか、大好きになっていたし、多分、依存していた。
そんな彼は、今、私の上で泣いている。
私に刃物を翳しながら。
出血で目が回る。酸素も血も足りてない。
走馬灯が見えた。
あの冬の日だ_____