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「北見が来たぜ、遊ぼうぜ。」
そう言うと、彼は飛び上がった。
一度後ろに引いた拳を、迷いなく突き出す。
ネスとは対称的に、遊征の攻撃は一撃が重い。
ネスの攻撃が軽やかで、相手の動きを読み、急所を確実につくものなら、遊征の攻撃は、直線的で、ダメージが大きい。しかし、その分相手が動けば急所に当てづらく、一回の動きで体力も持っていかれる。
…数年後には化け物になってそうやな。
そう思いながら、彼らの共闘を見守る。
橙の光を纏った拳が重い一撃を食らわせ、相手がそちらに気を取られている間に、紫の光を纏ったナイフが敵を裂く。
敵は焦り、攻撃に回れない。
それを観察していれば、
「あった。」
彼らに声をかける。
「二本目の腕の付け根ちょい中!」
「おっけ!」
「了解」
さぁ、彼らに敵の核を教えれば、自分の仕事は終わりだ。
あとは彼らを見守るだけ。
「頼んだ、ネス!」
「おっけぃ!」
敵から一歩離れ、数珠と拳を合わせる。
目を閉じ、手に力を込める。
ネスが、敵の腕を切り落とした音がした。
瞬間、目を開く。
「これで、終わりだ。」
敵の体に手をつっこみ、核を探し当てる。
「あった。」
それを引き抜けば、
敵は、倒れ、サラサラと灰のようなものとなった。
「「おつかれ」」
二人が声をかけてくれる。
「おぅ!二人とも、ありがとな!」
二人に笑顔を向ければ、
「ほんとだよ!もう!ちょっとオレが来るの遅れてたら、きたみん倒れて、あの子たちも巻き添えなってたよ!?」
「もう、最初から手伝ってって言ってくれとったらもうちょい早く来れたよ?」
そう言いながら、二人で頭を撫でてくれる。
「いや〜、ごめんて!」
「ほな、後片付けやな。ネス、あの子たち送れる?」
「?オレでいいの?魁星の方が仲良くなったんじゃないの?」
「いや、僕やと親御さんに怪しまれるけん、ネスの方がいいやろ。」
「分かった。」
そう言って、ネスは子どもたちの方へ寄っていく。
「…ぁ〜、ほんとネスとかい来てくれて良かった。」
「言うて今回わしそんな仕事しとらんけどな。ネス頑張っとったな。」
「ほんと、ネスいなかったらおれもあの二人も死んでたかもな。でも、かいだってあの子たち守ってくれてたし、かいいなかったら、おれ起きなかったかもだぞ。」
「…ふっ、そうか。」
「そうそう…って、師匠に報告しないと怒られる!かい、後でラーメン奢るから、ここ任せてもいい?」
「お、いいぞ。餃子付きな。」
「おっけ!行ってきます!」