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ラヴァとシアンは私の幼馴染だ
記憶の一部を失った後も2人が私の幼馴染だということはずっと覚えている
2人曰く、公園で三人で遊んでいたところにモノトーンが現れて、私たちの住んでいた街は色を奪われてしまったらしい
あの街で色を奪われずに済んだ人はのは私たち三人だけで、私たちの両親は療養所で保護されている
何度か会いに行ったけれど、お父さんとお母さんも別人だったな
色を奪われた人の髪は白く、目は黒くなり、常に無表情で何も喋らない
私はいつのまにか両親と会うのが怖くなってしまった
今は、ヴァリューのみんなが家族だな
アンバーさんはそんな私たちの父親代わりで3人でモノトーンに襲われた街を彷徨っていたところをアンバーさんに保護されて、本当の子供のように育ててくれた
ラヴァ、シアン、ヴァイオレットという名前をつけてくれたのもアンバーさんだ
私たち3人はモノトーンに襲われた影響か、自分の本当の名前を忘れてしまっていた
今は車に乗ってモノトーンの出現位置まで移動している
この車は武器や医療品、食料までもがたくさん備蓄されている
4人くらいであれば余裕で1週間過ごせてしまうくらいだ
ヴァリューの設備ってすごくきれいで最新のものばかりだよなぁ
さすがは国家機関だと思う
「なぁなぁ、ヴァイオレット。今回のモノトーンはどんなやつかなぁ?うはは!楽しみだなぁ」
シアンが笑う
シアンはいわゆる戦闘狂で、モノトーンが出現するといつも楽しそうにしている
彼の使う武器がアイアンサックなのも倒している感触が伝わってくるからなんだそう
「今回のモノトーンの階級はBだからそれなりには強いんだと思うよ。私たちが出動するくらいだし」
私たちは、というかラヴァとシアンの2人はヴァリューの中で最強とされている
私もそれなりには戦えるが2人ほど強いわけではない
それなのに2人と一緒に出動するのは2人を制御できるのは私だけだからだ
敵を見つければ周りのことを考えず暴れ回ってしまう
だから私が敵の位置を常に2人に伝えて攻撃のタイミングを合図する
そんな戦闘法しか2人を制御できない
しかも、私かアンバーさんの指示しか聞かないときた
だから、2人に無頼漢なんてあだ名がつく
そういうこともあり、私たちが出動するのは一般隊員たちだけでは困難な相手だったり、被害が大きくなりそうな場合だけなのだ
「どんなやつだろうと俺たちは倒すんだ。強さなんて関係ねぇよ。ったく、本当にシアンは戦いにしか脳がねぇよな」
ラヴァが愛用するナイフを磨きながらそう言った
「あ゛ぁ?」
「ンだよ」
シアンとラヴァは身を乗り出して睨み合う
ああ、もう、また始まった!
「もう!2人とも喧嘩しないの!これから戦いに行くっていうのに」
私は頭を抱えながら2人を叱る
「だってぇ、ヴァイオレット〜〜!」
シアンが眉をへの字に曲げて私に抱きついてくる
「ラヴァも!シアンのこと怒らせるようなことわざわざ言わないの!」
シアンの頭を撫でながらラヴァを叱る
「ッチ」
ラヴァは舌打ちをして目を逸らす。心なしか少し目が潤んでいた
2人が喧嘩をして、私がそれを叱って、2人がしゅんとする
まるで犬みたいな2人の反応もいつも通り
全く、17歳にもなって何にも変わらないんだから