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放課後、チャイムが鳴り響く。
教室にはふたり以外、誰も居ない。
窓の外から微かに部活動中の生徒達の声が聞こえる。
きんときは教科書の整理をして、帰る用意をしていた。
すると、背後から気配がする。
振り返ろうとしたときには、腰に手が回されていた。
滅多に自分から触れてこないシャークんが、ぎこちなく抱きついてきている。
「どうしたの」
シャークんの体温と鼓動を背中で感じる。
それを無駄に意識して、きんときの鼓動まで速まる。
「なんか悪いか」
照れ隠しのように返事をするシャークん。
そんなところ迄、愛おしい。
「全然」
本音は嬉しくて仕方ない。
冷静を装うように、いつもの声色で話すきんとき。
シャークんが深呼吸をした。
そして、その後重たい口を開く。
「…好きだ」
声は震えていて、緊張が隠せない。
きんときはその言葉に胸を熱くする。
「俺も」
目線を自分の腰に回された手に移す。
その腕を優しく撫でるきんとき。
「好きって言って」
シャークんはきんときの口から、好きだと聞きたかった。
そこには愛情と不安が混じっている。
「かわいいなぁ」
滅多に甘えてこないシャークんをからかう。
姿こそ、背後にいる為見えないが愛おしい。
「怒るぞ」
冗談っぽくシャークん言う。
それに笑ったあと、振り返るきんとき。
シャークんの目をしっかりと見つめる。
「大好き、愛してるよ」
その言葉を聞いたシャークんは、視線を逸らしてしまう。
耳まで真っ赤になる様子が可愛い。