(マップ:究極のアサシングラウンド)
コツコツと小さく音を立てながらマップの中にある家の中を歩く。
帽子をクルクル回したり、サバイバーと話したり、斧を軸にして回って遊んだり。
ひとつ結びの髪が風になびく。 コートをもう一回羽織り直して、茶色の鞄の中を覗き込む。
「…あら…何も無い。」
覗いたり、質感はどんなものか触ってみたり。
できたらバッグを閉めて、すぐ肩に引っ掛けた。
お遊びはここまでにして、屋内から出る。
そのとき、チェイステーマが聞こえてきた。
驚き、体を一瞬ビクリと震わせる。
「誰だろうか。」と、頭の中で呟く。
引き返し、屋内から頭をのぞかせてチラチラと外を確認する。
気味が悪く、重い足を使ってゆっくりと歩く。
数十秒経って、背中からグチャッと音がする。
咄嗟に振り向くと、3メートル程後ろで夫がサバイバーを殺していた。
殺したときの血しぶきがここまで飛んできたのだろう。
「うっ…グロいわね…」
いいえ、そんなことを考えてはだめ。
今は目の前の夫から逃げるのみ。
ドン!と、地面が鳴る。
何かと考えていたら、夫は地面に腕を刺していた。
「…あら…?」
少し走るペースが落ちたが、すぐに地面からスパイクが飛び出てきた。
キャアッと悲鳴を上げ、全力で走る。
スパイクに飛ばされて跳ねる。
そのせいで帽子はスパイクに引っかかり、取れてしまった。
頭を抱えながら走るが、どうやって帽子を取ろうか考える。
「どうしましょうかねぇ…あの帽子。」
少し使い古した帽子。まだ買い替えるのには早い気がする。
心が痛むものの、帽子を取るためにスキルの斧でスタンさせることにする。
ああ…でも、夫は大切にしないと。
会話で足止めさせるか…?いや、話を聞いてくれるのか?
…妻なんですもの。話ぐらいは聞いてくれるはずよ。
「ちょっと待っ…」
言い終わる前に殴られる。
…なぜ?妻なんだけど?DVなんだけど?
こんなの、あったまきたわ。あんまりよ。
唇を噛み締め、拳を爪が食い込むまで強く握る。
普通、会話しようとしただけでこんなに強く殴られる?昔はあんなのじゃなかったのに。
今、この場にサンドバッグがあったら殴り倒してる。
追いかけてきてるのを確認し、咄嗟に振り返る。
「…what…?」
john・Doeも困惑した。だって、急に立ち止まるんですもん。
その瞬間、バチンと、乾いた音が聞こえてきた。
「うふふ、少しはスカッとしたわ。」
そう、夫を平手打ちしたのだ。
forsakenの世界でなければ、ドロドロで見ていられない光景だったはずが、化け物を女が平手打ちしてる光景になってしまったのだ。
夫が頬を抑えてる間、私は笑いながら逃げていた。
右頬が赤く腫れていても、まだ夫は私を追いかける。
私はぎょっとした。
満面の笑みで、殴りかかろうと、殺そうとして私を追いかけてくる。
ピンク色の髪をなびかせながら、全力で走る。
スタミナがギリギリになってきた。
残 り時間はまだまだある。
「誰か…!助けて…!」
今まで、誰もサポートに来てくれなかった。
気づいていないのか、怖気づいてるのか。
そのとき、グシャっと音が聞こえてきた。
後ろを見ると、Chanceが背中を弾丸で貫いていた。
「早く逃げろ!」
Chanceを尻目に、私は夫からかけ離れてるところに逃げた。
そこには、ディスペンサーとセントリー、トラップがあった。
巣窟みたい。
ああ…Chanceさん…大丈夫かな。そう呟くと、隣で神聖な音がした。
タイマーは15秒ほど延びている。
「あら…?誰か殺られたのかしら…?」
ドスッと何かが肩に当たる。
隣を見ると、不気味な笑みを浮かべたtwotimeが髪を乱して立っていた。
多分…肩に当たったのは羽だろう。
右手で何かを抱えている。
「ちぇ、セカンドライフになっちゃった」
「あら…それは残念ね。」
twotimeは不服そうに左手の爪をいじりながら会話した。
私の隣にしゃがみ、右手で抱えていた物を渡してくる。
「そういえば、これ、多分キミのだよね。」
帽子を軽く私に投げて渡す。
「ありがとうね。」
両手で受け取り、すぐに被る。
そういえば…斧、使ってなかったな。
夫に使ってみるかな…。
斧を力強く握りしめて、引きずりながら夫の元へ大股でゆっくり歩く。
その場にいた瀕死のelliottとtwotime、taph、BuilderManは顔を真っ青にして何をするのか尋ねてきた。
「ん?夫を斧で殴りに行くに決まってるじゃない。」
一同は、顔を見合わせてそれ以上聞かないようにしていた。
Chanceと夫はまだその場でチェイスしていたようだ。
探す手間が省けて助かる。
よっこらしょ…と、声を上げて夫を斧で斬る。
約3秒スタンしたあと、私を殺しにかかってくる。
まだ笑顔のままだ。
えっと…もしかして私のこと覚えてない?
夫の両肩を掴んでブンブン振り回しても首を傾げるだけ。
本当に覚えてない…?…多分、Spectreがなんかしたのね。
だとすると…何をしたのかしら。
はぁ…いつ、夫と元の世界に帰れるのかしら。
10年後?100年後?1000年後?10000年後?
この世界に年齢という概念がないのなら、それぐらいは待てる。
いつ…私を認識…もしくは、思い出してくれるのかしら。
あ~!イライラする!また斧で斬ってやる!
斧を振りかぶったら、そのまま避けられて殴られた。
ま、まぁ…試合は終わったしいいのだけれど…。
コメント
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ジェーンちゃんきゃわわ〜!!!! はぁ神作ですねこれは!!😡🫵︎ マジで可愛い。JohnさんDVは駄目ですよ😉妻にそんな事したらまた斧でフルボッコだドンにされちゃうんだから♡ はぁーっ…Janeちゃんがリョナられたりしないのかな。見てみたいわぁ…