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(湊視点)
今日も、異常なく、記憶を取り戻したりもしなく、ただ、”普通”の1日を過ごす。
「はい。日記帳。今日あったことを書いて?今日は何があった?」
そう言うと、香奈は悩んでいるような仕草をする。
……やっぱり、可愛いな、
記憶を取り戻せれば、恋人らしいこと、出来ていたのかな、
いや、違うだろう。僕は、それを覚悟して恋人でいるんだから。
ピコン
ん?ニュースか?
〔芸能人1おしどり夫婦が離婚?!原因は…〕
…くだらない、そんな小さな原因で、離婚だなんて、結婚は、一生を誓うものだろう、
「書き終えましたっ!」
と、可愛らしい香奈の声が聞こえる。
僕がイラついても、香奈は、それを穏やかな感情にしてくれる、
いつも、感謝しているよ、本当に、
たとえ、記憶が戻らないとしても。
僕は、君をずっと想うと誓うよ。
「今日も、1日お疲れ様。おやすみ。香奈。」
「おやすみです!」
香奈を寝かせ、優しく、胸元まで布団をかける。
ねぇ、奇跡的に、記憶が戻ることは無いのかい?
1日だけでも、いいから、
って、そう、毎日思っているなぁ、
明日でも、明後日でも、待ち続けるよ。
朝の日差しが病室内をてらす。
「香奈。おはよう。今起きた様だね。」
香奈は、目を見開いて、こちらを見ている。
「えっと、貴方は、?」
「僕は、湊。一応、君の恋人だよ。」
毎日、毎日、君に、おはようを伝えるよ。
記憶が、戻らなかったとしても、
今日も君に「おはよう」を。