テラーノベル
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夕方の空き教室。誰もいない教室で、俺たちはいつも隣に座る。
「……ね、dn」
名前を呼ばれるだけで胸が緩んだ。
振り向いた瞬間、
唇が触れた。
一回目は、軽く。
挨拶みたいなキス。
「……いきなり?」
そう言うと、
呼んだらしたくなるから、と、悪びれもせず返ってくる。
二回目。
今度は少しだけ長く。
離れたと思ったら、
「dn、」
また名前を呼ばれて 三回目。
唇、唇、唇
間隔がどんどん短くなる
「……回数、数えてる?」
「数えなくても足りない」
そう言って、今度は俺から。
額にキス
頬にキス
最後に、ゆっくり唇。
「mfく、っ……」
名前を呼びながらするキスは、
普通よりずっと甘い。
彼の指が俺の服の袖を掴む。
「……もう一回」
「うん」
五回目
六回目
七回目。
どれが最後か分からなくなるくらい、
名前を呼んで、キスをして。
気づけば、
額をくっつけたまま笑っていた。
「ねぇ」
「なに?」
「……呼んで」
「mfくん、」
呼んだ瞬間、またキス。
静かな部屋で、
二人分の息だけが重なる。
「……好き」
「っ、俺も」
答えたあとも
キスは止まらなかった。
コメント
1件
好きですね。