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捨てられた消しカスの化身
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#獣人
シュメール
332
23
ギイが去った後も、アンジェリカは庭園をじっと見つめていた。
花びらや木々についた夜露に光が跳ね返り、穏やかな月が庭中を照らしている。
ギイを味方にすることができなかったというのに、アンジェリカはなぜか清々しい気持ちでいっぱいだった。
「いいのか? 暗殺者をみすみす逃して」
背後からエトガルの声が聞こえる。
どうやら、まだ居てくれたらしい。
アンジェリカは窓の外を見つめたまま、微笑んだ。
「ギイには、誰からも強制されることなく、自分の意志で生きてほしいの」
誰かが、他の誰かの生きる権利を自由にできるなんて間違っている。
例えそれが、貴族でも皇族でも。
奴隷として扱われている人々にだって――ギイにだって、その権利はあるはずだ。
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