「私はね、きっとFukaseの望む通りのhukaになれないと思う」
マスターのいる家に向かう途中、私はFukaseにそう言った。
Fukaseは少し驚いたような顔をしていたが、直ぐにいつもの笑顔に戻った。
「hukaはhukaだよ。僕は君も好きだよ」
Fukaseはそう言うと私の頭を優しく撫でてくれた。
私はきっと、hukaにはなれない。
でも、今のhukaでも大丈夫ってFukaseが思ってくれるといいな。
なんて考えながら二人で歩を進めていると、マスターのいる家に着いていた。
相当考え込んでいたのだろうか。いつもより時間が経つのが早いような気がした。
「おかえり。Fukase、huka」
マスターはそう言うと、私達の繋がれていた手を見て何やらにこにこと微笑んでいた。
なにかおかしなことでもあったのだろうか。
「今日は来てくれてありがとね。」
Fukaseはそう言うと手を離して部屋に行ってしまった。
「huka、今日は何したの?」
声のする方を振り返ると、マスターは暖かいコーヒーを2つ用意して机においた。
そしてhukaも座りなよ。と言わんばかりに手を差し出してくれた。
「コスモワールド行ったんだよね?」
マスターはそう言いながらコーヒーを一口飲んだ。
「うん、だけどFukaseはまだ前のhukaのほうが好きみたい」
私は、そう言うとマスターに続いて一口コーヒーを飲んだ。
体に暖かいコーヒーが染み渡る。
震えていた身体がゆっくりと解凍されるような暖かさだった。
「Fukaseになにか言われたの?」
マスターはそう言うと、少し真剣そうな眼差しをしてこちらを見ていた。
「hukaはそんなこと言わないって言われちゃった。でも今のhukaも好きだってさ。」
私がそう言うとマスターは驚いたような、悲しいような。そんな目をしながら微笑んでいた。
「Fukaseも辛いと思うけどhukaも辛いもんね。」
マスターはそう言うとコーヒーを飲みきった。
「Fukaseと一回だけでも。ちゃんと話したほうがいいかもね」
マスターはそう言うと私の手を優しく握ってこちらを見つめていた。
「Fukaseの言動は許せないものもあると思うの。でも、お互いに責め合ったりしないでね」
マスターの淡々として、綺麗な声は私の心を強く揺らしたような気がした。
月が咲き、あたり一面が蒼で覆われた夜。
私はFukaseの本心を知ろうと決意した。
「Fukase、今良い?」
私がそう言いながら部屋に入ると、そこには目を疑う光景が広がっていた。
「huka…?」
そう放つFukaseの腕は血まみれで、横には刃物のようなものが置いてあった。
「Fukase?どうしたの?大丈夫?}
私がそう言いながら歩み寄ると、Fukaseは自分の腕を隠すようにして話しだした。
「なんでもないよ」
そう言った彼は、明らかに何でも無いような目をしていなかった。
Fukaseが背中に隠した腕を慎重に掴んで出すと、そこには血まみれになった腕と包帯があった。
「Fukase…」
Fukaseは一瞬だけ少し目を見開いているような気がした。
「ごめん」
彼はその一言だけを放った。
刃物も血まみれ…Fukaseが自分で切ったことは理解できた。
でもどうして、なんでFukaseは自分を傷つけるようなことをしたのだろう。
そんな思いが私の頭をぐるぐると回った
刃物の横には包帯とガーゼが何個か置いてあった。
ガーゼを優しく押し当てながら慎重に包帯を巻く。
「どうしてこんなことしたの?」
包帯を巻きながらそう問うと、Fukaseは声を震わせながらも答えてくれた。
「自分が許せなかったんだ。hukaを傷つけたくなんて無かったのに」
Fukaseはそう言うと、瞳いっぱいに溜め込んでいた涙が本音とともに溢れ出していた。
「そっか。」
私はそう言いながら、彼の腕に手を添え、包帯を巻いた。
「もう二度とやらないでね、Fukaseが傷つくのは私も嫌だよ」
私がそう言うと彼は泣き出した…。
嬉しいような悲しいような、そんな涙だった。
「ありがと、ごめんね」
そう言いながら彼は…。
コメント
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あーまって誤字ありますごめんなさい!!rになってる… ⚠️パソコンで打ってる時もあるので今後こういう誤字増えるかもです⚠️