テラーノベル
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ぽよミル
295
ねう。
200
超健全な両片思いのろうぇさんです。
とっても短いので、軽い気持ちで見ていただけると幸いです。
全てakgさんside
ご都合主義の演出であることを深くご理解ください。
【⚠︎この作品を読む際について】
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※こちらは完全二次創作でありご本人様とは一切関係ございません。
※配信やボイスを全て追えているわけではありません。キャラクターへの解釈にブレがあると思いますが、あらかじめご了承ください。
※投稿に慣れていないため、誤字・脱字があり得ます。その場合、教えていただければ幸いです。
※伏字等しておりません。
※公の場での閲覧はお控えください。
問題等ありましたらお教えいただけると大変助かります。
ご理解がいただけた方のみ、お進みください。
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花火の残光が夜空から消え去った、葉月の終わり。
祭囃子も、笑い声も、とうに遠ざかり、淡い月明かりに濡れた晩夏の夜だけが静かに残されていた。提灯に照らされて揺れていた人々の影も、今ではすっかり宵闇へと溶け込み、祭りの喧騒はまるで夢だったかのように跡形もない。
束の間の前まで、夜空には幾重もの花火が咲き誇っていたのに。
頭上を鮮烈に彩る光は眩しくて思わず目を細めたけれど、その煌めきを映した瞳で、普段は泰然とした君が目許を和らげて笑う姿に焦がれてしまった。
少し前から抱き続けていた想い。
隠し通せるほど器用でもなく、かといって飲み込めるほど諦めもつかなかった。
だから意を決し、胸の奥で暴れる鼓動を押さえ込みながら、躊躇いを振り切って言葉にした。
「夏祭り、行かない?」
ようやく絞り出したその一言に対し、返ってきた返事は拍子抜けするほどあっさりとしていて、期待していた分だけ胸のどこかが静かに疼いた。 それでも、こうして初めて肩を並べて夜道を歩いている今、その一歩一歩が夢のようで、胸は小さな波紋を幾重にも広げていく。
隣にいるだけで息苦しくなるほど嬉しくて、呼吸の仕方さえ忘れてしまいそうだった。
祭りを終えた街には、まだ微かに熱を孕んだ夏の夜気が漂っている。屋台から零れていた甘い匂いも、遠くから聞こえていた賑わいも、余韻だけを残し、湿り気を帯びた風が二人の髪を静かに撫でて通り過ぎていった。
その空気がどこか懐かしくて、思わず身を委ねたくなる。 けれど、そんな穏やかな夜風よりも、すぐ隣から伝わる彼の体温や気配の方が、ずっと容易く自分の心を掻き乱してしまうのだから困ったものだった。
彼が少しでもこちらを見れば、胸の内まで見透かされてしまう気がする。 そんなわけがないのに、感情を悟られるのがなんだか気恥ずかしくて、余計な感情ごと夜風へ溶かしてしまおうと口を開いた。
「今日、ほんっと楽しかったなぁ」
「……ん、そうか」
「僕なんて二……いや、三年ぶりくらいだったかも。地元の祭りくらいしか行ったことなかったし、来れてよかった。付き合ってくれてありがと」
「..まあ、また誘えよ」
「へぇ? いいんだ? 本当にぃ?」
「うっせぇー。いいって言ってんだろ」
照れ隠しのようにぶっきらぼうな返事。
それだけの言葉なのに、胸の奥がじんわりと温かくなる。 もしかしたら、またこんな夜を一緒に過ごせる日が来るのかもしれない。
その言葉が意味する未来を想像するだけで、胸の奥が静かに熱を帯びていった。…そんな、あまりにもささやかな期待が芽吹いてしまう。
もし、この時間が二度と訪れないというのなら、いっそのこと、この夏の夜ごと止まってしまえばいいのに。
「……ェン…ウェン」
「おい、ウェン」
浮ついていた思考が、現実へと引き戻されるように顔をハッとあげた。
「……?ロウ?どうかした?」
「お前、足」
「足?」
「見てみろよ」
言われるまま視線を落とした瞬間、小さく息を呑む。
「……うわ。あちゃー、靴擦れしてる」
情けない声が夜道に響いた。
踵の皮膚は赤く擦り剝け、滲んだ血が薄く靴の縁を染めていた。祭りの最中は浮き立つ気持ちばかりが先走って、こんな痛みにはまるで気づかなかった。 歩みを止めた途端、じくりと遅れて熱を帯びた痛みが押し寄せる。
「だからさっきから歩き方おかしかったのか」
呆れたような声色だった。
けれど、その声音には責めるような棘はなくどこか困ったような優しさが滲んでいる。
「え、そんな変だった?」
「……鈍すぎ。気づいてなかったのかよ。」
そう言って小さく息を吐いたロウは、僕の返事も待たずにしゃがみ込んだ。
突然低くなった視界に思考が追いつかない。
「え……?」
「動くな」
短く告げる声は相変わらず素っ気ない。
それなのに、僕の足首へ伸ばされた指先だけが、驚くほど慎重だった。 傷口へ触れないよう靴を少しだけ浮かせ、その様子を静かに確かめる。夜風とは違う体温がすぐ傍にある。それだけで心臓は騒がしく鼓動を打ち始め、傷の痛みなんてとうに忘れてしまいそうになっていた。
「結構擦れてんな」
ぽつりと漏らしたその一言に、思わず苦笑が零れる。
「祭りってテンション上がるじゃん?」
「ハっ、理由になってねぇよ」
呆れたように笑う声。
その笑い方があまりにも自然で、胸の奥がじんわりと熱を帯びていく。
そっか。こんなふうに笑うんだ。 花火を見上げていた横顔とも、同期たちと話しているときとも違う。今だけ自分に向けられた表情なのだと思うと、それだけでどうしようもなく嬉しかった。
「……立てるか」
差し出された手。月明かりを受けたその手は、何気ない仕草のはずなのに、妙に眩しく見えた。
少しだけ躊躇ってから、その手を取る。
そっと指先が重なった。 たったそれだけなのに、触れた場所から熱がじわじわと腕を伝い、胸の奥まで満たしていくようだった。
「ロウ、ありがと」
「……礼とか、いらんから」
素っ気ない返事。
けれど握った手は、すぐには離れなかった。 ほんの数秒。そんな時間だったはずなのに、永遠にも似た静寂が二人の間を流れていく。
遠くで、祭りの後片付けをする誰かの話し声が風に乗って聞こえた。
夏はもう終わろうとしている。
それでも今だけは、この夜がもう少し続いてほしいと、柄にもなく願ってしまう自分が、少しだけ照れくさかった。
コメント
4件
今後は、R指定の作品や、リクエストなども答えようと思っておりますので、投稿頻度が上がると思いますが、よろしくお願い致します‼︎
あ〜、これめっちゃ好き……! 両片思いの距離感が絶妙すぎて、胸がぎゅってなったわ。特に、靴擦れに気づいてしゃがみ込んでくれるロウの優しさと、「動くな」の一言の重みがたまらんかった。手を繋いだあとの沈黙とか、夏の終わりの切なさも相まって、もっと続きが見たい……! ろうぇさんの関係性、尊すぎる🔥