ATTENTION
・賽子様の二次創作
・桃×黒
・青➝黒
・桃さん性格悪め
桃↬『
青↬《
黒↬「
それでもいい方のみお進み下さい
青さん視点から
《 ……、
あにきこと悠佑からの電話が切れる。一度目の電話とは打って変わって弱々しく震えた声。いや、一度目から少し違和感はあった。ないことのことを聞いたあとの間や無理をしたような話し方。あまり聞きすぎない方がいいかもと話を変えたあとはいつも通りに戻ったがどうしても不安だった。その予感は当たったようで、人に弱いところを見せないあにきがあんなに辛そうな声を出していた。
《 ……何してんねん、ないこ、
誰にも届かない声を零し、数十分後に来るであろう客の為の準備に取り掛かった。
電話から1時間経たない頃、スマホと財布だけを持ってまろの家の前に立つ。夜なのにいきなりで申し訳ないな、と思いつつインターホンを鳴らした。
-ぴんぽーん
《 あッ、いらっしゃ~い!
そう返事が聞こえたあと、ぱたぱたと足音がして扉が開く。パジャマ姿で髪もしっとりと濡れているのを見ると寛いでいたんだな、と分かる。俺の胸には、一人の時間を奪って申し訳ない、という気持ちと俺なんかのために時間を割いてくれる、という嬉しさが混在していた。
「 ごめんな、こんな遅くに押しかけて
《 え~の!あにきが来てくれるん嬉しいし!
《 ビールもウイスキーも揃っとるよ!おつまみも作ってるしッ!
そう言ってどや顔になるまろ。その気遣いがどうしようもなく嬉しくて、気付いた時にはまろに抱き着いていた。
《 わ、ッ…あにき……!?
「 ッ、あ……ごめッ…!
《 いや、全然大丈夫やけど…何かあった、?
「 ……うん、まぁ…な、
心配そうに見てくるまろから目を逸らす。まろはそんな俺の腕を軽く引っ張ると、"今日は思いっきり飲むで~!"と高らかに宣言する。そう元気に言うのも俺の事を気遣ってなんだろうな、と思ってしまった。
あにきとの酒盛りが始まって2時間が経とうとしている。いつもは俺が勧めてもあまり飲まないあにきだが、とんでもないスピードで缶を空にしていく。そんなに飲んで大丈夫かとやんわり止めようとするも聞く耳を持たない。もう止めな、と少し強引に缶を取り上げた時、不意に黄色い瞳から大粒の涙が零れ始めた。
《 ぇ”、ッ…あにき、!?なんで泣いてるん!?
酔ったせいか何なのか。もしかしたら缶を取り上げたせいかもしれない。声をあげずにただただ涙を流し続けるあにきに、俺は背中をさすってあげることしか出来ない。少し落ち着いた頃に、どうしたの?と聞くと、ぽつりぽつりと話し始めた。
「 …おれ、ないことわかれたほうええんかな、
《 え…何で、?喧嘩でもした、?
「 …ないこ…おれから金かりて、返してくれへんの。どうせおれのことなんか好きじゃないんや、どうせATMなんや、
「 きょうやって飲み会いくって…おれの作ったひるめしも食ってくれんかった、金かしてもありがとうなんて言われないし…べつの女の人といるほうが楽しいんや、
泣きながら事細かに語られることはどれも信じがたかった。ないこがそんなことをする奴だとは思えないが、あにきはそんな嘘をつくほど嫌な奴じゃない。何よりあにきは泣くほど追い詰められている。そんな目の前の事実が俺の心を締め付けた。
《 …あにき……、
「 …こどもは出来ないしまわりには変な目で見られるし、おれといっしょに暮らしてること後悔してるんやろ…、
涙を拭うこともせずに話し続けるあにき。そんな彼の姿を見ているうちに、俺は昔のことを思い出していた。
あにきとないこと俺は高校が同じで、いつも一緒にいるような仲だった。3人とも別の大学に進むことになったが、その間も飲みに行ったり旅行に行ったりとずっと一緒に遊んでいた。
事が起きていたのは俺が留学していた時だった。日本に帰ってきて就職した後に俺から連絡をして飲みに誘った。そして3人で飲んでいた時、2人が付き合ったことを知らされたのだ。その時の衝撃は言葉では言い表せないし、上手く祝えたかも覚えていない。お開きになって家に着いた時のどうしようも無い虚無感は頭に残っている。
俺の方があにきを好きだったのに。
ずっと一緒にいるから。
寂しい思いなんてさせない。
だから桃髪のあいつの隣で笑わないで。
そんな醜い感情が吹き出してくる夜を何度も過ごした。あんなに仲が良かったないこのことを妬んだ日もある。俺じゃなくてないこを選んだあにきを恨んだこともある。
それでも、ないこだからあにきを任せようと思えた。友達という枠で収まらないくらい大切だから、2人が幸せだと胸を張って言えるなら…と思っていた。
……それなのに、ないこはあにきを泣かせた。こんなに辛い思いをさせて、苦しませて。なにか理由があったとしても俺はないこを許せない。俺なら絶対にそんなことしないしさせない。家事だってやるし金を借りるなんて以ての外。あにきが望むならなんだってする。
…だから、だからさ、俺の事を見てよ。
《 ……ねぇ、あにき、
「 ……、?
《 ……もし、良かったら_____
-がちゃっ
『 …何してんの、あにき
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次で終わります
青さんルートか桃さんルート、どちらがいいでしょうか。
決めてないのでコメントによりけり。
コメント
3件
ぎゃあああ!!!最高です…👏🏻👏🏻 もう設定も文も全てが好みすぎる…!! どっちのルートも最高そうだけど桃さんルート希望で🙋🏻♀️
青さんルート希望です!!