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ATTENTION
・賽子様の二次創作
・桃×黒
・青➝黒
桃↬『
青↬《
黒↬「
・桃黒幸せの青さんちょい不憫回
それでもいい方のみお進み下さい
今回は桃黒るーと
次回、青黒るーと書きます
-がちゃっ
『 …何してんの、あにき
部屋の空気が凍りつく。まろもさっきまで言いかけていた言葉を途切れさせてないこを見つめる。その眼は睨みつけるように鋭かったが、ないこはまろのことを気にも止めないようで、俺のことをじっと見ていた。
「 な、ッ…いこ…?なんで…飲み会じゃないん……、?
『 飲み会の途中で抜けてきた、あにきが家にいないの気付いたから
「 何でわかったん…?俺がここにいるって…
『 ん?あにきのスマホにGPS入れてるんだからわかるに決まってんじゃん
がたんと音を立ててまろが立ち上がる。俺以上に驚いているようなまろ。いきなりGPS、と聞かされたらこんなに驚くのも無理は無い。というか実際俺も理解出来ていない、あのないこが俺のスマホにGPSをつけていたなんて。
《 は…GPS……、!?あにきそれ知ってたん…!?
「 いや…知らない、ッ……
まじでありえへん、と呟くまろ。まろの言葉を無視したのかそれとも聞こえていないのか、ないこがまた話し始める。
『 てかあにき何で泣いてんの?しかもまろのとこで、
「 ぁ…いや、これは、ッ……
『 …まろ、あにきのこと泣かせた?
《 …はッ、何言ってるん?笑
《 あにきのこと泣かせたんはないこやろ、?笑
『 は?俺?俺が何したって言うの、?現状、まろの家であにき泣いてんじゃん
淡々と詰めていくないことなにかに苛立っているまろ。2人が火花を散らすように言い争っているのを、俺はただ傍で見ていることしか出来ない。
『 ほんっとに有り得ないんだけど。何、浮気でもしてた?
《 浮気ちゃうわ、てか浮気しと~のはそっちやないん?
『 ……は?何で?どっからそうなんの?
《 あにきから話は聞いたで?金は返してくれんし飲み会ばっか。家事もしないくせに今日の昼なんてあにきの作った飯も食わなかったんやろ?
《 そんなん浮気も疑うし、人の家で泣きたくもなるやろ、
『 ッ…それは、ッ……
《 ……あにき、ちゃんと言ったれよ、
まろとないこがこっちを見ている。部屋の中には沈黙が広がり、2人は俺の言葉をじっと待っている。
「 ……ないこ、
『 ……、
「 …俺な、寂しかってん、
「 俺ばっかり好きなんかなって思ったし…お金目当てなんやろなって思った、
『 ちが、ッ……
「 違うって思いたかったッ…!
『 ッ……、!
「 でも、ッ…もう…信じられんくなってるッ…こんなに好きやのに…好きでいるのが辛いんよッ……!
夜中なのも気にせず、顔を涙で濡らしながら叫んでいた。自分事のように悲しそうな顔で見守ってくれているまろ、自分を責めるような顔で俯いているないこ。2人の表情が心に刺さる。
「 ……嫌いなら…もう別れ_____
『 あにきッ……!!
急に視界が暗くなる。ないこに抱きしめられたんだと理解出来たのは数秒後のことで、ないこからは俺が昔好きだと言った香水の香りがした。
『 ごめん、ッ…ほんとにごめん……!
『 不安にさせて…ごめんなさいッ……!!
「 ないこ、ッ……、
『 …言い訳みたいになるんだけどさ…お金借りたのも飲み会多いのも理由あって、ッ……
「 ……うん…、
『 …飲み会多いのは……ほんとに上司に誘われてるからで…、
『 今、新しいプロジェクト立ち上がってて…取引先の人と飲みに行かなきゃないこと多くて、
「 ……ッ…でも、ッ…
『 ……ごめん、信じられないよね…
「 …お金、借り続けたのは…、?
『 お金は…親の病気が関係してて、
「 …ぇ…病気……、?
『 難病らしくてさ、ッ…給料大半払っても足りないとこあって…あにきから借りてた…、
『 家計も払えなくてお金も返せなくて…ほんとにごめんね……、
「 …何で…言ってくれなかったん……、
『 心配かけたくなかった…から……
《 …あにき、ちょっとないこから離れて、?
「 …、?
不意に口を開いたまろ。言われた通りにないこから離れると同時にまろが歩きだし。
-ぱしんっ
「 ッ…ぇ、!?
まろがないこの頬を叩いた。
-ぱしんっ
「 ちょ、ッ…まろ……!!
2度目の張り手を食らわせたまろ。俺は駆け寄って止めようとしたが、まろの真剣な表情を見たら足が止まってしまった。
《 …1回めはあにきを泣かせた分、
《 2回目はあにきにほんとのこと話さなかった罰
《 …信頼してんならちゃんと話さなあかんやろ、
『 …うん、ッ…ごめんッ……
《 俺やないやろ…言うべき相手、
『 ッ…あにき…ほんとにごめんッ…!!
『 言えなくてごめんなさいッ…許してとは言わないから…別れるなんて言わないでよ……
「 …俺も、もっとちゃんと言えばよかったわ、
「 大切なパートナーやもんな……ごめん、ちゃんと言えてなくて、
『 ッ…あにきッ……!
思いっきり抱きついてくるないこ。年甲斐もなく泣いているのを見て、俺も一緒になって泣いてしまった。何分経っても泣き止まない俺らをみて、今日は泊まってけば、と温かいお茶を出してくれるまろ。その言葉に甘え、その日はまろの家に2人で泊まらせてもらった。ないこの隣で寝るなんていつ以来だろう、なんて考えているうちに泣き疲れた俺は意識を手放していた。
次の日。朝ご飯までご馳走になった俺とないこ。片付けをし終わり、帰ろうとした時にないこが忘れ物に気付いたらしい。ばたばたと玄関から部屋に戻って言った。そんなないこを見ているうちに、ふと思い出したことがあった。
「 なぁまろ、ないこが来る直前、なんか言おうとしとらんかった?
《 …しとらんよ~?笑
《 あにき、泣きすぎて記憶ごっちゃになっとるんやない?笑
「 な、ッ…そんなことないわ!
《 んふッ…はいはい、笑
何かはぐらかすような態度のまろに揶揄われる。子供を相手にするような態度に頬を膨らませていると、軽く頭を撫でられた。
「 …身長マウント?
《 違います~、お疲れ様って意味です~笑
「 ……身長マウントにしか思えんねんけど、!
《 違うってば!笑
なんてくだらない言い争いをしているうちに、またばたばたと言う音が聞こえてきた。ぶんぶんと振る手にはスマホが握られている。ぱっ、とまろが俺の頭から手を離す。
『 お待たせ~ッ……!スマホ見つかった、!
「 お、!よかったな~!
『 …まろ、何から何までありがとう、
《 ……次もこんなことあったらビンタじゃ済まさんからな、ないこ
『 …うん、分かってる
《 ん…なら良し、
《 じゃ~な、2人とも、また今度飲みに行こ?
「 せやんねッ!絶対行こ~な!
『 ばいばい、まろ、!
《 ん、またな~!
2人でまろに手を振りながら歩いていく。二度と離れないように、すれ違わないように、とお互いの空いた手しっかりと握りながら。
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桃黒るーと 「手を繋いで」
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次回、青黒るーと
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