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疲れたあなた

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疲れたあなた

1 - 疲れたあなた

♥

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2025年04月12日

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fwhr


付き合ってる


同棲済


Hなし


ちょい甲斐田が病み気味


約3200時


ご本人様関係ありません



























fw視点


ここ1ヶ月の晴は、毎日毎日残業をしていて、帰ってくるのがすごく遅い。日を跨いで帰ることばかりで、正直彼の体調や精神面が心配だ。


試しに以前、



『晴、大丈夫なん?体は。無理してへん?』



と聞いてみたが、



「大丈夫ですよ。本当にきつくなったら頼りますから」



と言われてしまった。


別にそれで頼ってくれるならいいのだが、全く相談もしないし疲れていく一方で、最近は会話も食事もままならなくなってきてしまっている。


さすがにまずいと思い、休みを取るように説得した。おかげで明日はようやく一日晴がゆっくり休める日になった。


とりあえず今日も8時までには帰ってくるように言ったし、ご飯だけ作っといてやるか。


たまには癒してやらねぇとな。



















『悪いな、晴。手伝ってもらっちゃって』


「いえ、作って下さったんですから、これぐらいさせてもらわないと」



家に帰ってきた晴には今、俺が作ったご飯をテーブルに運んでもらっている。帰ってきた時はわずかに元気かと思ったが、今晴の目は俯き気味で、目の下の隈や疲れきった顔を見ると辛くなってくる。


飯食べさせたら風呂入れて、マッサージでもしてやるか。そしたらベッド突っ込んで寝ると。俺がいない方がぐっすり寝れるか、でも居たら嬉しいって言ってくれたし⋯どうするか













ガタンっ








リビングから大きな音がしてハッとなり、急いで向かう。



『晴!?どうした!?』



晴が片手をテーブルに乗せたまま、座り込んでしまっていた。隣にしゃがみ、背中を支える。そのとき、背中から伝わる熱に異変を感じた。



「す、すみません⋯なんか急に、⋯目が回って⋯」


『⋯おい、晴⋯⋯相当熱いぞ』



異様に背中が熱い。顔を見れば若干青ざめていて、油汗をかいている。



『⋯いつから熱あったんだ』


「分からないです⋯帰ってくる時から気持ち悪くて、、ご飯食べれば治るかと思ったんですけど⋯」


『⋯なんで言わなかったんだよ、我慢してないで一言声かけてくれれば⋯!』






















「⋯⋯⋯⋯ごめん、なさい」





『⋯あっ⋯いや、』





馬鹿だ





『ごめん、晴は悪くないから』





馬鹿だ、俺





『とりあえずベッドで寝よう。一緒にいくか?』





「⋯大丈夫です、もうひとりで立てるので」





馬鹿

























これが甲斐田晴だろ。
















自分のキャパシティ理解出来てない。だから、俺が見ててあげなきゃって、ずっと思ってたのに⋯⋯




俺が支えなきゃいけないんだから⋯⋯




体温計や解熱剤、飲み物、冷却シートを持ち寝室に行くと、晴はベッドで、今度は真っ赤な顔になりながら息を上げていた。




トントン



「晴、大丈夫か。薬とか持ってきたけど、飲めるか?」


『⋯ありがと、ございます⋯』



晴の肩ら辺を優しく叩いて目を覚まさせ、背中に手を回して起き上がるのを手伝う。


熱は39.1分とそれなりに高かった。解熱剤と頭痛薬を飲ませ、水分をしっかりとるように強く念を押した。



『このサイドテーブルのとこに飲み物置いておくから、好きな時にとって飲めよ』


「はい⋯」


『あと、なんかほかに必要なものあるか?』


「いえ⋯⋯大丈夫です」



苦しそうな息遣いをする晴を見ると本当に可哀想で、俺は我慢できず赤くなった頬にキスをした。



『⋯⋯早く良くなれよ⋯⋯バかいだ』


「⋯はは、ほんとですよね⋯ミスして、自分で仕事増やして、不破さんに看病されてるんじゃ⋯庇いきれないですよね⋯ごめんなさい」


『⋯⋯っ』





分かってるんだ。技術はあるのに上手く使いきれていないところも。こいつ自身にある優しさそのものを、他人に全部与えてしまうから、自分に割く分がなくなってしまうことも。



分かっているから助けないといけないのに、俺も気づけなくなってた。気付こうとしていなかった。



心配だけして、どこから手を出したらいいのか分からないのを言い訳に、助けを求められないこいつを放っておいてしまった。





俺の落ち度でもあるんだ⋯





『⋯晴は悪くない⋯⋯気にすんな』



これしか言えないのが悔しい。でも変に言いすぎても、気を使ってるのが分かりやすくて余計に傷つけるかもしれない。



『じゃあ⋯なんかあったら呼んでな、すぐ隣の部屋にいるから』


「はい⋯」



終始目を開けられなかった晴の頭を撫でて、俺は部屋から出ようとした。






「不破さん」


『⋯ん?どした?』




「ありがとう⋯」


『⋯おう』





「⋯僕、不破さんが休めって言ってくれなかったら、今日も、明日も残業してた⋯」


『⋯⋯』





「残業してたら、、熱も出なかった⋯」






















「不破さんといると⋯⋯安心しちゃって⋯」



『⋯⋯』









「気が抜けちゃったんだ、 、、」






「不破さんには迷惑な話かもしれないけど、、僕、すごくほっとした⋯⋯ 」





「⋯ありがとう」










なんで礼なんか⋯


そんなもの言ってもらえるようなことは何も出来ていないのに⋯



でも、俺にとっての『何も出来ていない』が晴にとっては「大きな救い」なのかもしれない。



それぐらい、こいつと俺は物の見方も考え方も違くて⋯



それぐらい、こいつは⋯⋯溜め込んでいた。




ドアにかける手を離し、苦しそうに息をする晴に近づく。





なんで、、、言えないんだろう





どうして、、、助けを求められないんだろう





しょうがない事なのにどうしようもなく可哀想で、でも俺がどうにかできる事でもなくて、言葉にならない思いがグッと胸におしよせ、晴の頭に覆い被さるように抱きしめる。



「⋯⋯不破さん」


『晴⋯⋯』





『⋯⋯迷惑、かけていいんだよ⋯恋人なんだから⋯』




友達でも、営業でも、先輩後輩でもない。



俺たちは紛れもなく愛し合っている。だから頼って欲しいし、頼りたい。疲れた時に休める場所を作れる、唯一の存在だから。



晴の息が首元にかかる。ゾクッとして、生きていると実感する。



『⋯晴、愛してるよ⋯俺だって迷惑いっぱいかけるし、たくさん可愛がってやるから⋯』







『そんな思いつめないでくれよ⋯』







分かってる、出来ないんだってことは。でもわかって欲しい。必ず、どんな時でも、いちばん傍で支えてあげられるのは俺だけだ。





「⋯⋯ありがとう、、、善処、する⋯大好きだよ、不破さん」




晴の顔を見たくて少し離れたら、晴は静かに泣いていた。横向きで寝ているせいで、涙は枕の方へ流れていく。


一滴拭ってやると、それはものすごく熱を持っていて、冷たい俺の手にジュワッと溶けていくようだ。


苦しい思いが涙として溢れて、きっと今は安心しきっているだろう。汗をかき、涙を流し、眉をほんの少しひそめる顔がどこか可愛らしい。





ちゅっ



「んっ⋯///」



『ぷはっ⋯ごめんね晴、辛いのに』


「そんなのはいいですけど⋯移っちゃいますから⋯せめて口じゃないところにすれば、良かったのに⋯」


『口にしたかったんだ、』




『ゆっくり休めよ』




そう言って晴から身を離したときには、こいつはすでに寝ており、音を立てないように部屋から出た。


ちょくちょく姿を伺って⋯とかしていたせいで、その夜俺は、ほとんど眠れなかった。















翌日、晴が体を起こしてきたのは午後の3時をすぎた頃だった。


熱は下がってはいなかったが、顔色は多少マシに見えたし、表情もいくらか明るかった。


でもどこか人が変わってしまったような、また今までとは違う別の何かを背負ってしまっている感覚がした。


怖くて聞けなかった。聞いてしまったら、もう二度と俺の目の前には現れてくれないような、不明確な確信があったから。




晴は⋯⋯






















俺にどうして欲しいんだろう─────













読んでくださりありがとうございました!


こんな感じの終わり方になる予定ではなかったのに


バッドエンドみたいになっちゃった


ハピエン期待してくれてた皆様ごめんなさい




疲れ切ってしまう甲斐田がとても好きで⋯

それを心配しすぎちゃったぷわも好きなのですが、今回は過干渉レベルは低めにしました

次回もまた読んでくれると嬉しいです♪



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