コメント
8件
よかったらなんですけど、リクエストで三馬鹿の夢小説お願いします( *˙˘˙ ) *.ˬ.))
お久しぶりWT夢です〜!腐の方は土曜に出せます。またメモに眠ってた話です…二年くらい熟成させてました(?)
◤◢◤◢注意◤◢◤◢
・🔞❌
・二犬気味
・想像まみれ
・犬飼目線
近界民に襲われて、ボーダーに助けられたのをきっかけにボーダーに入った。意外にも性に合ってたらしくて、そこそこ強いラインらしい。で、そのせいか部隊の勧誘がえげつない。何かもう、すごいんだよね。君強いからうち来ない?とか、部隊組むから一緒にA級目指そうよ、とか色々ね。でもおれからしたら全部口説。おれは女じゃねっつの、って思う。でもその中で口説なんだけどなんか違う誘い、今受けてんだ。お前は強い、だから俺の作る部隊へ来い、必ずお前をA級に導いてやる、っていうね。ちょっときゅんと来ちゃったのは内緒。それで酷く疲れちゃってさぁ、ぱっと頭に出てきたんだよね、この建物の一番上から見る景色はどれだけ綺麗なんだろう…って。んで、今屋上に行ってる訳。カン、カン、と階段を登った先に見えたのは分厚い鉄の扉。その横にはトリガーを認識する為専用のパネルがあった。どうやらトリガーが無いと開かない扉らしい。おれはトリガーをそのパネルにかざすとその扉はピッ、と音を鳴らし、ガガガ、と扉が開かれた。そうして一つ階段を登ると。
「わ…!」
思わず声が出てしまう程の綺麗な星空があった。冬だからというのもあり暗くなるのが早い。午後18時のその空は、漆黒に染まっていた。
「…きれーだな」
危ないと知っている、が、トリガーを起動せずに柵もない屋上の淵に座る。
「…ほんとに綺麗だな」
足をぷらぷらとさせながら色々浸っていると、扉からカン、カン、と階段を登る音がして、ピッ、と音をした後扉が開いた。少し身構えたと同時に、さらりとした鼠色の髪を靡かせながらこちらに向かってくる。
「…あれ?先客さんだ、珍しいな」
くつくつと笑うその人は恐らく同い年、それか少し年上の女の人だ。
「…ねぇ君、昨日の入隊式で入ってきた子?」「…」
こく、と頷く。綺麗な人だなと思う。
「そっかぁ…同い年、かな?わたし十六、高一!六頴館生だよ」「あ、おれも、十六で六頴館生」「君も六頴館生なの?!君みたいな金髪の子、会ったことないから…別のクラスだね」
ふふ、と笑い隣に座る。まさかの同い年に同高だったなんて、と少しの衝撃を受けた後、名前が気になり聞いてみた。
「…あの、名前は?」「あ…名前名乗るの忘れちゃったね、わたしは開出琴華って言うの、君は?」「犬飼澄晴、よろしく」「ん、よろしくね」
へへ、と笑う目の前の彼女。月明かりが綺麗な彼女の顔を照らす。赤い目が不穏に揺れた。
「えと、なんて呼んだらいいかな?開出ちゃん?」「…琴華」「え?」「…琴華で、いーよ」
夜で顔なんて見えないはずなのに、その時だけ月明かりが全てこちらに向いたような気がして、時が止まったような気がした。
「…琴華、ちゃん」「…ッふふ琴華でいいって言ったのにぃ」
思わず吹き出しました感満載の笑い方。そんな顔でも可愛い琴華ちゃん。
「…ね、わたしさ、犬飼くんと喋って分かったことがあるの」「え?」「…君は…犬飼くんはね…絶対に、A級に上がってくるよ」
さっきまでの目とは違ってぎらぎらとした目。その威圧的な目は、説得力が違った。
「どうして…そんなこと」「今、ある人から勧誘受けてるよね?十八歳の…茶髪の男の人」
その人はさっきの第一候補の勧誘をしてきた人の事を言っていた。どうして琴華ちゃんがその人の事を知っているのかは知らない。
「あ…うん、二宮匡貴さんでしょ?」「そーそー…でね、これは一つの意見として聞いてほしいんだけど…まぁ、君の人生だからね。わたしはその人の部隊に入った方がいい気がするの、わたしは知ってるんだ。あの人がどれだけ強くて、寛大で、優しい人なのかを…けど…きっと困難もある、苦痛もある…けど、必ず君はB級以上にはいける」
ずっと喋ってる間、瞬きすらせずに、ずっと眼を見られながら。まるで心を見透かされるみたい喋られて、心臓が跳ねる。
「琴華ちゃん凄いね、実はおれ、あの人のとこ行こうと思ってたの。あの人が今んとこ1番好き」
にし、と笑うと琴華ちゃんは少し安堵の笑顔を浮かべた。
「…そっか、じゃあ……上で待ってる」
「_琴華ちゃん!」「え?」
個人ランク戦の間でログをイヤホンで聞きながら見ている女性に、おれは声をかける。女性はイヤホンを外して目をぱちくりとさせた。その後ハッと思い出したかのように口をはくはくと動かせる目の前の女性。
「その特徴的なくせっ毛と金髪は…!犬飼くん?!「そ!スーツ着てたから分かんなかった?」「うん…あ!!二宮さんの隊で里見くんと同じレベルの銃手って…もしかして…」「おれだよ〜」
びっくりしている琴華ちゃんを置き去りに、おれは話を続けた。
「…あの日、琴華ちゃんに言われた言葉、忘れられなかったんだよね」「はえ?わたしなんか言った?」「言ったよ!ほら、上で待ってる、って言ったでしょ?」「…あー!言った言った…!ほんとにA級来ちゃったんだ…!」「うん、来ちゃった!」
ふふ、と笑顔を見せると、琴華ちゃんは満面の笑みで微笑んできた。
「そっかぁ!…ようこそ、A級へ」
少し妖しい笑みを浮かべる琴華ちゃんに、おれは興味が湧いた。
「…うん、すぐ、上位行くから」「ふふっ、待ってるよ」
終