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葵 だざむ🤕🍷@ペア画中
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#藤澤涼架#大森元貴#若井滉斗
えびっ子
346
#もとぱ
Lamb
57
風はただ知っている。
坂道が多くて、心地がいい潮風が吹く、夕日が綺麗な水の都。僕たちは、この町で一緒に暮らしながら音楽を作っている。
ある日の春。夕方が近づく昼下がり。坂道の上にある、古い木の匂いがする一軒家。ガタッと椅子から立ち上がる音と共に、ペン画落ちる音が聞こえた。
「あーー!…ダメだサビが思い付かない、」
机に伏せ、顔を腕に埋め、盛大に頭を抱える大森。机に広げられたノートには、書きかけの歌詞たち。まるで迷路のように迷走した言葉の跡が残されていた。
「元貴ぃ煮詰まりすぎだよぉ。はいっお茶でも飲んで落ち着いて?」
開け放たれた窓から入る、少し湿り気を帯びた涼しい風に髪を揺らしながら、藤澤がお茶をのせたトレイを手に苦笑いを浮かべる。窓のすぐ下からは、チャプチャプと小気味いい水音が聞こえていた。ここ、水の都は、道の代わりに美しい運河が街中に張り巡らされている。
「ぁ、涼ちゃんありがとう。……でも、だめだ!この部屋の空気じゃなくて、もっとこう、外の空気を吸わないと……、!」
ガタッと勢いよく立ち上がった大森は、書きかけのノートをひったくるように掴むと、そのまま家を飛び出していった。
「あ、ちょっと元貴!?」
「あはは……まぁた元貴一人で突っ走っちゃったの?」
あきれたように笑いながら奥の部屋から顔を出したのは、アコースティックギターのケースを肩にかけた若井滉斗だった。
「ぁ、若井~。元貴、またノート持って行っちゃったよぉ…」
「いーのいーの、いつものことでしょ。水の上ってさ、遮るものがないから音がよく響くんだよね。きっとあいつ、今ごろ運河の上で風の音でも聴いてるんじゃない?」
「ふふ、そうだね。じゃあ、僕たちも別の舟で追いかけようか」
若井はニヤリと笑ってギターケースを背負い直し、藤澤も愛用の小さな鍵盤と五線譜をカバンに詰める。 窓の外では、夕日を浴びて黄金色にきらめく水面を、心地いい秋の風が優しく吹き抜けていった。
コメント
1件
第2話、素敵でした!大森さんが煮詰まってノートを掴んで飛び出す感じ、創作あるあるすぎて笑っちゃいました。でも「遮るものがないから音がよく響く」って若井さんの台詞、水の都の風情が一気に広がって胸が躍りました。窓の外のきらめく水面と秋の風、そして3人の穏やかな関係性がじんわり沁みます。この先、どんな音楽が生まれるのか楽しみです🌿