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rdgt(aotb)
別のアカウントで書いていた作品です。見覚えがあったとしても何も言わないで頂けるとありがたいです。
短い、展開が早い、拙い文、全てrd視点、rdの仮面の下捏造、季節が冬、などがあります。ご注意ください。
ご本人様とは何も関係がありません。名前をお借りしているだけです。
冬。色んな人が寒さでマフラーや手袋などを着用して、服も一段と厚くなる。
そんなどんな人も、子供でなければ耐えきれない時期で一人、屋上に半袖短パンの男が居た。
「ねぇつぼ浦、その格好どうにか出来ないの?俺も寒くなるんだけどぉ」
こちらに背を向けて、警察署の前のガレージにたむろした数人の署員を眺めている当の本人、つぼ浦匠。365着持っているという服を着用した季節外れの後輩だ。
今は冬で外はとてつもない寒さ。そして署内にヒーターが導入されたことにより屋外ではなく屋内でチルをする署員が多い。
ここで何をしているんだろうという純粋な疑問と、見るだけでも寒いその格好に、サムズダウンをして苦情を述べながら話しかけた。
「誰かと思えばアオセンじゃねぇか。寒くねぇから大丈夫だろ。…っくしゅ、」
振り返ったと同時に揺れる右耳のピアス。ずっと付けているのかなぁ、なんて考えていたら、くしゃみをしながら寒くないと反論される。説得力があまりにもない。
「もーー、これ付けな」
「わぷっ、ンだ、いらねぇよこんなん!」
自分のつけていたマフラーを取り、つぼ浦の首に巻きつける。犬みたいにギャンギャンと吠えながらマフラーを取ろうとした為宥めた。
「世話の焼ける後輩だなぁ…」
「くそ、勝手に世話してるだけだろうが、自分のこと棚に上げやがって」
「ん??なに??」
「何もねぇよ!!」
反抗期の息子はこういう感じなのかな、と勝手に妄想を膨らましながらぶつくさと文句を垂れる後輩を横目に隣に行く。そしてずっとポケットに入れていた左手をつぼ浦の右耳まで伸ばし、全体を暖めるように包む。
氷でも触っているようなその冷たさにびっくりしながら、ふにふにと耳の上の部分を触った。
「ッ、!?な、なんだ、びっくりしたっ、」
「うわ、冷たいね。イヤーマフとかしたらいいのに」
俺の思わぬ行動に肩を跳ねさせ、心臓を押さえるつぼ浦を見て少し笑いを零す。
右手も出しつぼ浦の左頬を触ると、心做しか耳よりかは冷たくはない。が、それでもとても冷たい頬に自分の手の熱を移すと、やはり熱を欲していたのかつぼ浦はすりすりと右手に擦り付くように顔を動かした。
「ねぇ、そのピアスいいよね。」
「…ン、このピアスか?あぁ、俺も気に入ってんだ。」
かっけぇだろ、とにかっと笑う姿に愛しさを覚えながら適当に同調する。
耳を触っていた左手をピアスまで移し、形を確かめるように、引きちぎってしまわないように優しい手つきで触った。
「…ね、ピアスって右耳につけるか左耳につけるかで意味変わるらしいよ」
ふとそんなことを思い出し、つぼ浦は知らないだろうと自慢げに話す。
案の定知らないのか、意味とかあんのか、と首を傾げていた。
「左耳だと男らしさ、右耳だと女らしさになるらしいよ。」
「はぁ、俺が女らしいってことすか?」
「そう言って欲しいならそう言うよ?」
バットを構えながらそう聞かれ、にやにやと笑みを浮かべながら返すと一発振りかぶってきた。がギリギリで回避。くそう、短気め。
「右耳はね、同性愛者って意味があるらしい。ほら、女らしさだから恋愛対象が男って感じなんじゃない?」
適当に理由を考えながら教えるようにそう述べると、ふーん、と興味のないように、でも聞いていると言うように相槌を打つ。
「んで、実はね、俺もつけてんだよね。右耳にピアス。」
最初は窮屈だったが今はもう慣れきってしまった鬼の仮面を取り、素顔をつぼ浦に見せる。そして自身の右の耳たぶを触り、ピアスがついていることを確認した。
「…さっきのことを言ってからそれを見せる、ってことはそういうことで合ってんすか」
オレンジ色のレンズのサングラスの下からじとりと睨むようにこちらを見つめられる。意外にも、というか普段が埒が明かないだけで普通に察しがいいつぼ浦。他にどういう理由で見せると思うんだ。
「くふ、合ってるよ。そう思ってて」
またつぼ浦の右耳のピアスに触れる。今度は俺の手が耳に向かっていくのが見えていたから無反応だった。つまんないヤツめ。
「ね、つぼ浦好きだよ。」
大好き。と一回愛の言葉を零してしまえば次々と溢れ出る。
つぼ浦の目をちゃんと見て、右耳のピアスに触って、左手を掴んで、逃げられないようにする。
「…気持ち悪いよね、これは愛の告白だから、先輩後輩間でするものじゃないから、振っていいんだよ別に」
振られたら振られたで悲しむけどもやっぱりぐらいで済ませられる。
初めてお前を見た時から出てきたこの気持ち、自分勝手で申し訳ないけど、やっと折り合いをつけさせてほしい。
「…別に、気持ち悪いとは思いませんよ。誰が何を好きになろうとその人の自由ですし。俺も、……」
俺も、そう言った後に続く言葉が無く、俺も?と復唱する。
つぼ浦の顔はどんどんと紅潮していき、この冬に合わないほど真っ赤の茹でダコになった。もしかして、これは。
「ねぇ、つぼ浦、俺のこと好き?」
「ッ…誰がおめぇなんかっ、」
マフラーをつけてあげたときよりも顔が真っ赤で、元気よく吠えるつぼ浦を見て笑いを零してしまう。
なぁんだ。お前も俺と同じ気持ちじゃん。
「…ねぇ、ずっとこのピアス付けててくれる?好きなんだよね。」
「…別に、いいすよ。元々それ言われても取ろうと思ってなかったんで」
「だよね」
「逆に、アオセンもずっとそれ付けててください。」
「なんで?」
「………好きなんで。」