瞳

※死パロ

※ご本人様には全く関係ありません

※長いので時間がある時に！

最後までしっかり読んでいただきたいお話です

side若井

（楽屋にて）

w「最近足が太くなってきたっていうか…」

o「っなにそれ笑太った？笑」

f 「浮腫んでるんじゃない？ライブ続きで立ってること多いし」

w「そうなのかなー、」

浮腫んでる…だけか

ここ数ヶ月打ち合わせやギターの練習、曲のアレンジやテレビ番組などで寝れていない。

2人には言っていないが、睡眠時間は2時間寝れたらいい方だ。

「健康が1番だから」

元貴にそう言われたがスケジュール的に寝られない。

そのせいかテレビの出演でも頭が回らず、演奏にも支障が出てきているような気がして。

明日は真昼にあるフェスに出演する。

ステージ上は客席よりも温度が高く、衣装もあるので熱中症のリスクは充分にある

ご飯もろくに食べられていないのにいいパフォーマンスができるだろうか

2人と話してから家に帰って、

今の時間は午前3時。

明日の6時には家をでなきゃ行けないのに

「流石に寝よう…。」

ベッドに横になりメンバーやマネージャーから連絡が来ていないかの確認のためにスマホを開く

（通知は…きてないや、）

スマホを閉じて寝ようと思ったが、今日楽屋で少し話した足の腫れが気になったため調べてみることにした

足の腫れ　原因　　［検索］

調べてみると「心不全」や「全身性疾患」などがでてきた。

少し怖くなったが「運動不足」や「長時間同じ姿勢」という情報も出てきたため、涼ちゃんが言ってたようにずっと同じ姿勢だからだろうと思うようにした。

明日はライブ。余計なことを考えるわけにはいかないし、メンバーに心配をかけるわけにもいかない

不安もあったがスマホの電源を落として眠りについた

---

ライブ当日。

目覚まし時計がなり目を開けると時刻は5時半。

「あと30分で迎えだ…」

資料などの荷物をまとめて身支度をしようと 起きあがると、足にズキッという痛みが走る

「いっ”、」

足を見てみると腫れは昨日よりも悪化していた。

寝る前に調べた内容が思い浮かぶ

正直怖い。死のリスクがある病気だ

「…時間が」

そうしているうちに5分はあっという間にすぎて足の痛みに耐えながら洋服に着替える

ーーーー

その後マネージャーが家に迎えにきて、ギリギリで車に乗り込み、スタジオ入りしてから無事にライブを終えることができた。

しかしいつものようなパフォーマンスはできなかった。

足の痛みは少しずつ増してきており、少し動いただけでも息切れが続く。

急な胸が締め付けられるような痛みがきたり、体に異変がでてきた。

それと同時にまた心不全というワードがでてくる

しかしそんなことを気にするまもなくライブ終わりには打ち合わせがあって、次のレコーディングに向けての話やFCようの撮影もある

トイレに行って気持ちを落ち着かせた後、会議室へと向かった

部屋に入ると元貴が「若井、ちょっと」と声をかけてきた

o「昨日さ、足むくんでるとかいってたじゃん？」

w「あぁ、うん」

o「調べたらさ病気の症状とかもでてきたんだけど」

どうやら元貴も気にかけて調べてくれたらしい。

o「今日早上がりしていいからさ病院行っておいでよ。マネージャーも連れて行きな」

w「いやいいよ、FCの撮影もあるし、足の腫れは昨日よりマシだし」

o「…嘘つけ。俺の観察力舐めんなよ〜？笑」

w「ほんとだって笑。大丈夫だから打ち合わせしよう」

o「今週中に病院行くこと。約束ね」

w「行けたらね」

病気のことは考えたくなかった

怖いから

迷惑かけたくないから

でもへんな病気だったらもっと迷惑をかけることになる

いや、元貴だって難聴なのに頑張ってるんだから俺だって大丈夫だ

今は仕事に集中しよう

そう思って打ち合わせに集中した

---

1週間後

o「若井。病院行った？」

w「いや…まだ…笑」

o「休んでもいいから行けって」

w「休むわけにはねー、」

o「本当にダメだって。どうせ俺たちに心配かけたくないとか思ってんだろ」

w「いやいや笑そんなこと、」

o「図星だねー。メンバー以前に友達なんだから。若井には健康でいて欲しい」

元貴は俺たちのことをよく見ている

顔のちょっとした動きや声のトーン、仕草などで気持ちを汲み取ってすぐに行動する

今回もバレバレだったか…、

でも俺だって考えてるんだよちゃんと。

そこは読み取れなかったみたいだね

体調なんて自分が1番わかってるんだ

1週間経っても痛みは消えないけど倒れたりはないから大丈夫ってことでしょ？

めまいなんて毎日のようにあったし

気にすることじゃない。

その日は家に帰って布団にくるまって寝た。

自分の底にある恐怖を紛らわすために。

---

次の日

今日は10時に家を出る。

昨日よりはゆっくりできるかな

起き上がって着替えを済ませ、洗面所へ向かおうとした時のことだった

急に今までにないようなめまいや頭痛に襲われ呼吸するのも一苦労で足に力も入らなくなり、その場に倒れた

「電話っ……はぁっはぁっ」

スマホは寝室に置いてきてしまった

どうしよう、どうしよう

心不全だったらどうしよう

病気、、、死のリスクの、、

どんどん不安に包まれていく

今は9時。

マネージャーが迎えに来るのは1時間後

1時間このまま、？

病院…行ったほうがよかったのかな

元貴のいうこと聞いた方が、、

涙が溢れ出てくる

声もろくに出せない。

胸が痛くなって視界がぼやけ始め、意識を飛ばしてしまった

---

目を覚ますと、真っ白な天井と消毒のツンとする匂いに包まれた部屋にいた

o「若井！涼ちゃん、先生！」

r「っ！」

状況が飲み込めないまま元貴の顔をみると、普段あまり泣かない元貴がボロボロに泣いてこちらを見ている

o「…馬鹿！病院行けっていったじゃんか！」

w「ぁ、ぅ、、」

o「無理に話さなくていいから…。マネージャーが家に着いてインターホン押しても家出なくて合鍵使って入ったら、若井が倒れてたって。何してんだよ本当に…」

w「ごめ、、」

r「2人とも、先生！」

医「よかったですね、目が覚めて。」

o「え、（覚めない可能性もあったの）」

医「大森さんと藤澤さんもそこに座って」

医「落ち着いて聞いてください。

若井くんは急性肺血栓寒栓症という病気です」

o、r、w「え、、」

o「それってどんな…」

医「血の塊が肺に詰まって、呼吸や心臓に負担がかかる病気です」

w「俺……死ぬ、の、」

医「今は治療中だから大丈夫。今日から入院して頑張りましょう。

でもすでに状態が悪化していて100%治るとは言い切れません。状態によっては命に関わる可能性もあります。ですからーーー」

話が入ってこない

全く。

俺死ぬって言われてんの？

病気、？急性肺…、、？

バンドどうしよう

もうあの景色は見れないの、？

俺はどうしたらいいの、

頭の中でぐるぐる考えているうちに話は終わっていて元貴と涼ちゃんがメモをとっていた。

o「若井、大丈夫だから」

2人とも泣いていた。

先生から何を言われたんだろう

---

入院初日

もう何も考えることができずにぼーっと天井を見つめていた

元貴と涼ちゃんは仕事の休みをとったらしく、俺の横にいてくれるんだそう

o「若井どう？」

w「薬飲んだし…昨日よりは、、。本当にごめん」

r「謝ることじゃないから」

o「謝るの禁止な」

薬の効き目が実感できたから治ってきてるのかも。少し前向きになれるような、生きる希望が持てた気がした

しかしその数時間後

喉の奥に鋭い痛みがはしり、息が吸えなくなる

w「ぃきっ、！！息が、、、」

o「若井！？ゆっくりでいいから、！」

元貴は必死に声をかけてくれる

涼ちゃんも手を強く握ってくれた

モニターの心拍数はどんどん下がっていく

病院中の医者や看護師が次々に駆けつけるが、指先は冷たくなっていき、呼吸は弱まっていくばかりだった

もう自分でわかった

これで終わりなんだって。

これが自分の最後なんだって。

w「もとっ、りょちゃ、っ、」

o、r「大丈夫！大丈夫だから！」

w「だいすき、っ、」

o「最後みたいなこというなよ！若井！！生きて！！、若井のことみんな大好きだから！」

r「俺らも好きだよ、離れないから諦めないで、！」

w「おれっ…まだ、、、げほっげほっ」

医「ーーーーー！ーーーー！ーーーー

ーーーーー、ーーーーー。ーーーーーー」

医者が何か話している

モニターの「ピーピーピー」という音が力強く鳴り響く

頬に涙が伝うのを感じて俺は言いたいことを残せずに真っ暗な世界へと落ちていった

最後まで2人が俺を呼ぶ声が聞こえていた

---

side大森

o「、、先生、、若井は、、っ、」

医「…亡くなられました」

r「っぐ…若井っ、ごめんね…ごめんっ、！気づけなくて…ごめん…」

俺は若井の横で立ち尽くす。

何もできなかった

大事な人を救えなかった

もっと強く病院に行けと言ってれば

スケジュール考えてれば

いや俺が病院に連れて行けば

声にはでないが涙が次々と流れてくる

r「元貴…、元貴は悪くない、」

o「、、」

最後に若井の手を握りしめて、

ライブの初めにハグをする時のように3人でしっかり抱きしめた

---

帰り際、運転もできそうにないためタクシーを読んで帰った

r「元貴、今日俺の家おいで」

o「…うん」

それから涼ちゃんの家にいって会話をすることもなく眠りについた

1人の親友が亡くなった

代わりはいない

俺のことを1番理解してくれていると言っても過言ではない若井が

あの世に

理解できない

一緒にふざけたり

一緒に笑ったり

一緒に出かけたり

一緒に泣いたり

一緒にご飯を食べたり

一緒に…

思い出せば出すほど苦しくなる

r「元貴…バンドのことはとりあえずマネージャーに任せて、俺らは一旦落ち着こう」

o「俺…生きてけない、若井がいなくなったら何すれば、」

r「…2人で話そう」

もう“3人”って言えないんだ、

o「ねぇ涼ちゃん、」

r「ん？」

o「若井最後…何言おうとしてたのかな」

r「俺まだ…って言ってたよね」

o「でも大好きって聞けて…よかった」

r「そうだね。」

涼ちゃんがそばにいてくれてよかった。

俺このまま家に帰ってたらきっと自殺していたと思う

そうは言っても落ち着ける時間もなく

若井のお葬式の準備もどんどん進んでいく

葬式は身内だけで行うことにした。

---

お葬式もおわり、ある程度のことが済んでやるべきことが落ち着き始めた頃。

若井のキーホルダーをカバンにつけて仕事へ向かう

いつだって一緒だから。

若井はみんなの心の中で生き続ける

若井を1人になんかしないからね

見ててね。若井

大丈夫やれるから。

若井の分までちゃんと前向きに進むからね

たまにはちょっかいくらい

かけてくれてもいいんだからね

---

その日の夜、家に飾っていた風鈴がゆれて綺麗な音が部屋に響いた

部屋中の窓は閉めており風は吹いていなかった。

後日話を聞くと涼ちゃんの部屋のカーテンが勝手に動いたんだとか。

o「…ふふっ、ありがとね」

---

w「俺まだみんなのそばにいたかった」

この思いがどうか

元貴に

涼ちゃんに

ファンのみんなに

伝わっていますように