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「ここの景色も変わらないなぁ」
なんて大人びたことを口にするのは一般大学生の「奈月響」である。
奈月は夏季休講の中、たまたまシフトが空いたレンタルビデオ店の前を通った。
バイトに行く時となんら変わらない景色をみて、そのまま通り過ぎた。
夏休みだからだろうか、中学生や高校生が今風のオシャレな服を着こなし、友達と談笑している。
しばらくして
「もう昼頃か」
公園の時計のはりが午後一時を指している。
何処かでコーヒーでも飲もうとカフェを探した。
カフェを探すために街をぶらついていたら、
「なんだここ?」
いつも通るビル街の隙間に見知らぬ路地があった。
「こんなところ今まであったかぁ?」
なんて思い、好奇心で路地に入った。
その路地を抜けると、堅苦しいビル街とは一風変わったストリート街に繋がっていた。
周りの人は一昔前のアメカジ風の服を着ており
何処か懐かしさを感じた。
そのストリート街を歩いていると、一つの小さな喫茶店に着いた。
その喫茶店の周りには観葉植物が置いてあり、
よくこの街に溶け込んでいた。
近くの看板には「goffee]と書いてあった。
「ヤギ喫茶? ヤギが経営してるの?」
と面白半分でそのお店に入った。
鐘がチリンチリンとなりコーヒーの匂いが体全体で感じる。
しかしその目で見たのは現実離れした光景であった。
ヤギの頭をした首から下は人間の、化け物じみた姿があったのだ。
「は?」
か細い声で疑問を垂れながら、驚きで腰が抜けてしまった。
「おやおや、ちゃんとした人間のお客様は初めてですねぇ」
と脳に響く様な低音でその化け物が言った。
「大丈夫ですか?」
大きな手を自分に差し出してきた。
「え、えぇ」
「コーヒーでも飲んでも落ち着きましょう」
しばらくして落ち着き
「えっと、、あなたは?」
「あぁ、ご紹介遅れました、わたくし時鮫 山郎と申します。」
と思ったより古風な名前だなと思った。
「突然この様な姿を見られて、さぞ、驚かれたでしょう」
「まぁ、はい」
きちんとした言葉で接してくれるので執事みたいだなぁと思いながら疑問を口にした。
「ここは一体どこなのですか?」
「はい、ここは獣人が住まうビーストストリートでございます」
「獣人?、、、ビーストストリート?」
そう思った瞬間、自分の意識が途切れた、