あまりにも眩しい光で目が覚めた。
深夜の大雨が嘘みたいに空は晴れていて
差し込む朝日にまともに目を開けられないくらいだった。
ローレンの腕や足は完全に離れていて
自由に動けそうだったから起こさないように体を起こしそっとベッドから降りる。
携帯で時間を見ると丁度7:00。
折角だし朝ご飯でも作ろうかな、
この家の冷蔵庫に食材という食材があるのかは知らないけど。なさそうだけど。
顔を洗って歯磨きをして置いてあったストレートアイロンを借りて髪の毛を軽く整える。
あと普段から持ち歩いている化粧道具を使ってちょっとだけ化粧。
冷蔵庫の中身は予想通りスッカスカ。
かろうじて卵とハムがある、あとパン。
トースターもあるみたいだしパンにこの2つを乗せたものを朝ご飯にしよう、
朝ご飯としては上出来なはず。
「……はよ」
背後から聞こえた普段より低めの声。
振り向くと完全寝起きのローレンがふあぁと大きな欠伸をして立っていた。
『おはよ〜ねえこの卵とハム使っていい?パンに乗せて食べたい』
「うん」
おれもたべる。とまだ目が完全に開ききっていない状態で言われて
とりあえず顔洗ってきなー?と背中を押す。
寝起き、かわいい。髪の毛ぴょんぴょんって寝癖ついてた。
声いつもより低くて掠れてたな。
新しい一面を見れて朝からご機嫌になってしまった。
自分でも気持ち悪いと思うくらいに
口角を上げながら割った卵はちょっとだけ失敗した。
「朝ご飯食べんの久々かもしれん」
『いつも食べないの?』
「食べねーっつうか、まあ食べないか。めんどいんよ作んの」
口の端にケチャップついてる、言わないでおこう。
一緒に朝ご飯食べてるこの光景があまりにも異様。
今後一生ないかもしれないからちゃんと目に焼き付けておこうと思って
ローレンの方をじっ…と見ると、朝から見すぎと頭を叩かれた。
「都愛今日大学行く?」
『んー………』
「俺は夕方から用事あるけどそれまでごろごろしよっかなー」
『行かない!』
「即答かよ」