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ー?? side ー
カラン、カランと音を建てながら
扉が開く。中には老い耄れた男が一人、
「いらっしゃい」、とだけ言うと
その後は沈黙してしまった。
少女は手慣れたように、
「主人、珈琲を一杯頂きたい」
「ええ、喜んで。」
カラカラカラ、と音がする。
その音と共に香る珈琲豆の匂い
少女は何を思っているのか、
俯き気味に、そう言った。
「主人、此処等でジ殺出来る場はある?」
主人は最初こそは驚いたが、
直ぐに元の表情に戻り、こう言った。
「ええ、在りますとも。」
「何処に在るのかしら、」
「この店を出て右に曲がった所を
もう一つ右に曲がって戴ければ苦しいけれどジ殺にはもってこいの店が在りますとも」
「…其の店の名は、」
「嗚呼、人間店と言います。」
「ヒューマンショップ…」
「ええ。
天竜人から金持ちの人々まで、
苦しいけれど死ヌにはもってこいなのでは
ないのでしょうかね、」
「…私、我儘だから。
ジ殺は苦しまずに死ニたいの。」
「そうですかぃ…
ならば、クスリならどうですかぃ?」
「いいえ、そんなモノも嫌いよ」
「おやおや…なら、何なら良いんです?」
「私、やはり死ニたくないわ。
とても美味しい珈琲をどうもありがとう」
「…お待ちしております」
「ええ、またの機会に、」
そんなもの、訪れないけれど。