【キャプション】
*stxxx様のnmmn作品
*cpは桃赤、地雷苦手等は自衛お願いします。
*1話、2話から繋がっているので先にそちらを閲覧いただくとより楽しめると思います!
*ここまで読んだ方は本編へどうぞ!!
目が覚めたのは、ついさっきの事。
腕の中に小さく収まる彼を一度離して、肩まで布団を掛け直した。
うにゃうにゃと何か寝言を零す彼はいい夢が見れてるだろうか。
目の下に薄らと浮かぶ隈を見て、起こしたくないと強く思った。
でもこいつは今日も仕事に行かないといけないし、俺だって予定があるからずっとこのままでいる事は出来ない。
ベッドから降りてすぐ隣のカーテンを開けて、眩しい陽光を浴びる。
ぐっと背伸びをすると、光に気付いた彼が唸りながら寝返りを打った。
「りいぬ〜」
もう一度布団に潜り込んで背中から彼に抱き着くと、ぴくりと腕が動いて、彼の呟きが聞こえる。
「……おはよ、さとみくん」
「おはようりいぬ」
ちゃんと寝れた?という俺の問いに、彼はへにゃりと笑って頷いた。
けど、それでも薄ら残っている彼の目の下の隈を親指の腹で優しくなぞる。
彼はまた目を閉じて、俺の方へ擦り寄ってきた。
「今日の晩御飯、何がいい?」
「もう夜の話?まだ朝だよさとみくん」
「どうせ今日も帰ってくるの遅いんだろ」
寂しげに笑った莉犬の声が、ゆっくり部屋に響いた。
眉を下げてこちらを見つめた莉犬が唇を薄く開く。
「そうだけど……」
「遅いのはさとみくんも同じでしょ」
そっと髪を撫でるように伸びてきた手を捕まえるように自身の手を絡ませれば、ふふっと笑った彼のまるで子供みたいな声が溢れる。
続けて莉犬の腕が背中に回って、ぎゅっと抱き締められるが寝起きのせいか力が入っていない。
寝癖のついた髪が揺れて、甘いシャンプーの香りに起きたばかりだというのに眠気に誘われた。
それから絡めた手と逆の手がが俺の頭をくしゃくしゃ撫でる。
「ん?」
どうしたの?と問いてもえへへと笑うばかり。
ペットでも撫でるかのように丁寧に毛流れに沿って、何度も何度も手を往復させる。
「なに、そろそろ時間だから支度しよう?」
壁に掛かった莉犬チョイスの犬の時計を見て、そう言った。
朝はなんだかぼんやりしていていつも支度が遅くなる彼はそろそろ家を出る準備をし始めないと本当に遅くなってしまう。
「んーん、もうちょっと、」
「もうちょっとだけこのままがいい」
お願い、とでも言うようにやっと開いてきた瞳をこちらに向ける。
その目があんまり輝いているものだから、NOなんて言えない。
少し浮腫んでる頬をほぐすようにつついて、仕方がないなとため息をついてみた。
それが辟易ではないともちろん気付いている莉犬はふふっと息を漏らす。
「…しょうがないな、」
俺の髪を撫で回す手を止めようと上げた右腕を彼の背中へ戻す。
自身のワガママに応えた俺を見た莉犬は嬉しそうに目を瞑った。
きっと今日も大変な日になるだろうから、今くらいは莉犬が安心して落ち着ける時間にしてやろう。もちろん、遅刻しない程度に。
なんて、クサイことを思ってみたりもしたが、ただ俺が腕の中で安心しきった顔をして笑う莉犬を離したくないだけかもしれない。
コメント
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言葉の展開がさすがすぎてさすが暁さんだ😭✨✨ 甘々でゆったりな桃赤見れて嬉しいよ😭😭🩷❤️🩷❤️🩷❤️