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目が覚めた。昨日は久しぶりに日向くんとお話しする夢を見た。
「夢じゃなかったらよかったのにな…。」
まだ起き上がるにはめんどくさくて、ゆっくりと寝返りを打つ。すると、そこには長髪の髪を揺らす日向くんが眠っていた。
「!?」
彼をよくみると、私の頭にぽんと手を置いてくれている。
「昨日のあれ…本当に日向くんがしてくれてたの…?」
昨日たくさん泣いたはずなのに、涙が込み上げてきた。毎日笑ってるし話せる相手もいる。でも、それ以上に失ってしまったものが辛い。昨日はそんな涙だったけど。今は、ただ彼が愛おしくて堪らない。私は彼の胸元にすっぽり収まる形でもう一度目を瞑った。
「なんでこんなことになってるんですか…」
深く眠ってしまったと思えば起きたのは七海さんの部屋でだし、その七海さんは私の胸に入り込んでるし。だけれど…。
「…よかった、今は笑ってる。」
昨日とは違い、今は薄く笑みを浮かべて彼女は寝ている。昨日の自分の行動も、彼女の涙もまるでなかったかのようだ。まあ、私が今ここで目を覚ました時点で現実だったのだけど…。
「七海、私は先に起きているよ。」
私はそう彼女に優しく告げてから部屋を後にした。
私の再びの起床は、朝の9時過ぎだった。
「日向くん!どうして起こしてくれないの!」
日向くんはいつの間にかベッドからいなくなっていた。きっと冷静に何も考えずに起きたんだろうけど!
「…ごめん、七海。」
「えっ」
私を七海って呼んだ?しかもタメ口使ったよね?あの日向くんが⁉︎
「日向くーん!!」
私はBダッシュの如く素早く駆け寄り、日向くんにしがみついた。
「嬉しいよー!!」
「…七海が嬉しいなら、私も嬉しい…かも」
「あとでゲーム付き合ってね、日向くん!」
「わかったよ、だからご飯食べよう? 」
久しぶりの日向くんとの会話みたいに思えて、今にも舞い上がりそう。ゲームの隠しステージを見つけた時とも比べものにならないくらいの喜びだよ。
あぁ…。私、ずーっと日向くんと居たかったんだな…。