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iris様の二次創作
本人様には全く関係ありません
CP→青×黒
曲パロ
以上のことにお気をつけてお読みください
傘を忘れた日。降り注いだ冷たい雨。その日出来た傷に染みる痛さがあった。雨が上がって、びしょ濡れのまま腰を下ろした河川敷。そこには夕日を見て笑う誰かが居た。これが彼との出会い。
いつの間にか二人は大人になって。綺麗な嘘、口にできるほど。沢山の痛みを経験して、辛くて、苦しくて。
でも今は繕うことも出来ないまま傷つく時なんだ。病気になった彼とは面会謝絶で。俺に出来ることは将来の事を考えて、ただ働くだけ。夕暮れの涙が出そうな赤。表では泣けなくても心はずっと泣いてて、いっそのこと彼を溶かしてしまえ。
何本ものチューブに繋がれた姿を尻目に話しかける。俺の体中悠佑の傷跡で溢れてるよ。沢山引っ掻かれてもう進めない。
青「……もう、消えて、消してよ」
そう口に出るほど願っているのに。どうしてまたその笑顔を求めてるのだろう。
黒「………ごめんな、」
目覚めてからの悠佑はこれしか言わなくなった。謝ってほしいわけじゃないのに。また視界が揺らいで声が遠くなれ。窓は飲み込まれそうな赤。きっと時は残酷で彼を溶かして世界は回るだけ。
青「そんなこと言わんとってや、なぁ。手出して」
青白くなった手を差し出す彼にそっと朱をはめた。
黒「綺麗……」
はにかむ姿は昔を連想させる。俺の中の君を奪ってしまう。
青「今は婚約指輪やけど、いつか結婚指輪も買うから」
千切れてく雲間から、溢れ出す想い。二人してぼろぼろ涙が溢れて。泣きはらした滲む彼にぎゅっとしがみついた。
【glow】