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いい朝ごはんの匂いがする。きっとパンの匂いだ。
「おはよう。起きたんだね。」
ロイが微笑んでこちらを見た。朝から刺激が強すぎる。
「え、えっとずっと寝ててごめん…。」
「いいや、大丈夫だよ。朝ごはんを持って来たから食べてくれると嬉しいな。」
「あ、ありがとう…。」
感動で目の前が見えない。幸せすぎる。
「僕は試合があるから席を外すよ。」
「わ、わかった…!」
そういえばここはスマブラの世界だ。…と言っても普通にリアルな夢なのかもしれないが。
「マスターには言っておいたから出かけて大丈夫だよ。」
「本当!?ありがとう!」
ようやく外の様子が見られる。いや、でもロイと一緒に行動がしたかった気がする。
「行ってらっしゃい。」
「うん、行ってきます。」
やはりこれは同棲だ。あの例の兄貴と兄に止められなければきっと告白もできる。…けれども覚悟ができない。
「もどかしい…。」
俺は天井を眺めて告白の言葉やこれからどうするかをずっと考えていた。あと少しだけ寝てたかもしれない。
あそこの花畑が綺麗だったな…もう一度視察に行きたい。この部屋から出ていいのだろうか?
美味しそうなカレーの匂いがした。
ぐずぐずしていたら何も起きない。とりあえずカレーの匂いの元でも探しに行くことにした。
スリッパをとりあえず履いた。
「ろ、ロイ…?今日は試合じゃなかったのかい…?」
「あ、俺は違うんだよね。」
「…今俺って言った?」
カレーの匂いの元に着く前にルフレに会った。
「ロイじゃないんだよ、別人でさ…。」
ロイに会ったことから話をした。告白とか例の兄と兄貴のことは話さなかったが。
「へぇ、面白いね。そんなに似ている人間がいるとは。」
「俺も運命だと思う…。」
俺はとりあえず苦笑いをしておいた。カレーを見に行こうと思っただけで何も考えていなかった。
「ロイ…?」
クラウドが不審そうにこちらを見つめてきた。
「ああ、クラウド。この子は違くて…。」
ルフレが要約しながらクラウドに先ほどした話を教えている。すごくわかりやすい。
「なるほどな。」
クラウドはそれだけ言って去ろうとした。
「あ、クラウドもカレー食べないかい?」
「カレー…?」
「あ、やっぱりカレーの匂いだったかぁ。」
もうそろそろ昼ごはんの時間だろうしお腹がすいてきた。カレーの匂いは止まない。
「うん、向こうでジョーカーが作ってるよ。」
「俺も一緒に食べていい?」
「ああ、もちろん。さぁ行こう!」
クラウドは同意も拒否もしていないがついてきている。
近づくたびにカレーの匂いが強くなっていく。
「ああ、ジョーカーは試合に行っちゃったんだね…。」
急遽試合が入ったから行って来ます。と書き置きがあった。
「まぁ3人もいるからいいんじゃないかな。」
「そうだね。まだ暖かそうだし食べちゃおうか。」
3人で声を合わせ、いただきますをした。
カレーはスパイスが効いていて、体が暖かくなってきた。これだから夏でも冬でもカレーは美味しい。
「十色はこの世界にいる間にやることはあるのかい?」
「え、ええと…とくに…?」
ここで告白のことは出せない。恥ずかしい。
「ふーん…でも君、ここに来れるぐらいスマブラに何か想っているじゃないかい?」
「ま、まぁ…。」
そんなに気になるのか。だんだん顔が火照ってきた気がする。
「推し…とか?僕も最近この言葉を知ったから上手く使えてるかわからないけれどね。」
「ま、まぁそんなもん!」
「もしかして、ロイとか?」
読まれている。完全に。
「よく使ってたみたいだし、そんなに似ているのは運命的で推しちゃうみたいな…?」
「すごいね…ルフレ…。」
クラウドがなぜか頷く。俺みたいな経験をしたことがあるのだろうか。
「まぁこの時間もいつか終わってしまうだろうし、大切にした方がいいよね。」
「そ、そうだね…。」
もう少し焦らなきゃいけないのだろうか?こんな短期間で告白して付き合って…。そんなことができそうにわけない気がするが、やるしかない。
このチャンスは二度と訪れない。大切にしなければいけない。
「なんか安心しちゃった、ありがとうルフレ。」
「ううん、僕は特に何も言ってないよ。十色が考えただけでしょ?」
「まぁ、そうかも…。」
「まぁ、これから短いかもしれないけれどよろしくね。」
「うん!」
あの後は本当に特に何もせず、部屋に戻ってきた。まだロイはいなかった。
部屋の片付けでもした方がいいだろうか?
ロイを大切にするという面では絶対にやった方がいい。
まずはこの枕のカバーを外すことにした。
「このっ…!」
カバーは全く外れない。ぶんぶん振っても外れそうにない。なんだかプロレスみたいになってきた。
よし、諦めよう。そして貸してもらっていたパジャマを畳む。
ロイがパジャマを貸してくれそうだったが、俺は混乱し、首を横に振ってしまった。今思えば借りてればよかった…。
やはり枕が気になる。諦めきれない。
「うおぉぉぉっ!」
思い切り枕カバーを掴み、振る。明日は筋肉痛だな。
そして枕は取れた。しかし、枕はドアの方は飛んでゆき、その瞬間にロイが入ってきた。
「うわぁあああ!」
俺は悲鳴を出す。飛んだ枕を取ろうとするがさっきまで畳んでいたパジャマに足を引っ掛ける。
思いっきり転んでしまった。膝が痛い。
「だ、大丈夫かい…?」
やばい、これは絶対に引かれただろう。
ルフレ
・天才軍師。(クロム談)
スマブラではロイが後輩だと思っていたらすごく先輩で驚いた。
クラウド
・なんかロイのお父さんに声が似てる。今回は全く喋らなかった。
ジョーカー
・なんかロイに声が似てる。今回は登場しなかった。