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そこは遠く果てなく

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そこは遠く果てなく

1 - そこは遠く果てなく

♥

1,501

2024年03月09日

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注意事項

・この作品はwrwrd様の二次創作です。

・本人様とは関係ありません。

・検索避けに協力してください。

・軍パロ..タヒネタ等が含まれます。

ワンクッション



































───────────

先程まで耳を塞いでやりたいほどうるさかったはずなのに、自分の呼吸音しか聞こえない空間にやってきた。

真っ白な壁と床、自分が座る分の椅子に、背丈ほどの窓。

それだけしかない空間だった。

恐らくだが、ここは塔だ。

長い階段が仕切りの奥に見えるからだ。

それにしても、不気味な空間だ。

居心地が悪い。

shpはふうと息を吐いた。

すると、横から声をかけられちらりと向く。

「…shp。」

隣にはknが座っていた。

隣、詳しくは人が一人入るくらいの間を残して、隣に座っていた。

「…部長も居るんすね。」

「…おう。」

shpはknを見て、口を開いたまま固まった。

なんせ、knには黒いモヤが巻きついているからだ。

顔の部分に、両腕両足。

胴体には着いていないようだ。

「…部長、それなんすか。」

「なんやろなぁ、俺も分からんねん。shpにはない…な!!」

knはshpの身体を見てにんまりと笑った。

「はぁ〜、ていうか俺らさっきまで戦ってたよな。」

「…そうっすね。なんで急に。」

「夢見とんのかねぇ。」

shpは窓の外を見る。

至って普通の景色だ。

だが、見えるのは広がる雲と青空だけ。

どれだけ高い場所にいるのだろうか。

「あーあ。煙草欲しいわ。」

「部長も、兄さんみたいっすね。」

「ふはっ、俺も言うて喫煙者やぞ。」

そんな、特に変わらない会話を続ける。


すると、knが立ち上がってshpの前に立った。

「…なんすか。」

「…shp。ほんまに、shpやんな。」

「はぁ??」

shpの頭をヘルメット越しに撫でるように手を置いた。

満足そうに目を細めてshpを見つめた。

「な、なんすか。やめてください。」

「…。あと少しだけ。」

「…はぁ。」

shpは撫でられながら、knの黒いモヤに手を当てた。

ぽんぽんと叩いたり摩ったりするが、取れる様子はない。

「…天国は遠いんやなぁ。」

knがぽつりとそう呟いた。

「…ここ、怪我でもしてるんすか。それを隠してるとか。」

「天国は…、何処にあるんやろな。」

knはまるで自分が死ぬかのような発言を繰り返した。

そんないつもと違う様子のknに苛立ちを覚えたshpは、knの上半身を窓の外に押し出した。

胸ぐらを掴んで外に押し出す。

風がknの髪を嫌という程に靡かせた。

「なに弱音みたいな事言ってんすか。情けない。」

「…せやなあ。」

「…ッ、あんたをここから落としてやりましょうか。そしたらあんたは天国じゃなくて、地獄に行くことになりますけど。」

「そうか。それならshpも着いてきてぇや。」

「絶対に嫌。ここから地獄に直行させてやる。」

「…そうか。それで、shpがええんやったら。」

生にしがみつかず、否定もせず。

ただただ、弱音とshpを思うような言葉を吐き続けるkn。

shpは瞳を震わした。

「…天国は、遠いんやから。まだ間に合う。」

「…ッ。」

「やから、俺を突き落としてもええよ。でも、その代わりお前もちゃんと降りて来るんやで。」

ズルズルとknの身体が外に落ちていく。

knはshpの手を掴んだ。

「お前を、1人にさせたくないと思っとるんや。それは、ダメなことなんか??」

「…ッ。、ッ。」

一滴の水がknの頬に落ちる。

それが雨なのか、それともshpの汗なのか、涙なのか。

knには分からなかった。


knが塔から落ちたから。

shpの顔は雲に隠れて見えなくなった。

掴んだ手は、いつの間にか振り離されていた。


天国は、案外近いのかもしれない。






















─────────

「kn…??お、起きたんか!!」

視界がクリアになって行き、映りこんだ相棒の顔を見つける。

身体はズキズキと痛み、起き上がることも出来なかった。

「聞こえる??手、握れる??」

ほんわりと暖かい右手を見ると、utが握っていてくれた。

力を入れて、握り返すと嬉しそうに微笑んだ。

そんなutの目の下は赤く腫れていた。

「良かった…。戦争、勝ったよ。」

「…そう、なんや。」

「…けどッ…けどなッ、、」

utがぽすんとベットに顔を乗せる。

震える身体に手を置いてやった。

「…ッ、あのな、ッ。shpくん、がな。」

その名を聞き、knがハッとする。

あの夢で、自分はshpに突き落とされた。

あれはなにか関係があったのだろうかと。

「…死んで、しまってん。」

「…は??」

knは、その言葉に呆然とする。

だってあの時shpは居て、怪我もなくて。

…。

「遺体は、まだ残されとるよ。見たかったら、tnかgrに言うとええわ…。まあ、ほんま、可哀想やったわ。全身やられてんねんもん。…、ほんま、見るに見れないような姿になってもうた。」

「…そう、か。」

knは、自信の怪我を見る。

腹部を撃ち抜かれて出血により瀕死状態。

それに比べてshpは全身を。

そして、気がつく。

黒いモヤは怪我をした場所を隠すのではなく、怪我をしてない場所を印していたのだと。

あの時、自分はshpを救えるチャンスを持っていたのではないだろうか。

あの時、かける言葉が違ったら、助けれたのではないだろうか。

shpは、自分をこの現実に戻してくれたのではないだろうか。

情けなかった。

悔しかった。

knは、両手を握りしめた。

窓の外を見ても、塔のようなものはなくて。

この世にもう、あいつはいなくて。


「…kn、自分を責めたらあかんよ。ciも、zmも、それで今医務室通いになってんねん。」

knは黙った後、元気よくおうと返事をした。

その目には涙の膜が張っていた。
















───────────

「tn。」

医務室を出て、knはtnの元へ向かった。

書記長室では、tnがciを寝かせている最中だった。

ciはぼんやりと天井を見上げたまま。

「あ、すまん。邪魔したか??」

「kn、ええよ。ciも、多分寝れへんし。」

tnの手招きを受け、ソファに座った。

ちらりとciの顔を見ると、パンダのようにクマができていた。

「…。tn、外で話したい。」

「ああ、分かった。ci、ええ子で待ってるんやぞ。」

そういうと、tnは机に置かれた薬を持ってknに着いて行った。


「すまんな、shpのことで。」

「ああ、分かっとる。…見たいんやな。」

「おう。せめて、俺なりに別れを伝えたい。」

「着いてくるとええわ。…。」

tnは歩き出した。

knは、少し猫背の背中を追いかけた。

途中で、zmとshoにすれ違った。

zmを背中に抱えて走っていた。

医務室通いとは、この事だろうな。


しばらく歩き、地下へ向かった。

そして、扉の前でtnは足を止めた。

「この先に寝とるよ。…俺は、もう見れないわ。すまんな。」

「ええよ、ありがとうな。それより、聞きたいことがあって。」

「うん。」

「その薬はなんなんや?tnのやつか??」

「ああ、これはciのや。睡眠薬っちゅーやつ。あいつ、寝てるとshpに会えると思ってずっと飲んでん。オーバードーズやで。だから、医務室通いになっとるし、他は俺が見とかなあかんねん。」

「さっきのzmは…。」

「zmは窓から落ちちゃうようになってん。空にshpが見えるんじゃないかって、見上げてるとそのまま窓から落ちる。その繰り返し。」

「…そう。」

「この2人は特にやけど、他の皆も勿論悲しんどる。あんまり、刺激せんといてな。」

「分かっとるよ。」

tnと別れ、扉の奥に進む。

白い布で覆われた彼の傍にしゃがみ込む。

布を捲った。

顔はほぼ原型とどめてないほど。

身体は銃痕や刺傷、痣などで囲まれていた。

確か、特攻隊に巻き込まれ、そのまま…。

優しく、その頭を撫でてやった。

いつもヘルメット越しに撫でていたので、こうやって彼に触れると悲しくて仕方なかった。

指の無くなった手を取り、握りしめる。

冷たかった。温めてやりたかった。

「…ふはっ、天国は、遠いなぁ。」

彼は、一体どこに行ってしまったのだろう。

「天国は…、果てないんやなぁ。」

彼の温もりを感じたくて。

彼の言葉に耳を傾けたくて。

彼の優しさを守りたくて。

彼を、助けたくて。

「…ほんまにおれ、地獄に行ってまうやんけ。」


天国は遠く果てない。

簡単に行くことが出来ない。

されど、天国は近い。

なんの予兆もなく簡単に行ってしまう。

思えば遠く。離せば近く。


shpの頬に一滴の水が垂れた。

それがなんなのか、shpは知ることがないだろう。
















いや、謎に謎な作品になってしまった😭

先輩/後輩 組に挑戦いたしましたよ!!

また動画で2人の絡みが見たくてしゃあない(


ちなみに、設定はこんな風になっております


画像

ちなみに、書く前のメモですので、所々多少の訂正はあります。

まあ設定も設定で謎ですので、意味理解出来るんでしょうかね😭

この作品はいかがでしたか?

1,501

コメント

24

ユーザー

なんか、tiktokでこんなの見たことある気がする。気のせいかな

ユーザー

ほわぉぁぁぁ … !!なんでこんな神小説が思いつくんですか ッ !?!? あとなんかのボカロに似てる … !(天国は遠いねぇ ってやつ)🫶🫶🫶 sypくん自分がもう助からない事を分かってknさんを塔から突き落としたの切なすぎる … 😭 knさんは自分が助からないと思ってたけど現実で自分が助かって 、 自分があの時違う言葉を掛けてればっていう後悔してるのがもう … 😭 タヒネタ好きだからやばい …🫶

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