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皆さんこんにちは!ねこねこマンです!!!!最近確認したらエミさんの作品の「この人を怒らせてはいけない」が270いいねいってて喜んでる人です。テンション上がりまくりです!!自分でも結構上手くいった作品だと思ってたので嬉しすぎて小指ぶつけました。

無駄話はこの辺で、今回はコネシマさんのお話です。どこかで大先生の作品やるって言った気がしますが忘れました。(すっとぼけ)


注意

⚪︎これは我々ださんの二次創作です。

⚪︎解釈違いが発生したら叫んで閉じてください。

⚪︎私の語彙力はうちの猫に美味しく食べられました。

⚪︎軍パロだと思った?海賊パロ〜でも全然そんな感じしません。


それでは、ゆっくりして行ってね!














視点 コネシマ

ゆっくりとベットの中から起き上がる。今日は思っていたよりも早く起きすぎてしまったようでまだ窓の外は暗かった。スリッパを履き立ち上がればフリルや白、ピンクなど甘いものに囲まれた部屋の中が月明かりに照らされていた。自分の家はこの辺でも大きな商家で知らぬものがいない金持ちだ。その金持ちの子供は1人。両親とは違う金の髪と水色の瞳を持った自分だけだ。自分自身ではわからないが自分の容姿はどうやら他人とは違い美しいものらしい。両親はそれだけを見ていて依存していた。その美しさを保つため色々な事を自分に約束させた。

一つ、決して外に出てはいけない。

一つ、私たちの言うことを聞きなさい。

一つ、貴方は私たちの物だ。

一つ、けっして、夢を見るな。

言わばここは鳥籠と言うものだろう。甘い服 も甘い部屋も、甘い言葉も〝自分〟ではなく、〝美しさ〟さのためらしい。愛されていない。わかりきっているその現実を笑顔の下にずっと隠して生きていく。


監視のメイドが来る前にまたベットに戻ろうとした時、月明かりは青色に隠された。

「!」

「おっと、なんや人おるやん。ちょいと黙っといてな〜にいちゃん。僕も野郎の部屋に入る趣味は無いから。」

目の前の音もなく現れたその男はヨレヨレのスーツと眼鏡がよく似合っていた。どうやら部屋に一つだけ付けてある窓から侵入したようで夜風が心地よかった。しばらく混乱していたところで見回りのメイドの匂いが近づいてきた。

「僕は海賊なんやけど〜ッ!」

何かを言い始めた男の襟を強く掴みベットに潜り込ませる。違和感の無いように偽装してからベットに入り目を閉じた。

「、、、、寝ていらっしゃいますね。」

メイドが確認し、部屋をでて匂いが遠くなったのを確認してからベットからでた。

「びっくりしたわ〜。見回りかいな!はぇー坊ちゃんって感じやな。というかなんで僕のこと助けたん?」

「、、、僕にも色々と事情がありまして。残念ですが僕はこの家の宝などの居場所は分かりません。海賊の方には悪いですがお役に立てませんので退出していただけますか?」

いつも通りの作り笑いを顔に貼り付ける。言葉も丁寧に、決して感情を面に出さずに。

「なんや、人形みたいな奴やな。まぁええわ。見逃してくれるんやったらありがたいし。」

「では、、」

「あっ、でも僕ぐるちゃんにこの前のガバの件取り消す代わりにいいもの持ってこい、って言われてんねんな。」

「は?」

「またくるわ。」

瞬きをする間に男は居なくなっていたがいきなり輝いた月が彼がいた事を証明していた。

『またくるわ。』

その言葉が頭に残る。上手く分からないが取り敢えず今日は眠る事にした。


数日。しばらくすれば男はまたやってきた。名を鬱と言うらしい。仲間内では、鬱先生や、大先生と呼ばれているらしい。だるそうにタバコを吐き、話をし始めた。最初こそ追い出そうとしていたが相手も下手にこちらが報告できないとわかり引こうとはしなかった。

翌日、また翌日。鬱は日を空けずに来ることが多くなった。暇なのだろうかグダグダと話をして帰って行く彼との夜は案外悪くないもので気分が良くなった。鬱が帰り朝が来たある日。めったに部屋に来ない両親が部屋に入って来た。新しい服を渡しに来たらしい。

2人が一歩部屋に入ればしばらく当たり前であった部屋のダバコの臭いに怒りだした。

「どう言うこと!!!!!」

「母様、申し訳ありません。僕にもわかりません。」

「お前がタバコを吸ったのか?!!!」

「違います。」

「探せ、メイド!!!!お前の肺の一つまで私たちのの〝物〟だ!!」

「はい、わかっています。」

貼り付けたような笑顔を崩さず荒らされる部屋を目の前に淡々と言葉を返す。やはりあいつらは自分ではなく自分の容姿が大好きな様子だ。いくら怒ろうと傷つけたくなくて、殴られもしない。美しさを壊さないため食事も抜かれない。だが、そのかわり血のつながった自分をものとしか見ていないと思い知らされた。とっくに捨てた心がどこか割れていく気がした。

騒ぎも静まり夜になればまた青色の彼がやってきた。

「なんや今日は随分家ん中騒がしかったな?」

「気にしないでください。あ、帰ります?」

「相変わらずすぐ帰そうとするやん。まぁ、ええわ。ところで前から気になってたんやけど、前見回りが来たときにわかったのなんでなん?」

「あぁ、あれは、、、〝俺〟は鼻が良くて」

「ん?俺?」

「?!、あ、いや、気のせいやと、あっ、くそ。」

「なんや自分、口調変わってへんか?」

「、、、元々この口調や。親の前やとできひんからあの言葉使いやったのに、お前が使うからでてもうた。」

「その格好でこの口調はおもろ過ぎるやろw。僕初めて聞いたわw」

「うっさいわ。そもそもおんなじ口調の奴がおることが驚きやわ。俺は本で読んでたら主人公がこの口調で長いこと読んでたから移ってもうたんや。」

「は〜、何や珍しい理由やな?僕は気づいたらこれやったしなぁ?」

「、、、なぁ、あんた海賊なんやろ?」

「ん?そうやけど?」

「その、あの、〝海〟ってどんな感じなん?」

「はぁ?」

「見たこと無いんやからしゃーないやろ!!!この部屋から出たこと無いねんからわかるわけないやん!!」

「部屋から出たこと無い?ふーん、じゃあ出てみればええやん?」

「え?」

そう言い少し高い窓の蓋にしゃがみ手を伸ばして来た。恐らく出るために窓に掬い上げてくれるのだろう。だが意味が分からずとどまっていた。

「な、なに、いってんねん!」

「なんや、海見たいんちゃうんか?この家の高さなら海ぐらいに見えるで?ここ、なんでか山の中にあるしな。」

見れる。本の中だけに存在していた、海が。

あの約束を破ることになる。

でも

見てみたかった。一度も見たこともないその人々が美しいと言う海を。

気づけば俺の手は鬱の手に添えられていた。

一気に強く引かれる。驚いていれば肌触りの良いスリッパは初めて土の上に乗せることができた。ゆっくりと前を向けばそこには見たこともなかったキラキラと月光を反射する〝海〟があった。初めて見た海は本の中のものとは違く、深い深い隣の彼のような青色をしていた。

海だけじゃない。大きな時計塔や小さい光を灯した街も全て初めて見た。自分の家が山の中にあったことも、初めて知ったと言うのに海や、街の風景なんてわかるはずもなかった。

「なんや、ほんまに初めて見たんかいな!」

「お、おう。海、もうちょっと近くで見たいな。」

「、、、連れてったろか?」

「は?」

「やから、連れてったろか?って。いや、僕は野郎に手出す趣味はあらへんよ?せやけどお前めちゃめちゃええ反応するやん。それにその嗅覚の鋭さ、ぐるちゃんが気に入りそうやん。」

「まっ、待てや?!仲間になれっちゅうことか?」

「そそ。なんやお前おもろい奴やし、僕もそろそろ前のガバの仮、返さなトンちに静粛されてまうし。お前ももっと色々なこと知れるで?」

「あかん。両親が俺を逃すわけない。」

「なら秘密で出ればいいやん。」

「、、、、、」

「いつまでお人形でおるつもりなん?」

「に、んぎょう。」

「、、、まぁ、まだ時間はある。数日後にはこの街から出る。夜に迎えに行くからその時までに決めとき。」

そう言いゆっくりとタバコを吸いながら帰っていく彼の背中を見続けることしか出来なかった。

わかっていた。両親は俺の事を人形か何かだと思っていることも、

だけど、簡単に窓から逃げることもできるこの部屋でいつまでもずっとずっと閉じこもっている。

いつも通り眠りにつけば当たり前のように朝が来て、当たり前のようにまた人形のような1日が始まる。

クローゼットを開ける。

どれも自分の趣味とは違う、甘い甘い服ばかり。

ピンクより、赤が好きだった。

白より、黒が好きだった。

フリルより、動きやすい服が好きだった。

くだらない世間話より、議論が好きだった。

物語の本より、哲学の本が好きだった。

紅茶より、コーヒーが好きだった。

ずっとクローゼットの奥深くにしまった服を取り出す。何年も昔に一度だけ外からきた服屋から秘密で買った、両親の思うような服じゃない。もっと動きやすい、もっと格好良いと思える服。靴ももった。

決意は固まった。











いつもの時間。いつもより少し明るい月光が青で隠された。目をそちらに向ける。青色のそいつは俺の格好に少し驚いてから控えめな笑い声を上げた。

「ふふふ、なんや随分イカした格好になっとるやん。」

「せやろ!!この格好良さがわかるとはええ趣味しとるやないか!」

「あはは、ええな〜。さっ、早よこいや。みんな待っとる。」

「おう!」

また手を差し出され今度は一切の迷いなくその手を掴む。勢いよく引っ張られ窓から足を踏み出す。

もう、笑顔を貼り付けた人形はやめた。

海賊なんてもん物騒やし、早死にするやろう。でも、きっとこの生活よりもっとずっと俺はイキイキしとるんやろう。

もう、迷わない。

きっともう、両親からの愛はなくとも自分を好きでいれる。













視点 鬱先生


「なぁ、なんでアイツ、、、コネシマのこと誘ったんや?」

波の音が心地よい海の上でトントンに話かけられた

隣にきた彼はそのマフラーをはためかせながら聞いて来た。

「ん?どうしたんトンち?」

「お前らしくないな、と思ってん。」

「あぁ。まぁ、トントンになら言うてもええか。アイツは覚えとらんかも知れんけど僕、小さい頃コネさんにあってんねん。」

「え?そうなん?あぁ、お前の実家色々なとこ周る服屋やったもんな。」

「そうそう。そこでアイツに今着とるあの服売ってん。フリフリの服着とるんにあんな黒と赤の縦しまの半袖と真っ黒な短パン買うたから良く覚えとる。」

「ふ〜ん。」

「ちょっとだけ時間が余ったから一緒に話してたらなんや色々両親と複雑やったみたいでな、同じく両親も複雑やった自分と重なってもうた、僕は約束してもうてん。」

「なんて?」

「じゃあ、一緒にいつか旅に出よう。その時は連れ出したる。ってな?」

「なるほどな〜。」

「そんで久しぶりに会ったら、初めての時よりも随分と腑抜けになっとったもんやからちょっと魔が刺してん。」

「なんや、お前らしい理由やったなw。そしたらワイはそろそろ戻るわ、スッキリしたし。」

そう言いトントンはさっさと歩いて行った。月明かりの下。早速うちの奴らとも馴染んだようでコネシマもわちゃわちゃと船内で話をして盛り上がっていた。慣れた手つきで胸元を探りタバコを取り出す。火をつけ、煙を吐きだした。

「それに、、僕は、約束を守る男やからな。」










おまけ

コネさんと初めて話したグルッペンさんは一瞬で気に入りトントンさんと喧嘩になりながらもコネさんを仲間にしたそうです。


最後まで読んで頂きありがとうございました!

それでは次の作品で会いましょう!

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