コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
僕は2人の友達を目の前で亡くした。
第五話 消えた空虚
僕には2人の友達がいた。仮にK君、M君としよう。僕を含めて3人で遊んでると、K君が「今日は天気がいいから屋上に行こう」と言ってきた。僕達は屋上に行った。とても天気が良く、空が笑っているようにも見えた。
3人でしばらく遊んでいると、K君が人生について悩みを抱えていることを話してくれた。M君と僕は突然の事で少し混乱したけど、ただただ黙ってK君の話を聞いた。そしてもう限界なのも話してくれた。
今日の遊びを提案してくれたのはK君だった。K君は、遊んだあとに3人で心中するつもりだ。そう言った。
僕とM君は死にたい程ではないが、同じように悩みを抱えていたので、生きろ。とは言わなかった。でも死ぬのは少し抵抗があった。M君はとても優しい子で頼み事を断れないタイプだ。無理矢理、心中させられそうになった。でも僕は最後まで抵抗をした。
その判断が間違っていた。僕、K君、M君の順番に手を繋いで飛び降りようとしていた。その瞬間、僕はK君の手を振り払った。そしてM君もこちら側に引き寄せようとしたが、遅かった。2人だけが落ちていった。僕はそれを見ていることしかできなかった。我ながら情けない。
ーーー
成海「今でも後悔してるよ…」
成海「あの時、潔く死んでれいばよかった…」
松平「最近はさぁ…飛び降りとか流行ってんのかなぁ…」
松平くんは最初の方に比べると話し方が少し緩くなっていた。最初はキンキンに凍ったアイスのような声と口調で話していたが、皆が理由を言っていくと同時にだんだんそのアイスが溶けたような、そんな甘い声と口調になっていた。
成海「もしかしてだけどさ、今日、僕たちが死ぬ方法って飛び降り…?」
水越「飛び降りじゃないよ」
水越「痛いのは苦手だし」
春風「じゃあどうやって?」
水越「練炭自殺ってやつ」
水越「バイト頑張ってお金貯めてやっと材料が買えたの」
僕達のためにバイトを頑張らせてたと思うと少し申し訳ない気持ちになるが、なるべく気にしないようにした。
水越「あ、睡眠剤?ってやつもあるよ」
春風「これで本当にお別れなんだね」
松平「だな…」
成海「お別れかぁ…」
みんな少し寂しそうな声だった。
水越「あのさ、少しだけ遊ばない?」
水越「天気いいし…」
水越「成海さんはトラウマが蘇るようだったら参加しなくてもいいよ」
成海「いや、参加するよ」
成海「遊ぶのは好きだし」
体力にはまあまあ自信があった。小学生の時とかよく遊んでたっけ。
春風「何します?」
水越「じゃあさ、鬼ごっこは?」
松平「王道だな」
水越「王道の方がいいでしょ」
水越さんが、じゃ、行くよ。と言って建物の外に出た。僕達も水越さんに続いて建物を出た。