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戦争賛美、政治批判の意図はありません。あくまでキャラとして見てください。


グロ 虐待 自設定注意



ある程度ナチ種が箱庭の群れに受け入れられ始めた頃…..

イタ王種「…来客だって。」


そう光のない瞳で冷たく言った。来客、それは新しい子が入る合図。イタ王は思った。イタリー種が最近元気が無く体調不良が多い。


イタ王種「交換かなぁ…」


ナチ種「え?」


簡単なことだ。通常種なんて森に行けばすぐ捕まえられる。弱く安いPBの健康に気を使って高いお金払って薬を買うより別の個体に交換すれば安く済む。そこに愛など存在しない。


イタ王種「…」


また感情を感じ取れない無表情に戻り、イタ王は何も言わなくなってしまった。


ナチ種「交換…」


ナチ種は賢い。少し考えればわかる事だった。でも認めたくなかった、代わりのきく物の様な扱いを日常的にされていると薄々気付いていても。母性が強くイタリー種を我が子の様に溺愛する明るい変異種のイタ王種。そんなイタ王種が光の無い目でイタリー種の”交換”を容認している。普通ではありえない事だ。


ナチ種「イタ王……」


抵抗は意味無い、抵抗したらもっと酷い目に会う、それが分かっているかのように全てを諦めた冷めた瞳でぼーっとナチを見るイタ王種。


ナチ種「ッ…」


ナチ種が思っていたよりずっとこの箱庭の環境は酷かった。どんなに苦しい状況でも明るくムードメーカー、それがイタ王種の特徴だったのに。


イタリー種「..イオ交換されちゃうんね..?」


泣きそうな顔でイタ王種の方を見るイタリー種。


イタ王種「…..」


一瞬の動揺。それもつかの間イタ王種はとても冷めた目でイタリー種を見つめていた。


イタリー種「..いやなんね..やだッ..」


口を塞がれた。イタ王種に。泣きながら抵抗するイタリー種。イタ王種はソビエト種にイタリー種を拘束し大人しくするよう頼んだ。


イタリー種「ん〜(泣)」


「なんで」とでも言うようにイタ王種を見つめる。イタ王種小さく呟いた


イタ王種「……ごめんね」


聞き取れるか怪しいとても小さな声。その一言でイタリー種は理解した。


イタリー種「ッ…分かったんね…」


暴れるのを辞め大人しくするとソビエト種も拘束を解いてくれた。そう、イタ王種は今までの子達を見て分かっていた大人しく、静かでいれば死んだと、使い物にならないとみなされて森に捨てられる可能性が高くなると、森に捨てられれば他の群れに助けて貰えるかもと。


ナチ種「待ッ….」


ソビエト種「…..」


ソビエトが圧を掛けるかのように冷たい目でこちらを見つめる。あまりに冷たい空気。ナチ種は思わず黙ってしまった。この場所、箱庭では、これがその子を守る為の最良の選択。それは周知の事実であり、新人のナチ種には到底変えられるものではなかった。受け入れられる事でも無かった。


ナチ種「….」


ナチ種は知っていた。野生での生活で病気の個体を受け入れてくれる群れがどんなに珍しいかを。箱庭群れでも野生出身は存在する。それでも箱庭の”人間”に連れてかれるよりも、過酷で病気の個体なら生き残る事は難しい野生…”外”。外の方が幸せだと群れは判断したのだ。


ナチ種「なぁ…こんなのおかしッ….」


群れに反論しようとした。言葉を発そうとした瞬間に集まる視線。それはとても冷たく、イタ王やソビエトのあの冷たい目を見て恐怖で何も言えなくなってしまった。少し前に、こんな箱庭なんか群れを連れて逃げると、そう決意したばかりなのに…









数時間後…




結果から言うとイタ王の言った交換が実行された。体調の悪そうだったイタリー種は連れてかれ、新しいイタリー種が入って来た。


イタリー種「ここどこなんね〜!!!💢」


イタリー種「イオを群れに帰すんね!!」


新しいイタリー種はイタリー種らしく元気で、最初こそ初めて来た箱庭に少し怯えていたがすぐに元気になり文句を言うようになった。


イタリー種「ここ狭いんね!それに暗いんね!最悪なんよ!みんな聞こえてるんね?」


ナチ種「聞こえてる。」


ナチ種は内心ほっとした。明るいイタリー種がやって来た事で箱庭の雰囲気も明るくなるのでは無いかと。だがナチ種思いと裏腹に、箱庭の群れは酷く冷たかった。群れはイタリー種を無視し関わりたくないとでも言う様にイタリー種を避けた。まるで腫れ物扱いだ。


イタリー種「見かけは豪華なのにご飯しょぼいんね…ケチなんね〜!!」


ナチ種「ははッwそうダスな〜!」


内心明るいイタリー種と一緒に生活していて楽しいと思った。思っていた。命を賭けて、知識を全て活用して、群れを守る。それがナチ種だ。だがこのナチ種はまだ他のナチ種と比べると精神的に少し幼なかったのもあり、イタリー種の腫れ物扱いを受け入れられなかった。イタリー種との生活はとても幸せな物で、腫れ物扱いする群れが理解出来なかった…いや理解しようとしなかった。


イタリー種「クソ人間なんね!イオ早く帰りたいんね!返せなんね!」


PBコレクター「…あぁ」


ナチ種「帰るのか?」


イタリー種「帰るんね!」


ナチ種がこれはチャンスだと群れを呼ぼうと振り返った。誰も居ない。群れは全員草むらの後ろに隠れ、ナチ種を無視した。イッヒまでもを腫れ物扱いしてきた。そう思ったナチ種だったがすぐに理由が分かった。


イタリー種「!?」


PBコレクターに持ち上げられた。次の瞬間…


イタリー種「何するんね!離すんね!ッ…?」


イタリー種「痛いんねぇぇぇ(泣)」


ナチ種「!?」


ナチ種は恐怖でその場から動けなくなった。ナチ種の瞳に映るのは拷問と変わらない、とても酷い事をされるイタリー種。ナチ種の目の前で人間に無残にも殺された。


ナチ種「どうしてダスッ…!(泣)」


群れが目の前で人間に殺された。怒りや恨み、悲しみがごっちゃになり人間に聞いた。苦しそうなイタリーの顔が、声が、頭の中で渦巻く。


PBコレクター「あの個体うるさいしウザイしゲスだからな。次は大人しい個体を連れてくるか」


ナチ種は理解出来なかった。したくなかった。あの明るいイタリーがゲス?そんな訳無い。そう思いたかった。だが賢いナチは分かってしまった、自分に、人間に刃向かったからゲス扱いしてイタリーを殺したのだと。それもわざわざ拷問の様な事をして無残に殺した。


PBコレクター「さて、君もお仕置…いや躾が必要みたいだ。」


ナチ種「え..?」

ふと人間が言った。躾が必要だと。どういうこと?躾ってなんの事ダス?頭が真っ白になった。

PBコレクター「それにナチ種は高いし珍しいからな〜、代わりを見つけるよりこっちの方が楽だ。」

そんな事を言う人間の手には鞭が握られていた。文字通り”躾”をするんだろう。

ナチ種「何をする気ダス…?(震)」

ナチ種「やめッ…!?」

人間は終始ニヤついていた。


数時間後….


ナチ種「ぁ…..ぅ….」


あれから何時間立っただろう。身体中が酷く痛む。人間の言う”躾”それは想像を絶する痛みを伴う拷問だった。今なら理解出来る。群れはあのイタリーが人間に歯向かうのを分かっていた。関わればろくな目に合わないと早期から理解していたのだ。幼稚だった。人間の理不尽な行為を見ていたのに、合理的な判断が出来なくなっていた。


ナチ種「はは…..」


身体中が痛い。まだ生暖かい赤色が肌を伝っていく。群れのみんなが頭をよぎる。ソビエトの冷たい視線を、イタ王の光を失った瞳を、頭の中で何度も何度も思い出す。強い自責の念。


ナチ種「自業…自得…ダ..ス…..」


まだ酷く痛む傷を支えながら群れのみんなの場所へ行く。赤色のカーペットの様な跡が歩いた場所に出来る。その背中には悲壮感と強い絶望感が残っていた。群れの所へ行くと、みんな最初は動揺しており、ナチ種から離れた。当然だ。お飾りだってボロボロなんだから。巻き込まれて自分まで躾と言う名の拷問をされるなんて嫌に決まってる。しかし”毎日”の躾で人間に許されたのだと理解すると、手当をしてくれた。


フランス種「価値がなきゃ…捨てられちゃう..からね…綺麗に…しないとね…」


ソビエト種「….」


ナチ種「イッ…つぅ…」


ソビエトは無言で、手当をしてくれ、フランスは綺麗に傷を隠してくれた。まだ傷が痛む。安静にしていろ、無理をしようとするなと、ソビエトに釘を刺された。


しばらく経ち、人間がナチ種を連れて行った。交換などではなく客人にお披露目する為、傷跡を直さなきゃ行けないらしい。あれから毎日のように躾をされており傷も治りかけの傷跡もとてもたくさん増えていた。とても大切な客人なのか、安いビールなどで簡単に傷を治すのではなく、ドイツ産の高級ビールをかけられ、傷跡がどこにあったのか分からないほど綺麗になった。PBに使うにはもったいないほど高いお酒。ナチは感じ取った。この客人の前で何かミスをすれば今度こそ終わる、躾では済まない。と


PBコレクター「その壺はそこ、その花は…」


忙しそうに行動する人間を見てナチ種はこう思った。もし客人に気に入られれば逃げられるかも、群れを救えるかも。そんな事を考えていると普段からは想像出来ないほど優しい触り方をしてイギリス種の隣の箱庭へと移された。群れで生活するには狭いが、1ballで生活する分には広すぎるそんな部屋に移動になった。


ナチ種「Guten Tag。初めまして..ダス?」


イギリス種「…..」


当然挨拶は返してくれない。またこの時期が来たのかとでも言うように呆れたような顔で外を眺めていた。酷く紅茶の香りが漂う。隣の部屋でもこれだけ臭うのだ、当然イギリスの部屋はもっとキツイだろう。それをものともしないかの様に佇むイギリス種。


イギリス種「…”ちゃんと”しないと..だな。」


ぼーっとしてたのが嘘の様にピシッと姿勢を正し部屋においてある高級そうな紅茶を飲み始めた。正直この酷く紅茶の香りが漂う部屋で紅茶を飲みたいとは思わない。むしろ吐きそうなほど要らない。特に紅茶好きと言われるイギリス種でもこれだけ紅茶の香りが充満しており逆に臭いと感じる部屋でいくら高級でも紅茶を飲もうとは思わないだろう。それくらい強い匂いだった。


あれから色々出来る範囲で調べると客人と言うのは政府の役人のようだ。身の潔白を表す為にここまで綺麗にしているらしい。食事も豪華になっており、あの”躾お仕置”が嘘のように人間は優しくなった。元々いた広い箱庭はこれだけの為にペットショップで買った温厚な通常種が放し飼いされていた。あの人間の怖さを知らないball達はとても幸せそうに生活していた。


ナチ種「夢みたいダス….」


たとえ一時的でも、そこの景色はまるで楽園、理想郷のようだった。目が奪われるような綺麗で豪華な建物や装飾、美味しそうな食事、楽しそうに生活するPB達。


フランス種「楽園..の時間….綺麗…ジュも..あの空間も…価値があるから…美しい…価値があるから…存在出来る…」


ロシア種「…これが終わったら…あいつらは..死ぬ…..もう見たくない…」


イタ王種「…いいなぁ…イオもあんな風に幸せに生きて…苦しい事何も知らないまま…死にたかったんね….」


ソビエト種「….そうだな」


ナチ種「…」


この来客が終わった後の楽園の崩壊を考えて苦しむロシア、光の無い瞳で自殺願望と共に楽園を羨ましがるイタ王、それに静かに頷くソビエト、姿勢を正しロボットの様に紅茶を飲むイギリス、美しく綺麗と楽園に見とれるフランス。正直みんな壊れてる。本当にみんな逃げるなんて出来るのか?1人て逃げる事すら不可能じゃないか?そんな疑問が頭を駆け巡る。不安で頭がおかしくなりそうだ。


PBコレクター「おい」


人間に声をかけられた。躾の時と同じドスの聞いた怖い声。強い圧を感じる声、恐怖で身体が支配されそうだ。


PBコレクター「これから大切な客人が来る。とても大切な客人だ。」


PBコレクター「くれぐれもこの客人は俺..んん…私の仲間だ、逃げようなんて考えるなよ。そしてくれぐれもその”種”らしく振舞ってくれよ。」


PBコレクター「”ちゃんと”出来なければ…分かるよな?」


人間は強い圧を掛けイッヒ達に釘を刺した。それだけ失敗出来ないのだろう。


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