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〈桃田 中学生時代〉
中学2年生になった始業式。雪村くんは、クラスのみんなのノートを配っていた。
「…え、うに?」
私の机にノートを置きながら、雪村くんは呟いた。
「え?君の名前、うにっていうの?笑 」
鼻で笑いながら言われた。
『うに』って名前でからかわれるのはよくある事だったから、平気な顔で答えた。
「う、うん!」
「へぇー…、変な名前だね 笑」
……ズキ。
慣れているとはいえ、正面から言われるとやっぱり傷つく。
自分でも分かってる。変な名前だって。
でも、もっと傷ついたのは…雪村くんに言われたってこと。
雪村くんはすごく優しい人なのに…。
雪村くんはそれだけじゃおさまらなかった。
周りの男子に言い散らかしていた。
「ねぇ知ってる?あそこにいる子、うにって名前なんだよ。ウケるんだけど 笑」
(雪村くんって、そんな人だったんだ…)
その話を聞いた男子達と雪村くんは、私を毎日からかうようになった。
最初は口だけだったのに、段々エスカレートしていって…。
友達も、見て見ぬふりをしていた。
やっぱり、いじめの主犯格が雪村くんだったからだと思う。
だから、高校生になって遠くの学校に来たのに…。
まさか、雪村くんが転校してくるなんて。
前みたいになったら、…すごく怖い。