テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「後もうすぐで天竺です。」
三蔵法師が先頭を歩く。
「やっとか。」悟空は如意棒型煙管を吸いながら頷いた。
「色々あったなぁ。」悟浄は腕
を後頭部に回して呟いた。
「それよりも腹が減ったな
ぁ。」
八戒は腹をさすった。
一行はどんどん坂を登る。
「あの神殿ですか?」
「ええそうです。」
砂漠の坂にそびえ立つ神殿が見えてきた。
「ようやく着くな…。」
神殿の前に着くと青髪の女性が立っていた。
「よく来たなさぁ入れ。」
「あなたは…。」三蔵法師が目を見開く。
「和尚様知り合いですか?」
悟空は質問した。
「お釈迦様だよ。」
悟浄が代わりに答えた。
「マジかよ…。」
「坊やご名答じゃ此処は我の仏殿じゃ。」
お釈迦様は悟浄の頭を撫でた。
「何だと!」悟空は驚いて膝まついた。
「久方ぶりじゃのう斉天大聖よ。」お釈迦様が悟空の緊箍児型髪飾りを取ると本来の姿を表した。
「これが本当の悟空なんだ。」
「すまなかったな悟浄八戒隠すつもりはなかった。」と謝罪した。
「お別れの時がきたようですね。」三蔵法師は悲しそうな顔で言った。
「法師よこれをあげよう。」
お釈迦様は悟空が誕生した記録が書かれた巻物を三蔵法師に渡した。
「これを私が?」
「持っておれ。」そう言い三蔵法師にほじ微笑んだ。
「さようなら悟空…。」悟浄と八戒は声を揃えて別れを告げた。
「じゃぁな。」悟空はにっこ笑い手を振った。
[完]