『今なんと言った』
『だからナイト寄越せって、んなピキんなよ』
『怒るに決まってるだろ!!』
ラウンは、ナインの胸ぐらを掴み怒鳴り声を上げたその声に対し俺は、怯えタンスの中で耳を押え縮こまった
『んだよ!』
『今更ナイを連れて何をする気だ!』
『はぁ?普通に兄弟としてやり直すだけだよ』
『まともにご飯も愛情とあげないそれどころか育児放棄に勉学をさせないやつに今更渡すわけないだろ!』
『飯は、与えてただろ!』
怒鳴り声、人を殴る痛々しい音虐待を受けていた頃じゃ当たり前の音怖い顔に爛れて落ちる皮膚痛々しく残る傷跡人前では、見せられない背中治りかけの首の傷じわじわと古傷が傷んだ気がした
『飯は与えた?蛆虫や腐った米がか?あれが飯?ならお前が食ってみろ腹に寄生虫が湧いて腹を下すだろうよ!』
『仕方ねぇだろ!仕事が忙しいんだから』
『仕事?お前も俺達もまだ中学生だろ』
『ジジィ共騙して体売れば簡単に手に入るくね?』
ニヤニヤ俺達を嘲笑うように転々と言葉を放つナインに対してラウンは、喧嘩口調で淡々と話を続けた
『だいたいタイミングがおかしぃなぁ!何故楽が捕まって直ぐにお前が現れる?!しかもここに来た理由は、ナイ?辻褄が合うなぁ?!』
ラウンは、イライラしながら声を荒らげた今までに聞いた事のないくらいどす黒く低い声で
(俺の……せいだ……俺が居るから、生きてるから)
ガタガタと小刻みに震え過去の事がフラッシュバックを起こし息を荒らげた
『ッフ-フ-』
声を殺し息も殺していると暗闇に一気に明るくなった
(……?!)
だが、明るい向こうには、神様でも天使でもましてや、ラウンでもなく
『みーつけたァ』
兄のナインだった。
『ッッ!』
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