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タリアのお話

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タリアのお話

3 - 『謎の男の正体』

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2023年01月26日

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──────────仕事が終わりタリアはその男と帰ることにし帰路に着く。その後ろを背の高い彼は着いてきて

??「おい、…家はまだか」

とまだ店を出て数分しか経って居ないというのにその男はそう疲れたと言わんばかりに言えば

タリア「だらしない人ですね…もう少しなので頑張ってください」

と前を向くと彼を気にせず前に進み

──────────それから数分後

ようやくタリアの家に着けば鍵を取り出しドアを開けて、中に入り。ズカズカと他人の家だと言うのに部屋の主より先に中へ入ったその男はソファに座り何処かの国王かと言わんばかりの態度で座っていた。タリアは座る場所がないと床へ正座して座ると

タリア「あの…ところでお名前は」

??「普通は自分から名乗るのが礼儀というものでは無いのか?」

と、言われれば少し溜息を着き

タリア「…タリア・マリアです」

??「なんだ?日本で生まれた訳では無いのか?」

タリア「生まれは外国ですので…」

??「ほう…そうなのか」

と、なるほどと言わんばかりに縦に首を振る男に対し

タリア「さ、…私は言いましたよ…貴方は?」

??「俺の番…ッ゛かぁ…」

と、少しばかり背伸びをし欠伸をすれば

クロ「…俺はクロだ。」

と、名を聞けばタリアは何故か俯き震えており。其れを見たクロは心配したのか

クロ「お、おい…小娘…?」

と、心配そうに視線を合わせ顔を見れば

タリア「…ッ゛…いえ、な、なんで…ッ゛…も」

と、笑いを堪えるように震えていて

クロ「……は?…おい、小娘…何故笑ってる」

タリア「いや…ッ゛……その…馬鹿にしている訳では…無いんですけど…ッ゛…名前の付け方が犬…みたいだなって」

クロ「…??いやいや、少し待て。…?どういう意味だ」

タリア「あの、良く…白い犬にシロって…つけるみたいに」

そう。実はこの男よくよく見て見れば真っ黒な格好なのだ。

クロ「ッ゛~…俺の良心を返せ!゛」

とタリアの肩を掴み揺さぶり

タリア「……ッあはは…ッ゛ごめ、ごめんなさい〜!」

堪えきれなくなったのか声を上げ笑っていて

クロ「…ッ゛嗚呼…クソが!」

と、座っていたソファの前にあった机を蹴ると

クロ「…ッ゛…い゛…ッ!?」

と、強く蹴り過ぎたのか足を押さえ

タリア「…あはは…ッ゛~…死ぬ…ッ゛!死んじゃう!゛…あは…ッ゛…」

と腹を抱え笑っていて。その場の光景はまさにカオスそのものだった。

──────────それから、数分後

ようやく笑いも収まり

タリア「さて、話の続きをしましょう」

クロ「おい待て。何を勝手に始めようとしてやがる」

タリア「え?…いやだって…殆ど知らない人を家にあげてるんですし早く帰って貰わないと」

クロ「おい、其の知らない人をさっきまで腹抱えて笑ってたのは何処の何奴だ?」

そう言われればタリアは顔を逸らし

クロ「顔逸らしてるんじゃねぇ…よ…。」

と、彼女の頬を片手で強く掴めば此方を向かせて

タリア「痛い痛い痛い…」

と、其の儘クロの方を向けば

クロ「てめぇが笑ってたのは悪魔だぞ?悪魔!…分かるか?…悪魔を怒らせたら怖いんだ…。其れにさっきのだって見せ物じゃねぇ…。何か払って貰わねぇとな」

タリア「お、お金…なら…」

クロ「…丁度いい…。お前の体で払って貰おう」

と、タリアに手を伸ばし

タリア「いや……ッ゛ちょ」

ギュッ…っと怖がるように目を瞑れば。

──────────次の瞬間。彼女の体に起こった事は……。…数日前に体験したものと同じ感覚だった。

タリア「…ん?」

と身に覚えのある感覚に目を開けその場を見ればクロはおらず。唯1つあったのは何かブレスレットのようなもので。タリアは其れを拾い少し見てみると刻印には『kuro』と書かれていて。

タリア「え、…なにこの……ブレスレットは…捨ててもいいよね」

と言うとブレスレットが少し動き。そこから聞こえてきたのは

クロ「おい!小娘!…捨てるんじゃねぇ!」

と先程まで傍に居たクロの声で

タリア「…ブレスレットが喋った!?゛」

と咄嗟に床にブレスレットを投げ

クロ「あ゛……ッ痛…ッ゛」

タリア「あ、…ご、ごめんなさい」

と、急いでブレスレットを拾い上げ

クロ「随分と乱暴な主人を選んじまった…ぁ」

と、そう言われれば数秒間固まり

タリア「ん…???待っ…え、?」

と完全に困惑している様で

クロ「お前…何驚いてんだ?…ラクもフュールも契約してんだろが」

タリア「…は?」

と、知らぬ間に3人の悪魔と契約してしまっていたタリアであった。

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