注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・軍パロです。
・ciくんの病み表現が含まれます。
・キャラ崩壊あり。
・この作品での「可愛い」や「好き」は、友情などの意味であり、恋愛の意味は含まれません。
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tn「ん”ーーッ…やっぱ外はええなあ」
kn「ほんまやな、この街は店も栄えとるし」
2人並んで街を歩く。
休暇が出たのは久しぶりだ。
店を寄って買い物をする。
外の涼しい空気に癒される。
少し歩くと、段々とスラムに近付いてきた。
街の景色は変わり果て、今にも崩れそうなレンガの建物が続いている。
湿った土を踏んで、探索する。
kn「懐かし〜…昔、ここに迷い込んだ時あったわ」
tn「ほんま、ここも栄えりゃええのに、」
外には誰も出ていなく、建物の中も
人の気配があまりしない。
そんな時だった。
足に何かがぶつかり、下を見る。
湿った土に身体を汚らせ、怪我が沢山と
巻きついたような少年が倒れていた。
服も、髪の毛も、肌も、全てが土で
塗りつぶされているようだ。
kn「大丈夫かッ…!?!?」
tn「…息はしとる、でも浅いな、」
口元に手をかざすと、微かに
呼吸を感じられた。
それでも、”微かに”だ。
手は深爪が目立ち、乾ききった唇は、
今にも崩れてしまいそうだ。
そんな少年を着ていたコートで包み込み、
knの腕に乗せる。
そのまま、暗くなる前に帰ることにした。
───────────
kn「俺の部屋連れてくわ、sn呼んでくれ」
tn「了解」
インカムでsnを呼び出す。
少年の様子を見てもらうと、怪我が思っていたよりも酷い事がわかった。
足は無惨にも折れていて、腕は皮と骨しか無く、身体は石を投げられたような跡が沢山あった。
深爪の指は、爪を噛んでいたと推測された。
一通り手当をする為、風呂に入れた。
汚れた身体を洗った。
髪の毛の泥を落とすと、綺麗な瑞色が
水に滴って美しかった。
乾かすと、ふわふわとした髪質から、
とても可愛らしかった。
小さい子様の服は無いため、仕方がなくrbの服をパクって着させた。
少し大きいが、マシだろう。
そして、手当をした。
飯も食わせてやりたいところだが、
目を覚ます気配が無いので、寝かせることにした。
tn「ふー…腹いっぱい」
夜飯を食べ終わって部屋に戻ると、少年は目を見開いてこちらを警戒していた。
起きたようだ。
tn「大丈夫やで、おいで」
手を広げても、少年は首を大きく横に振って部屋の隅に寄って行った。
tn「ほぉら、怖くないからおいで」
それでも優しい声をかけ続ける。
すると、少し信用してくれたのか、恐る恐る近付いてきた。
人差し指で膝をちょんちょんと触っている。
その動作がそりゃ可愛くて笑みが零れる。
tn「ほぉら、おいで、怖くないで」
すると、ついに少年は俺に抱きついた。
痩せ細っているため、抱き返すのは躊躇った。
tn「ええ子や、名前はなんや??」
ci「…ci、」
tn「そうか、ええ名前や」
優しく頭を撫でると、不思議そうにこちらを見ていた。
まんまるの瞳が俺を映す。
目元のクマはより一層目立っていた。
ci「…あなたは??」
tn「俺はtnや、それより腹減ったやろ??」
「これでも食うか??」
そう言っておにぎりを差し出す。
ゆっくりと受け取ると、暑かったのか、
あちッ…と声を出して、おにぎりを落としてしまった。
tn「はは、暑かったか、すまんな」
ci「ご、ごめんなさいッ…」
ciをベットに座らせて、おにぎりに息をかける。
食べやすい温度になり、ciに渡す。
ci「…なにこれ」
tn「食べ物や、口に入れてみ」
ci「…はむ、」
口に入れると、俺を見つめた。
次はどうすれば良いのか尋ねているのだろう。
tn「噛んでみ、噛めたら飲み込むんや」
「食べ物やから、大丈夫やで」
ci「…むッ…むッ……」
大きく口を動かして噛んでいる。
そして、俺をもう一度見つめてから、
ゴクリと飲み込んだ。
tn「どう??美味いやろ」
ci「…うん、おいしい」
「もっかい、たべてもいいの、?」
tn「ああ、どうぞ」
ci「はむッ…むッ……むッ…」
tn「喉詰まらせるなよ??」
ガツガツと食べ始めたciの背中を撫でた。
徐々に身体に熱が灯る。
すると、knが入ってきた。
kn「あれ!?!?起きとる!!」
大声を出すものだから、ciは俺の服の中に入り込んでしまった。
おにぎりはベットに置かれている。
怖がりなのだろう。可愛い。
tn「大丈夫やでci、こいつはknや」
「ええ人や、大丈夫」
kn「すまん…驚かせたか??」
小さな声に変えて、ciに話しかけた。
knも、やれば出来るやつだ。
ci「…ほんと??」
俺の服から顔を覗かせてknを見た。
kn「おう、ci…言うたか??」
「体調はどうや??腹は?おにぎり食えたか?」
ci「…うん、へいき」
ciは警戒心を解き、俺の服の中から出てきた。
もう一度おにぎりを取って口に含む。
可愛い。
一生守っていたい。
俺とknはそう誓った。
そして、あの日から数年後の今。
今日は幹部に新人が来るらしい。
ciはと言うと、あれから軍学校に行かせることにした。
守るためには、近くに置いておかなければならない。
その為にも、軍に入れるようにしたかった。
kn「shpくんの初めての後輩やな!!」
「意気込みをどうぞ!!」
shp「頭に響きます、黙ってください」
ut「kn怒られてやんの」
zm「やんの」
sho「やんの」
kn「🥺」
そんな会話をしていると、扉がノックされる。
皆、ピシッと姿勢を整えて、入ってくる新人を見ていた。
入ってきたのは、ぐるぐるの眼鏡が目立つ奴だった。
なんだ。ciじゃな……
ci「初めまして!!ciと申します!!」
tn「ciぉぉぉぉ!?!?」
kn「ciやぁぁぁぁ!!」
俺たちは勢いよく席から立ち上がりciに抱きつく。
ふわふわの髪質は昔と変わらない。
ci「んわぁッ…ちょっとぉ、自己紹介させてよぉッ!!」
tn「あッ…すまん、、」
ci「これからよろしくお願いします!!」
gr「この通り、ciはtnとknの拾い子のような者だ」
「仲良くしてやってくれ」
ci「よろしくお願いします!!」
tn「よろしくci!!」
kn「ci〜…会いたかったよぉぉ」
ci「はい!!光栄です!!」
ciは昔と違って、ハキハキとしている。
そして、ずっと奥深い笑顔をまとっていた。
shp「書類各々はワイが説明担当っす」
「じゃ、早速来てください」
ci「はぁーい!!」
2人が部屋から出ていった。
ut「…ほんまにアイツええ子なん??」
rb「なんか怪しない…??」
kn「そうか??懐かしいな!!あの可愛さ!!」
tn「いやほんまにな!!守りたい!!」
gr「tn氏のキャラ崩壊珍しい…!?!?」
sho「確かに、アイツなんか怪しいで」
「スパイの可能性も捨て難い」
zm「せやな、あんな嘘っぽい笑顔見たことないわ」
皆がciの愚痴やらなんやらを言い始めた。
俺の可愛い子になんてことを言うのだろう。
皆を睨みつける。
同じく、knも睨んでいた。
そのせいか、空気がずしりと重くなる。
流石の皆も青ざめた。
tn「悪ぅ言うのは許さんで」
kn「ci泣かせたらどうなるか分かるな??」
悪役みたいなセリフを吐き捨てて、その場を後にした。
───────────
tn「ci〜!!」
ci「うわぁ!?待って、今shpさんにッ…」
shp「……じゃ、後はtnさんに任せます」
「ああ、そうや」
「距離感は最低限でよろしく、あくまで幹部としての仲やからね」
ci「…はい、!!」
kn「久しぶりやなぁ!!」
tn「大きなったなあ…俺よりもデカいんちゃう??」
ci「んへへ…また会えて嬉しいなあ」
昔通りのciの喋り方になる。
可愛らしい笑顔は天使のようだった。
kn「にしても、なんでわざわざ接した方変えたん??」
ci「誠実な後輩の方が良いかと思ったんよね」
tn「俺はどっちでもええわ…はよ、癒し」
手を広げてciを待つ。
ciは笑いながら抱きついてくれた。
はい神。可愛い。流石俺の子(違います)
ci「んー…軍学校大変やったよお」
kn「ciは元々体力少なかったもんな」
「よぉ頑張った!!偉いぞ!!」
knは乱暴にciの頭を撫で回す。
ふにゃっと目を細めて笑うciは、
先程の作った笑顔なんかじゃなく、
本心から溢れ出た笑顔だった。
tn「にしても、眼鏡なんか付けてどしたん??」
kn「視力悪いんか??」
そう言って、眼鏡に手をかけると、
ciは俺の手を払った。
ci「…まあ、いろいろ、」
うっすらと見える瞳は、ぼんやりとしていた。
kn「幹部とか一般兵になんか言われても気にすんなよ」
「俺らがおるからな!!」
tn「相談なら乗るからなー!!」
ci「んふふ、頼もしいなぁ〜」
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ci という新人が入ってから3週間。
tnさんも、knさんも、ciをずっと甘やかしている。
あんな事をしたら、戦争の時に大変な思いするに決まってる。
それに、俺にはあんなに優しくしてくれなかった。
厳しい先輩様 というような接し方だった。
ci「あっ!!zmさんとshpさん〜!!」
俺らを見つけると、手を振って駆け寄ってきた。
ci「この書類なんですけど、どうやってやるんですか??」
tnさんとknさんが甘やかしている分、俺らが厳しくしよう。
そう、zmさんと話していた。
shp「前話したやろ??」
ci「ご、ごめんなさいッ…忘れちゃって、」
zm「忘れたなんて、言い訳はええから」
ci「…次は気をつけますッ、」
shp「はぁ…この書類は…」
shp「次はないぞ、分かった??」
ci「はい!!ありがとうございました!!」
zm「…」
奥の深い笑みを向けて、去っていくciを見ていた。信用なんて出来ない。
新人だからというのもあるが、
何より、こんな奴がtnさんとknさんをベタベタにしているのだから。
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ciが幹部入りしてから、1ヶ月ほどたったある日。
tn「ci、どうしたんや急に呼び出して?」
ciに呼び出された。夜中の自室。
knは書類があるので来ていない。
ci「…、」
tn「…どうした、悩み事か?」
肩を落としてぼーっとしているciを抱き寄せる。
軽い身体を持ち上げて、自身の膝に乗せた。
tn「ci?」
何度も呼びかけたが、ciは話そうとしない。
tn「…辛いことあったんか?疲れたんか?」
「それは大変やな、よしよし…」
ふわふわの髪を撫でる。
ciは震えていた。きっと、疲れたのだろう。
ci「…ひぐッ、、ぐすッ、」
ciの手に違和感を感じたので、見てみた。
マメが出来ていて、切り傷が目立つ手、深爪の指。
頑張っていた事が見てわかる。
tn「…ええ子、ええ子」
ci「…ぐすッ、、おれッ、、」
tn「うん」
ci「きあ”ッ…ぁ”ぇ”っ、」
ciは涙も鼻水も止まらなくなっていて、マトモに喋れていない。
そんな彼の言葉を必死に拾う。
何故って、俺が彼の親みたいなものだから。
ci「ぐすッ……、、ぅ”、」
tn「…ええ子、ええ子、」
俺の膝の上で寝てしまったciを抱き上げて、部屋に運ぶ。
途中でknに会った。
kn「ci?」
tn「疲れたんやって、泣きじゃくっとった」
kn「そうなん…?」
knは目の下が赤く腫れているciを見て、心配そうにしていた。
kn「…、明日、休みにしたるか」
tn「おう、ci書類頑張っとったし」
───────────
ciが休みらしい。
またtnとknが甘やかしているのだろうか。
様子を伺いに、ciの自室に訪れる。
扉を開けると、書類をやっている姿があった。
ci「…ん?あっ、utさん!!」
ut「今日休みらしいやん」
ci「はい、でも一応書類やってます」
ut「ふぅん」
ciの自室を見渡す。
ベットの上に、ティッシュが散らばっていた。
ut「片付けくらいしろよ」
ci「…あっ、」
ut「ゴキブリとかマジ勘弁やで」
そうとだけ言い捨てて、自室を後にした。
全く、甘やかされすぎだ。
そうだ。一般兵との手合わせをさせたらどうだろう。
ciは戦闘苦手らしいし。
これで慣れたらいいんじゃないか?
よし。次の訓練は手合わせにしよう。
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ci「utさん!!遅れてすみません!!」
訓練場にciはのこのことやってきた。
訓練場に一般兵が居ることに気が付き、ciは顔が強ばった。
ci「…こ、これは、?」
ut「今日の訓練内容は、一般兵との手合わせや」
「戦闘苦手らしいのう?これで得意分野に持っていきや」
そうとだけ伝えて、俺はベンチに腰をかけた。
さて、お手並み拝見とでもさせてもらおう。
まずは遠距離戦だ。
mb「容赦しませんよ」
ci「……ッ、」
結果はciのボロ負け。
1発も当てることが出来ない故、全発食らうという結果。
ci「utさん、あの…お、おれ」
ut「ん、次〜」
次は近距離戦。
mb「よぉし、頑張ります」
ci「……ッ、」
結果は先程と同じ。ciのボロ負けだ。
ut「ほんま弱いのう」
ci「…せんとうは、ッ、」
ut「俺やる気失せたわ、皆ciを教えたって〜」
mb「はい!!」
ci「あッ…!!」
俺はciと一般兵を置いて、訓練場を去った。
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kn「訓練〜訓練〜♪」
rb「めっちゃノリノリやん」
kn「rbと手合わせやもん!!」
「俺の方が強いってこと、証明してやる!!」
rb「出来るとええな」
ルンルンにスキップをして、訓練場に向かう。
そこで、物音がすることに気がついた。
rb「まだ誰かやっとるんかな」
kn「自主練とか偉いな〜」
訓練場に入ると、一般兵とciが居た。
kn「おう!!ci!!」
声をかけると、一般兵は驚いてこちらを見た。
mb「お疲れ様です!!」
rb「あんさんら、なにしてんの?」
mb「ut様に言われまして、ci様の練習に手伝っております!!」
rb「ほぉん、偉いやん」
先程から、一般兵が邪魔でciが見えない。
kn「ci!!疲れたやろ、終わってええよ!!」
mb「あ、私達は…」
kn「お前らも今日は終わり!!お疲れさん!!」
そう言うと、彼らはciに何か言ったあと、そそくさと去っていった。
壁にもたれて座り込んでいるciに手を差し出す。
kn「お前、戦闘苦手なのに、よぉ頑張ったな」
ci「…、は、い」
ciは見るからにクタクタ。
身体中に怪我をしているようだ。
訓練でこんなにもなるのか。
苦手なのに、ほんとよく頑張ったな。
kn「よぉし、ええ子や」
「自室戻ったら、ゆっくり休め」
「夜食の時間なったら起こしたるから」
ci「…は、い」
rb「kn、はよやろ」
kn「せやな!!また後で、ci!!」
ciは、フラフラと歩いていった。
心配だったが、予定通り訓練を始めた。
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kn「ci〜、めっし〜!!」
扉を叩く。ガチャっと扉が開き、ciが出てきた。
ci「行きましょー!!」
kn「猫被り、俺の前ではやるな」
ciの頭をわしゃわしゃと撫でる。
俺の知ってるciは、実は甘えん坊で寂しがり屋なciだ。
猫被りされると、誰だか分からなくなってしまう。
ci「…ぇ、ああ、」
kn「夜食なんやろな〜」
「ciは何がええ?」
ci「…おにぎり、とか」
kn「前からそうやね〜」
ci「…美味しかったもん」
ciを撫で続ける。髪の毛がぐちゃぐちゃになっても。
可愛らしい彼、俺の大切な彼。
一生俺の隣に居てくれよ。
kn「ci、今日もお疲れさん」
ci「…急やね、?」
───────────
ut「でさ、ciめっちゃ弱いねん」
shp「戦場に行けないじゃないすか」
sho「無理させても行かせるやろ」
zm「幹部なんやから」
談話室にて、ciの陰口を言っている。
別に、嫌いって訳じゃない。
ただ、tnさんとknさんが甘やかしているせいで、どうしてもいい気にはなれない。
戦闘苦手だし、どうして幹部になったのだろう。
コネだろうか。それも有り得る。
とにかく、ciを信用出来ていない。
あの、奥深い笑顔も怪しいし、妙に明るいし。
emさんがコツコツと談話室に入ってきた。
そして、小さな声でこう言った。
em「もう少し小声でお願いします」
「ciくん、めっちゃ聞いてましたよ」
ut「は?どこで?」
em「談話室の前です、今走ってどっか行きましたけど、」
sho「うわ…tnに伝えられるとか勘弁」
shp「盗み聞きやん」
em「…ciくん、気に食わないの分かります」
「でも、彼凄く頑張ってますよ」
rb「ほんまか?戦闘一般兵に負けてんやぞ」
em「書類ですよ、期限前に必ず出します」
「ミスもないです、凄くないですか?」
ut先生を見ながら言う。
ut「いやいやッ、え?なにっ、おれぇ!?!?」
zm「確かに、ut先生期限内は無理やもんなw」
sho「ちなみに今は?」
ut「ふっ…進捗6割👍🏻」
sho「だめやんw」
─────────
tn「ci、書類出来たか?」
書類の期限が迫ってきたので進捗を見に来た。
いつも、期限前に出すciは凄い。
頑張っている。
これだけ頑張って居るのだから、別に戦闘面なんて気にしなくていいと思う。
ci「…」
ずっと、机に俯いているci。
なんだ、様子がおかしい。
前と同じか、疲れたんだろう。
俺はciの肩にそっと手をやる。
すると、ようやく気がついたのか、こちらをciは見た。
ci「……」
tn「目、赤なってる…また疲れちゃったか」
ci「…、」
目の下を優しく撫でる。
赤く腫れていて、クマが重なっている。
tn「…休暇入れる?疲れたやろ、」
ci「……」
ciは首を振る。
tn「…お前、よお頑張っとるよ」
ci「……、」
ずっとずっと、首を振っている。
そんなciを抱き締めて、ベットに連れていく。
ぽすっと、枕に頭を乗せて、肩まで布団を持っていく。
tn「ん、寝や?」
「お前は、十分貢献出来とるよ」
ci「………」
ゆっくりと瞼が閉じる。
それを見送って、自室を後にした。
さて。
少しお話会でもしますか。
───────────
ut「どうしたん?」
em「急な会議ですね…?」
皆が困惑しながらも集まった。
俺はknとgrにだけ話を先にした。
tn「最近、ciの精神面が安定してない」
「なんか、知らんか?」
zm「そうなん?アイツめっちゃ元気やで」
tn「人前ではな」
皆がこちらを見ようとしない。
確実に何か知っている。
kn「仲間が弱ってんねん、はよ言えや」
knも苛立ちが抑えられていない。
確かに、大切な人だからもある。
だけど、この軍の幹部であり、仲間なんだ。
そんな仲間を、なんで無視しているんだと。
em「…談話室、のこと、じゃないですか?」
ut「…かもな、」
kn「ふぅん?心当たりがあるようやね」
gr「悪いが、私はtn達派だゾ」
「ciとはあまり喋ったことが無いが、彼は私が選んで幹部の一員になった男だ」
rb「…grはなんでアイツを選んだん?」
sho「そうやで、アイツ戦えないのに、」
gr「戦闘が出来なくたって、内側の仕事が人一倍なんだ」
「外交も得意に見られた、書類は皆知っている通り完璧だしな」
tn「んで、話そらすなや」
kn「心当たりあんなら言えや」
ut「…ciの陰口、本人に聞かれたもうたんや」
kn「内容は?」
zm「弱いとか、コネで幹部入り…とか、」
kn「ふぅん?」
空気がヒシヒシと歪む。
皆も流石に青ざめていた。
kn「はぁ…なんで気に食わないん?」
shp「knさん達が甘やかしすぎている気がして、」
kn「別にお前らと同じくらいやん」
「grの言う通り、ciは内面の仕事をやってんねん」
「だから、戦闘はやらせてないだけや」
zm「…なんでやらせないん?」
tn「アイツ身体弱いねん」
「元々、アイツはスラムにおって、多分捨て子やったわ」
「ボロボロで、今にも死にそうな所を俺らが保護したんや」
kn「そのせいもあって、人間関係も、外の風景も、苦手なことばっかや」
gr「まあ、才能はあるんだろうな」
「本人が、出すのを恐れているだけだと私は考えているゾ」
ut「…なんか悪いことしたわ、」
zm「俺、内面の仕事苦手やわ、ciのこと言えんかった、」
em「私もです、配慮が足りませんでした」
shp「…俺、先輩らに褒めてもらってたのに、ciは贔屓だとか、馬鹿げてました」
sho「無理にやらせてたわ…トラウマかも知らんのに、」
tn「分かってくれたならええよ」
kn「それに、アイツの本心ばか可愛ええからな」
gr「…なんだそれ?」
kn「アイツ、甘えん坊で寂しがり屋やねん」
tn「いやほんまに」
shp「なにそれ、見てみたい…」
ut「ぅぇ、気になる!!」
tn「じゃあ、信用されるように努力しろよ」
皆と意見が合うことが出来た。
これで、少しはciの居心地も良くなるだろう。
すまんなci。
気付くのが遅れちゃったわ。
でも、もう大丈夫だ。
──────────
俺はciに謝ろうと思って、自室に向かっている。
この前、一般兵と手合わせを無理にさせたからな。
ut「…ん?」
幹部棟に一般兵がいる?
珍しいな。ciの見舞いとかだろうか。
一般兵が去っていったciの自室の前に着く。
コンコンと扉を叩く。
返事が無いので、耳を済ませると、
なぜだか、紐のキシキシという音が聞こえてきた。
ぞわっと背筋が凍り、扉を慌てて開ける。
ut「…ci!!」
天井から降りている紐で、首を吊ろうとしている彼の姿。
ci「ぁ”…ッ、、が、?」
急いで彼を抱き上げる。
紐から首が離れて、酸素を送る。
首にはくっきりと跡が残っていた。
ベットに優しく下ろして、インカムですぐさま報告。
ut「utです!!至急ciの自室に来てくれ!!」
「酸素マスク…ワンチャン居るかも!!」
そう、伝えたら、ciの様子を見る。
そこで、驚いた。
ciの両手両足は、ガムテープで拘束されていた。
まさか。
これは他者の仕業ではないか?
さっきの一般兵は?
急いでガムテープを剥がす。
ut「ci、意識あるか!!」
手を握って、声をかける。
そこで、どんどんと色んな事を知った。
ciの手首に、傷跡。リストカットと見られる。
そして、腹に痣。殴られたか蹴られたような痣。
目の下には赤く腫れている跡とクマ。
俺は、どれだけ彼を…。
他者の仕業である事は分かったものの、俺たちも関係しているのではないかと思うと胸が痛む。
いくら気に食わなかったとはいえ、1人の後輩だったんだ。
俺は、先輩として接していただろうか。
そこで、皆が駆け付けた。
tn「ut先生!!ciは!!」
ut「なんとか助かったわ、でも、結構やばいかも」
kn「何があってん!!」
ut「完結に言えば首吊り、詳しくはまた後で話させてくれ、」
「今、結構混乱しとる…」
sho「ut先生、一旦落ち着こ」
shoに連れられ、部屋を出る。
吐き気がしてきて、トイレに連れて行ってもらった。
あと少し、遅かったら彼はどうなっていただろう。
逆に、俺が先輩らしく最初っから接していたら、どうなっていただろう。
分からない。
分からないよ、ci。
───────────
医務室に運んで、今は寝かせている。
酸素マスクで息をさせて。
sn「…、やばすぎ、」
tn「何があった!!」
snに諸々診てもらった。
分かったことは、他者が関係している事。
幹部内では、陰口だけだった。
一般兵から、暴力を振るわれているという疑惑が出たのだ。
kn「……、」
動かないciをジッとknは見ていた。
まるで、拾った当初の彼のようだ。
首に着いている紐の跡をなぞる。
どうするのが正解だったのだろう。
なあ、ci。
お前はどうされたい?
お前が完全に助かる為には、どうしたらいい?
お前は何を思っていたんだ?
なあ、教えてくれよ。
人の気持ちを読めたら、どれほどいい事か。
はい。終わりです。
えっ?ってなりました????
そう、これが狙いです。
人の気持ちは読めないのが現実です。
なので、この作品にciくん視点は入っておりません。
どうしたら、ciくんは救われるのか。
どうするのが、正解だったのか。
それは、貴方様が考えてみてください。
ミステリアスな謎多き作品となりましたが、現実味を詰めてみました。
1度した事は、もう戻ることが出来ません。
謝り、自分が変わったとしても、相手は変われるのでしょうか?
自分が1番身近だから、相手の事は全部知ってる…なんて、勘違いにすぎません。
まあ、現に私は、本心を親にも親友にも見せてません(自分語り
ちなみに、この作品10000文字越えしてますw
すみませんねwリアルにしようと思ったら、長くなりすぎましたww
ここまで、わざわざ読んでくれてありがとうございました。
コメント
15件
もうほっっっとに好きだわ…😭
脳みそフル回転でもわからんぞこの小説…、天才ですか?いや天才ですね、皆さんこの方を称えあげましょう😆😆