こんにちは。きーくんと申します。
AU初心者というのもあり、理解度の足りない部分も多く、おかしなところがあるかもしれません。
それでもよければよろしくお願いします。
薄暗い廃墟。
そこは、MurderとHorrorの密会場所のようなもので。
ある日、Murderが廃墟に足を向けると、Horrorの姿は見当たらなかった。
Horrorはいつ自分のところへ帰っているか分からないくらい廃墟に居座って、崩れた柱に腰掛けたり、壁の破片を弄ったりしてMurderを待っているのに。
まぁそんな日もあるか、と軽い溜息をつく。
それでもHorrorが居ないのが少し不安で、廃墟の中を歩いて回る。
普段Horrorが座ってる柱、
廃墟の裏口、
崩れた壁の裏側まで。
隅々までHorrorを探したけれど、どこにもいない。
そこで、Murderも行ったことのない廃墟の奥まで足を進める。
Horrorの気配がして、その方を見ると、Horrorが部屋の隅に縮こまって寝ていた。
愛用の斧を地面に突き立てて、身を隠すように。
近づくと、小さな寝息を立てていた。
死んだように眠るHorror。
ほんの少しの間でもHorrorの居ない不安でいっぱいだったMurderは、斧をそっとどけてHorrorの足と足の間に入り込む。
おおきなHorrorの躰に包まれて、やっと安心できた。
Horrorを起こさないように暫くじっとしていると、
「Murder…」
Horrorの声が上から降ってきた。
起こしてしまったかと振り返るけど、Horrorはまだ寝ている。
寝言か、と小さく呟いてそのまま寝顔を眺めていると、自分も眠たくなってきて。
駄目だ、寝たら、また。
必死に抵抗したけれど、駄目だった。
目が覚める。
Murderが来るまで寝るつもりだったのが、そうとう寝てしまっていたようだ。
動こうとして、自分の足の間に何かが居ることに気付いた。
Murderだ。
なんでここにいるのか、とか、寝顔可愛い、とか、色々頭の中で渦巻くものを無視して、おそらく数日ぶりの睡眠を取ってるMurderを起こさないようにそっと立ち上がった。
「やだ、いくな…」
消えてしまいそうなほど小さく、かすかな声。
それでもHorrorは聞き逃さなかった。
「Murder?どうした?」
起こさないように出来るだけ気を使ったと思ったのにMurderは目覚めてしまったようだ。
悪夢を見たのか躰は小刻みに震え、薄く開かれた目は、涙に濡れている。
「ああ、ごめんな、」
出来るだけ優しい声でそう言って、Murderをぎゅっと抱きしめる。
安心したのか、Murderが目を閉じた。
そのままHorrorも眠りに落ちていく。
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