テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
新しい春。僕にとっての始まりの季節が巡ってきた。
「きれいだね」とおんりーが笑った。気品のあるその笑みは僕の視線を奪い取った。そして、ついに言う時が来たと思った。
「おんりーのほうがきれいだよ」
そう言った途端におんりーの頬が桃色に染まった。
定番な甘いセリフだけれど、言いたかった。単に『言ってみたい』というわけではなく、ただ単純にそう思った。
「、、、あっちのも見に行こうよ」
数秒の沈黙のあと、おんりーは僕の手を引いて前へ前へと進んでいく。その先には見たことのない黄緑色をした桜の木が並んでいた。照れ隠しなのか、単なる興味なのかはわからないが、急にある意味『手を繋がれた』ことに心臓が跳ね上がった。
風が吹き、桜の花びらが一斉に散っていく。自意識過剰なのかもしれないが、なんだか僕らを歓迎している紙吹雪のように思えた。
「また見に来ような!」
「もちろん。来年も再来年も、ずっと一緒だよ」
まだ始まったばかりで変に意識しちゃうような時期だけれど、ずっとこんな関係が続きますように。
ソメイヨシノ
花言葉:精神美・優美な女性・純潔
黄緑色の桜…御衣黄桜
花言葉:永遠の愛
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!