〜めん目線〜
めん「….ただいま」
めん母「おかえりなさい」
めん「お母さん、ただいま」
めん母「….少し、話があるの。」
めん「えっ….. 」
話….?
もしかして、放課後のことバレたんじゃ…
めん母「お受験のことなんだけどね」
めん「えっ、あっ、うん….!」
よかったぁ〜…..
最近、お母さんに話しかけられると、ドキッとしてしまう….
こんなんじゃ、俺は悪いことしてますって言ってるようなもんだよな….
めん母「私のお友達が国公立の医学部に行っていてね」
めん母「その人に頼んだら、家庭教師をしてもらえることになったのよ!」
めん「….!!」
めん母「だからこれからは、学校で勉強するのもいいけど、その人に習った方がもっといいんじゃないかと思うの」
めん「へ、へぇ〜…..」
めん「で、でも….」
めん母「….何かしら?」
めん「….っ、いや、なにも…..」
めん母「……そう。」
めん母「なら早く荷物を置いて、手洗いとうがいをしてらっしゃい。」
めん母「今日はシチューよ!」
めん「…..はい。」
ここ最近。
母は俺をさらに勉強漬けにさせようとしてくる。
いや、これが正しいのだろう。
だって、教師の親が言うのだから。
これが正しい。
これでいい。
いい、のかな…..?
ドズル「めんは、どうしたいの?」
めん「え?」
ドズル「親とか周りに何か言われたから、じゃなくて。」
ドズル「めん自身がどうしたいのか」
めん「俺は…..。」
俺は、どうしたいの….?
ドズルさんは俺のしたいようにしていいって言ってくれた。
でも、俺のしたいことを選んで….
俺の行きたい道を歩んで、失敗したくない。
みんなに失望されたくない。
これでいい。
親が敷いてくれた線路を辿ればいい。
辿るだけで、俺は成功する。
これでいい。
これで…..。
ドズル「めん!!」
めん「うぉあっ?!?!」
ドズル「も〜、どうしたの?」
めん「え、あ、いや….」
ぼん「今日のめん、おかしいぞ?」
めん「な、なにがっすか…..」
ぼん「今日のめん、なんていうか….」
ドズル「ずっと、上の空って感じ」
めん「そ、そんなこと….」
ぼん「なんかあったのか?」
めん「…..。」
ドズル「….親になにか言われたの?」
めん「んなっ….?!」
ドズル「その様子じゃ、当たりかな」
めん「まぁ、その…はい…….。」
ドズル「やっぱりか…..」
ぼん「何があったんだ?」
めん「….実は…….。」
ぼん「なるほど、なぁ〜…..」
ドズル「放課後に会えなくなるかもしれない、ねぇ〜…..」
めん「すいません….。」
ぼん「別に、めんが謝ることないだろ 」
めん「でも….」
ドズル「そうだよ。 」
めん「…..ありがとうございます。」
ぼん「でもやっぱり、少し寂しくなるな〜」
ドズル「だね〜….」
めん「いや、二度と会えなくなるわけじゃないんですし….」
ぼん「それでもだろ」
ドズル「僕たちにとって、放課後にこうやってみんなで屋上で話すのは、ゴールデンタイムみたいなもんだしね」
ぼん「めんがいなくなるっていうのは、やっぱり寂しいな」
めん「……。」
俺だって….
めん「嫌だなぁ…..。」
ぼん「…..!」
ドズル「めん….!」
めん「うぇ?なんすか、いきなり….」
ドズル「今、嫌だなって!」
めん「…..あぇ」
めん「声に出ちゃってたっすか….?」
ぼん「思いっきりな!」
めん「うわ、なんか恥ず….」
ドズル「….お母さんには、言わないの?」
めん「…..へっ?」
やべ、素っ頓狂な声出た….
ドズル「めんは、嫌なんでしょ?」
めん「…..はぃ。」
ドズル「その気持ちをお母さんやお父さんには言わないの?」
めん「…..。」
言えるなら、既に言っている。
俺にその勇気があるなら
親に反発できる、その勇気が。
ドズルさんは、親に反発した。
その結果、ドズルさん的にはいい方向に進んだのかもしれない。
でも、だからって。
俺もその道を歩めるとは、到底思えない。
俺の親と、俺。
そして、ドズルさんの親とドズルさん。
根本的な考え方が違うのかもしれない。
俺たちは、未来のため。
俺のために、親はレールを敷いてくれる。
だから俺も、親のためにそのレールの上を走る。
決して脱線などしないように。
親の期待を裏切らないために…。
でも、ドズルさんの親は違った。
自分達の世間体。
名誉、 立場….
それらを守るために、「ドズルさんのため」
という美化した言葉を使って、ドズルさんに自分達のレールを走らせた。
ドズルさんが脱線しようとしたもんなら、ドズルさんを洗脳してでも、自分達の敷いたレールを走らせる。
強要である。
俺の親は違う。
俺を想って、俺のために….
ドズル「めん。」
めん「あぇ…..?」
ドズル「少し、僕の話を聞いて欲しい」
めん「ぇ…..?」
ドズル「僕も、最初はめんと同じだった。」
めん「同じ?」
ドズル「そう。」
ドズル「自分は愛されている。」
ドズル「これは自分のため。」
ドズル「期待に応えたい。」
めん「…..っ。」
ドズル「でも、その中に混ざる、ほんの少しだけ、どす黒い疑い。」
めん「…..。」
ドズル「もしかしたら、自分は愛されていないのかもしれない。」
ドズル「果たして本当に、自分のためなのだろうか。」
ドズル「これ以上、みんなの期待に応えることは出来ないのではないか。」
めん「ぁ…..。」
違う….
ドズル「僕も、そうだった。」
ドズル「まだ頑張れば、愛されるのではないか。」
ドズル「こっちを向いてくれるのではないか、と….。」
めん「….はっ、は…..」
違う
そんなの、違う
ドズル「めんも、そうなんでしょう?」
ドズル「ほんとはもう、親からは….」
めん「….っ、違う!!」
ドズル「…..。」
ぼん「めん…..」
めん「違う!」
めん「俺は違う!!」
めん「俺は、俺の親はっ….!!」
めん「あんたの親なんかとは違う!!」
ドズル「…..っ。」
ぼん「ちょ、めん….!」
めん「あんたらの親とは違うんだ!!」
ぼん「……え?」
めん「俺の親は俺のために….俺を想っていてくれている!!」
めん「あんたらの親みたいに、自分勝手なんかじゃない!!」
ぼん「めん…..」
めん「俺、はっ…..」
ドズル「…..そっか。」
めん「ぁ….。 」
やってしまった。
唯一の友達を、親友を…仲間を
俺は傷つけた…..。
ドズル「….そろそろ、帰ろうか。」
めん「…..っ。」
ドズル「行こうか、ぼんさん。」
ぼん「….あぁ。」
待って
行かないで
見捨てないで
ドズル「ごめんね、めん。」
めん「ぇっ…..?」
ドズル「めんに酷いこと言った。」
それは俺の方だ。
ドズルさんも、ぼんさんも辛い想いしてるのに。
ドズル「…..またね。」
ぼん「…..じゃあな。」
待って
追いかけなきゃ
謝らなければ
そう思うのに….
めん「…..っ!!」
体も口も、動かない。
どうして…..?
2人とも、こんな俺とずっと一緒にいてくれたのに。
色々な悩みを打ち明けて
友達以上の関係を築けたのに
俺が壊してしまった。
俺が、俺の手で…..
どうして….
なんで、こんな….!
めん「…..帰ろう」
考えたって、しょうがないか….。
どうせ俺は、親には逆らえない。
これで、いいか。
俺は元々独りだったから。
元に戻っただけ。
これでいい。
親に従うだけ。
これでいい。
これで、いい…..
これで、いいの…..?
めん「俺は、どうすればいいの….?」
早足で帰路につく。
頬を伝っているこれが、汗なのか涙なんて、分からない。
この胸のざわめきは何….?
教えてよ
お母さん、お父さん。
俺は、これでいいの?
2人を信用していいの?
助けてよ…..。
めん「ごめんなさいっ…..」
それが誰に向けての謝罪か、分からない。
でも、どうしようもなく….。
いたたまれないほどに、心が締め付けられるように痛かった。
題名変えたっちょ
こっちの方がなんかかっこよくないですか?
かっこいいですよね
知ってる(^ω^)
コメント
7件
泣泣泣ごMen、Men感動しない人いない
私こういうの大好きなんですよ 推しが苦しんでるのは大好物です!!(キモい奴が来てしまい申し訳ありません。)