第5章 文化祭と約束
🌸○○side
校舎中がざわざわしてて、甘い匂いが漂ってる
文化祭の本番って、なんか夢みたい
LANはクラスの出し物で接客係 いつもより少しだけきりっとしてて、見てるだけで胸がくすぐったい
「いらっしゃいませ〜」って笑うその声
隣の子が「LANくんかっこいいね」って言ってるのが聞こえて
また胸がきゅってなった
でも今日はもう逃げないって決めてた
休憩時間になって、屋上に呼び出した
風が少し冷たくて、遠くで音楽が流れてる
「○○、どうしたの?」
「ううん、ちょっと話したくて」
言葉を選ぶようにして、少し間を置いた
「ねぇ、あの時…LANが“我慢してた”って言ったの、あれ本当?」
「うん。ずっと言いたかったけど、壊れたら嫌で」
その言葉に、胸の奥がじんと温かくなった
気づいたら自然と笑ってて
「じゃあ、もう我慢しなくていいね」
そっと差し出した手を、LANがゆっくり握り返す
その手のぬくもりが、全部の答えみたいだった
🌸LANside
○○の手、あったかい
でもそれ以上に、心臓の音がやばい
「○○」
名前を呼ぶと、ふわっと笑う
その笑顔が俺の世界の全部みたいで
「俺も、もう離したくない」
「じゃあ、離さないで」
手をぎゅっと握り合う
下から吹いた風が、二人の髪をゆらす
文化祭の喧騒が遠くで響いてる
でも、今は俺たちの時間だけがゆっくり流れてた
「好きだよ、○○」
「……私も」
その瞬間、遠くで花火が上がった
偶然かもしれないけど、それがまるで祝福みたいで
オレンジ色の空の下
ふたりの影がひとつになった
―――――
終章 君に触れる午後
あの日感じた夕焼けの色も、風の匂いも、全部きっと忘れない
だって、やっと素直に言えたから
「LAN が好き」って
―――――
これで完結です🌸 ̖́-
感想教えて欲しいです⸜🙌🏻⸝
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