🍷side
静かにジャズが、流れている。
今日のお客さんはなんだか見慣れない人が多かった。
愚痴ばかりこぼす客。
一杯だけ時間をかけて飲む客。
まだ、許せる。
👩「お兄さんかっこいいですね。」
気持ち悪い客。
🍷「お客様、本当に辞めて頂けませんか。」
カウンターに乗り上げて、手を握ってくる。
ぶっ飛ばしたい。
👩「握手してるだけですよ~。」
うわぁー、、マジで無理。
店内を見回す、誰も助けてはくれないようだ。
さっきから変な視線を向けてくると思ったら、調子乗りやがって。
仕方がない。
🍷「あのですね、🍹「お客様、ここはそういうお店では御座いません。」
ダンッ、とブランデーの瓶を叩きつけられる。
🍷「店長、‼?」
ニッコニコの笑顔で客の手首を、握りしめるヘラシギさんがそこにはいた。
あー、これは不味い。
👩「えー、いいじゃない私のタイプなんだもん。」
🍹「お客様、ここから出禁にしますよ。」
🍹「バーの店員とお客様の個別での関係を持つことは禁止しております。」
圧が凄い。
👩「わかったわよ、」
👩「あ~ぁ、ここに通い詰めて落とそうと思ったのに。」
あの客は愚痴をこぼしながらバーを去った。
🍹「二度とくるな。」
ぼそっと呟いた先輩の一言が耳に残る。
🍹side
今日のお客さんはなんだか見知らぬ人が多かったので、対応がスムーズではなかった。
店内を見回る、
さっきからヤミー君に怪しい視線を向けている女性客がいる。
んー、迷ったが関与するのを辞めた。
うざいって言われそうだし、
👱「あのーヘラシギさん、初心者にオススメのお酒ってなんですか?」
🍹「そうですね、バイオレット・フィズを当店ではオススメしております。」
ちらりとヤミー君の方を見る。
あー、あれは困ってる顔やな。
🍹「すみません、お客様少し失礼しますね。」
カウンターにあったブランデーの瓶を握る。
少々手荒くなってしまったかもしれない。
🍹「二度とくるな。」
無意識に呟く、掌に爪がくい込んで痛かった。
一呼吸おいてヤミー君に声をかける。
🍹「裏においで。」
🍷side
初めて、自分の手が震えていることに気がついた。
深呼吸をする。
🍷「先輩、ありがとう…ございます。」
🍹「災難やったね、早く助けれんくてごめんな。」
気持ち悪くて、手を何階も洗った。
🍹「僕が上書きしよーか?」
優しく僕の手を包み込む。
ハンドクリームをすぅーっと塗り拡げられ、擽ったい。
ふわりと金木犀の香りがして、先輩っぽいと思った。
🍹「ちょーっとだけ、牽制な。」
シャツに手をかけられる、ボタンを外され抵抗できない。
🍷「ちょっと、おい、こんな場所で、、っ」
首筋をなぞられて気持ちいい。
サラサラな赤髪が肩に触れる。
見えるか見えないかギリギリのところに赤い華が咲いた。
🍷「っ、んっ、」
快楽を拾ってしまって声が出る。
🍷「ハァっ、ちょっと先輩やり過ぎ。」
🍹「ごめん、ごめん、度が過ぎたね。」
🍹「嫉妬しちゃった、僕の可愛い可愛い後輩がいじめられてるんだもん。」
素直な先輩は悔しいけど、可愛い。
顔がいいのもずるい。
🍷「引っかかった僕も悪いんで。」
先輩の指先にキスを落とす
🍹「珍しく素直だね。」
柔らかく先輩が笑う。
🍷「さぁ、仕事に戻りましょう。」
🍹「戻れる?大丈夫、休んでもええんよ?」
🍷「大丈夫っす、ヘラシギさんが助けてくれるんで。」
🍷「、、たぶん。」
🍹「うわー、責任重大やないの。」
🍹「安心して、絶対ヤミー君守ったるから。」
ぼーっとしてるうちに、流れるように頭を撫でられる。
🍷「子供っぽい扱いしないで下さい。」
逃げるように裏口から出る。
先程よりも店内は静かだ。
先輩が持ってきたブランデーを棚に戻す。
透き通ったブランデーの色がなぜか先輩を思い起こさせ、少し笑みが溢れた。
コメント
2件
ヘラシギさんの助け方イケメンすぎて潰れる()
最高すぎるんだが!!!