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『独りの少女』
ある少女が、夜を背景に、一筋の涙を流した
それは頬を伝い。
小さな雫となって、暗闇に消えた。
その夜、また少女の中で
何かが壊れた
壊れる度に脆い糸で無理やり繋ぎ合わせる
その場で戻せれば良い。
また壊れても繋ぎ合わせれば良い。
簡単に、脆く紡がれた縫い目は。
少しずつ、 また、
ー 互いに隙間を作り始めるー
そこにまた、ひとつひとつとのしかかって
脆い糸はちぎれてまた、壊れる。
それを繰り返しても、学ばない。
少女にとって、何が痛いのか。
何が少女を壊してしまうのだろうか。
少女に声は聞こえない。
まだ20歳(はたち)にもなり得ないように
見えるこの少女に。
何がのしかかっているのか。
それは、少女しか知らない。
いや、少女自身も知らないのかもしれない。
誰が嫌ということもない。
ーただ辛いのだ。
何をされたということもない。
ーただ弱いのだ。
見えないものが、怖いのだ
何も出来ない自分が愚かなのだ。
自分は必要ないと。
自分がいるから周りが不幸になるのだと。
誰がこの子を慰めようか。
独り閉じ込めて。固く鍵をかけているから。
誰も気づかない。気づけない。
少女はー。
独りだ