この作品はいかがでしたか?
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目が覚めると、いつもの天井ではないのに気づく。辺りを見渡すしても何一つ心覚えなどなかった。
真っ白で何もない、見た事あるような無いようなそんな空間である。
驚くべきことにドアすらない。
「一体何処なんですか。ここは。」
私の発した声に反応するかの様に部屋全体にノイズ音が鳴り響く。
その不快な音を聞いていると1人の男らしき声がノイズに紛れて聞こえてきた。
『あなたは死にたいですか?』
「はい?何言っ『あなたは死にたいですか?』
「いや、だから何『あなたは死にたいですか?』
「…」
『あなたは死にたいですか?』
死にたいか死にたくないか、その答え以外どうでも良いと言わんばかりに問いてくる。
何が起きている?
質問の意図が謎だが、質問に早く答えなくてはと言う不安感が私の中に充満する。
「生きたいに決まってるでしょう。日本国民の皆様の為にも。」
『あなたが死なないのでしたら、他の国の化身を殺してください。』
「は?なんでそんな事『殺してください。』
「嫌ですね。」
『自分の立場分かってますか?』
そう言って、目の前の真っ白の壁が透明になる。
ガラスだったのか…
ガラスの向こう側には私の服を着たマネキンがいる。
次の瞬間、まるで銃が撃たれたような音が聞こえ______
マネキンの頭が吹き飛んでいた。
『もしあなたが殺さないのであれば、あなたを殺します。何があっても絶対に。』
何故マネキンの頭が吹き飛んだのか、目の前でずっと見ていたのに分からなかった。
つまり相手は私をいつでも殺せる様な奴…
「…………殺すしか…生きる選択肢が無いのなら。」
『あなたならそう言ってくれると思っていました。この人殺しゲームを開始するにあたってルールがあります。誰かに話す、頼る等の行為は禁止です。殺さなければいけない国は5国。一週間以内に殺してください。このルールを守らなかった場合、貴方は死にます。』
なんてクソゲーだ。
一回ならいいと思ったが、五回もこの手を汚さなければならないのか。
ルールを守らない事で私が本当に死ぬか分からないが、正直怖い。
そんな事を考えている時に、そいつから話しかけられた。
『次会う時は一週間後です。その時私の手を煩わせないでくださいね?それではそろそろお目覚めになられてください。シリアルキラーさん。』
話を聞き終わって、意識が途切れた。
次に目が覚めた時はいつも通りの私の部屋だった。
冷や汗をびっしょりかいている。
何が何だか理解出来ないが、とりあえず状況を振り返ろう。
夢で私は白い部屋に閉じ込められた。
そして死にたく無いなら他の国の化身を5人殺せと言われた。
簡単にまとめても理解出来ない。
単なる夢にしてはリアルすぎて、目の前のマネキンを見て本気で殺されるのでは無いかと震え上がった。
私が、国の化身を…殺す?
正式な戦争では無く、不意打ちという卑怯な技で。
やりたくない。その思いと同時に死にたく無い。と強い気持ちが私を支配した。
私は死ぬわけには行かない。
五国。五国殺さなくては。
私のために。国民のために。
私なら大丈夫。きっと、きっと上手く行く。
そうして私は朝の身支度に取り掛かった。
コメント
6件
新しいの出た !おい !神作品 出てるぞ !! そんな ... 五国 ■ さなきゃならんのか ... 一体 誰 を ■ すんだ 、気になりすぎる …… !
こうゆうの好きだよん
うわー…なんか…すごい…(語彙力 と…とにかくめっちゃ好きッッ!!