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この配信見てたから妄想が捗った。馬です
ラッキーなことにmfくんのゲリラ配信に遭遇できて作業用BGM代わりに聴取してる。mfくんの聞きやすい大好きな声に作業もどんどん進んでいく。好きな人ってすごい、口角はグッと上がるし作業は捗るし良いことづくめだ。mfくんはテンションが高いのかずっと楽しそうでこっちまで嬉しくなってきちゃう。
mfくんが読み上げたあるお茶爆コメントが耳に飛び込んできたのはそんな時だった。
『彼氏との喧嘩の原因ですが、イベント後mfくんの話しかしなかったら怒られました!』
聞き捨てならない言葉に順調にキーボードを叩いていた指がぴたっと止まる。深夜でしかも部屋には俺一人なのに思わず声を上げてしまった。
「はぁ~?」
思った以上にデカい声が出ちゃって反射的に隣の部屋のほうを見るけど特に反応は無いみたい、良かった。胸をなでおろして作業を再開しようとしたその時、またまたmfくんの楽しそうにお茶爆を読む声が耳に飛び込んでくる。
『mfくんが罪な男なので(彼氏にmfくん話をしないなんて)できません!』
「は、はぁあ~~~!?!?!?」
さっき以上に大きなドスの効いた声が出てしまって、案の定隣の部屋から眠そうなぽやぽや声で「どぬちゃん…?」とttの声が聞こえてきた、tt絶対寝てたねまじごめんなさい。「ごめん、何でもないっ」と壁越しに謝るけどもう俺は気が気じゃなかった。作業?そんなのやめやめ!明日だ明日っ!俺はとうとう椅子から降りて部屋をウロウロ歩く。完全に不審者だ。さっきのmfくんガチ勢のリスナーさんのコメントにmfくんは笑いながら「俺と彼氏さんどっちが大事?彼氏さんでしょ!現実大切にして!」って言ってて俺は思わず拳を握ってうんうん頷いてしまう。そうだよ彼氏持ちでしかも沢山いるmfくんファンのひとりの君は、mfくんとただのメンバー同士の俺と同じぐらい望みがない、だから盗らないで。そう思って自己嫌悪してしゃがみ込んだ、俺馬鹿みたいだ。そんな時、mfくんから名前を呼ばれた気がして配信画面のほうへ振り返った。
『俺は対策済みー?で、なんでーはどぬちゃん、うわ、あと二人が分かんねー!ちょっと待ってね、えーっと、』
どうやらアンラッキーモンスターの曲中のセリフが誰なのか聞かれてttとhrくんがどっちだったかで迷ってるみたい。えーっとえーっとって可愛く悩んでる。でも。
『俺の声は分かるんだ…』
そんな些細なことが嬉しくて少しだけ機嫌が上昇してきた。だってあのパートまじセリフ聴き取れないんだ。皆似たような声質なのに俺の声が分かっちゃうmfくんはやっぱりすごい。そして速攻機嫌が治る俺はチョロすぎ、もはやmfくんの手の上でころころころーってしてる。
「配信終わるまで作業がんばろ…」
のろのろと立ち上がってデスクに向かい、少しだけ配信の音量を上げて俺は自分のほっぺたをぺちんと叩いた。よし!と小さく気合を入れて再びキーボードを叩く。
mfくんの配信が終わるまであと20分。