注意⚠
・タルタリヤ目線です。
・伽羅の関係が分からない為誤っている所が有るかもしれません、御了承下さい。
・其の他、小説を書くのが慣れてなく誤字脱字等多いかもです、
これは俺が『 』について知ることが出来たあの日の物語だ。
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ある日夢を見た、”あの人”が消えてしまう夢を。
何故か分からない。けど俺は、先生を探していた。満月の月明かりが眩しく感じる時間帯、やっと見つけた其の場所は、璃月の道の真ん中で、俺は何度も、何度も何度も先生の名を呼び叫んでいたと思う。今考えると何故呼んでいたのか記憶に無く、其れもまた夢の嫌な所だな、とか思いながらまた今日見た夢を思い出す。俺は先生を見つけた後、やっと見つけた嬉しさと感情がごちゃごちゃになって、慌てて息を切らしながらも先生に向かって走っていったっけ。でも途中で身体が動かなくなってしまった。先生との距離は遺跡守衛が二体か三体入るくらいで、後少しで手が届くのに、と俺は手を懸命に伸ばそうとしていた。そんな俺を見て先生はよく分からない表情を浮かべる。笑っているのか、苦しんでるのか、其れとも…泣いているのか。身体が動かない俺を置いて先生は道なりに進んでいってしまった。丸で人形のように、糸に引っ張られているかのように。そして、奥深くへ消えてしまった。ここで俺は目が覚める。
普通の夢ならこんなに深く考えないのだが、”あの人” が夢に迄出てくると何か嫌な予感がして、頭を悩ませる。
「───様、…し様、公子様」
ふと、呼ばれている事に気づけば、ハッと顔を上げる。
「…大丈夫でしょうか?少し顔色が悪く感じます。」
「あははっ、大丈夫さ。…少し考え事をしていたんだ、すまないね。何の用かな?」
「そう仰るのなら良いのですが…、今日の資料をお持ち致しました。」
心配そうに見つめる部下は容赦なく資料を机に置く。パッと見ただけでも30センチくらいの厚さのある紙達が次々と置かれていき、今日は帰れそうにないな、とか思いながら資料に目をやる。でもやっぱり作業を進められない俺は溜息をつく。なんで今日という時に限って変な夢を見てしまったのだろう、あの時寝なければ良かったな、と今更意味の無い後悔をしている自分が頭の隅っこに居て全く仕事が進まなかった。結局半分も終わらずに夕方を迎えたその時だった。
「ごめん公子、今ちょっといい?」
「公子!鍾離が大変なんだぞ!」
馴染みのある二人がいきなり部屋に飛び込んできては何か慌てて俺を見つめる。ん?今鍾離先生が大変って聞こえた気が。
「やぁ久しぶりだね相棒、鍾離先生がどうしたって?」
「先生が道の真ん中でいきなり倒れたって、でも先生を運べる人が居なくってさ、今は璃月だって寒いし此の儘だと心配で、」
「だから公子の力が欲しくてオイラたちお前を呼びに来たんだぞ!」
先生が道で倒れた?其れも真ん中で?嫌な予感がする。俺は二人に礼を述べると直ぐにその場を立ち上がる。部屋を出ようとドアノブに手を伸ばすと同時にこう述べた。
「詳しい話は後で聞かせてもらうからね。」
一目散に向かう。場所は分からなかったけど俺は夢で先生が消えてしまったあの道の真ん中に向かっていた。何故か分からないけど、其処に先生が居る気がして、と言うか足が勝手に動いていて、俺は其処に先生が居るか居ないかよりも本当か嘘なのか知りたかった。だってあの夢やけに現実的だったし、良く考えれば昨日寝ていたっけ、とか思い始めちゃったり。夢やら現実やらで頭の整理がつかなくなってきた時、目的地が見えてきた。其処には沢山の人が居て、まるで祭りでもしているのか、ってくらいの人集りだった。人と人の間を軽々と避けては通り抜け、夢で見たあの場所に辿り着いた其の場所に先生を見つける。俺はなんの躊躇も無く先生をお姫様抱っこした。沢山の人の視線が此方を向く。そんな視線を無視すれば何処へ向かおうか迷ってしまい、うろちょろしていた。先生の家へ行こうと思ったけど場所を知っているのは先生の他に俺だけ。そんな二人だけの秘密の場所をいくら相棒でも何故か教えたくなくて、俺は自分の家へ向かった。
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ベットに先生をのせては、ふぅ、と一息ついて先生の額を触る。熱は無いようだ。見た感じ余り具合が悪い様には見えなくて、どうしたものかと頭を悩ませその場を歩き回る。コンコンコン、ノックが三回鳴り響く、俺は玄関へ行きドアを開けた。
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「ありがとうね、俺だと流石に難しくってさ」
「あははっ、このくらい気にする事ないよ相棒」
「それにしてもいきなり倒れるなんて鍾離どうしたんだよ〜!」
旅人とパイモンを招き入れ、先生の居る場所へ案内をする。久しぶりに会うものだから暫く話をしていたけれど最終的には先生について詳しく聞いた。
「うん、俺とパイモン、そして先生の三人でご飯を食べる約束をしていてね、丁度ご飯を食べ終わった帰り道にいきなり先生が倒れたんだ。」
「ほんとうにビックリしたぞ!」
二人から詳しく話を聞いているとあっという間に時間が過ぎていき、二人は冒険者の依頼があるから。と帰ってしまった。先生の事だからすぐに目を覚ますだろうと思っていたけど中々起きなかった。俺だってまだやらなきゃいけない事がある。そう、例えば今日渡されたあの大量の資料の後片付けとか、後は執行官としての色々な仕事。だからといってこんなところで一人にさせるわけにもいかなく、俺はどうしようかと頭をフル回転していた。色々な感情や考えが出てきては疲れてしまったのか俺はその場で眠ってしまったみたいで、目が覚めると鳥の鳴き声が聞こえ窓から光が差し込んでいた。
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どうやら朝になったみたいだ。ぼやける視界を何度も擦っては目の前に先生が居ることを確認する。昨日の事は夢では無かったんだな、と改めて感じた。溜息を浅くついて体を起こす。昨日の夜、仕事をサボってしまったから流石に今日行かないと資料整理が追いつかないと思い、申し訳ないが俺は先生を一人残して仕事場へ向かおうと身支度を始めようとした時、いきなり先生の目の前にあの仙人がやってきたのだ。目の前にいる彼は丁寧に先生の世話をし始める、その部屋の真ん中に丸で壁ができたように、俺は一人眺めることしか出来なかった。暫く経つと彼はその場に座ってこう述べる。
「此処は我がする、お前は仕事に行くと良い。」
なんて、お前はどこかへ行けと言わんばかりの目で見られては仕事に向かうしかなく、身支度をパッと済ませて家を出た。ここ俺の家なんだけどな、とか思いながら小走りで北国銀行へ向かった。
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