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◇
ー 二年前 ー
苔の生えた大木の根元で座りこむ。
腹が空けば近くの植物を採取して胃に詰め込む。
眠たければ木の上によじ登って眠る。
「…ゲホッ、ゲホッ」
毒があろうと生きるために多少の我慢をしながら食事をしていたら、いつのまにかいろんな毒の耐性までついてたり。
「…ハァ…ハァ」
でも免疫が無さすぎて風邪を引くとすぐに動けなくなってしまう。
ぼぉっとする頭では気によじ登ることや食事をすることはおろか、満足に眠ることも出来ない。
「…ヒッ、グスッ」
おまけに孤独に苛まれて涙が勝手に溢れてくる。
「…え!?うわ、え、ちょ…大丈夫?」
「ア…ゥ…?」
「え、やばそう!?え、まってまって…!」
コンちゃぁあん!と背後に向かって叫んだあと、ズンズンと大股で近寄って来る男にできる限りの牽制として目の前でバチバチと火花を散らした。
「うあぁぁあ!?なに!?えっ!?!?」
「…ン…グ…ヴ、ェ」
「あ!?吐いた!やばいっ!早く!!」
ふわっと体が浮いたと思ったら、考慮がカケラもないスピードで進んでいくから支えの少ない体がガックンガックン揺れる。
「…ヴッ」
気が付いたら知らない場所にいた。
まだ重い体を無理矢理起こして辺りを見回す。
「……?」
知らない場所だ…
全体的に白い。それに、変な匂いもする。
「あ、起きた?」
「…」
「突然だけど君を俺の仲間にしまーす!」
「……誰?」
…出会いというものは、突然訪れるらしい。
◇