テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
srhb
ご本人様とは関係ありません
ハロウィンとは、秋の収穫祭である。
しかし、よく知られているのは「トリック・オア・トリート」という言葉である。
この行事は、悪霊がやってくるということも知らずに、純粋に、お菓子をもらって喜ぶ子どもたち。
その後ろに悪魔がいた。
hb「〜〜♪」
だが、この悪魔は最下級であり、なんなら人を騙したりそそのかすことが苦手であった。
hb「みんな楽しそうやな〜」
自分も近所の方から棒付きキャンディーをもらい、それを食べながら散歩している。
彼が悪魔だと気づくものはいなかった。
同日、セラフ・ダズルガーデンは困っていた。
ハロウィンのバグにかかってしまったからである。
sr「…はあ」
メンバーに連絡はしたが、当分外にはでられない。
フサフサの耳に尻尾。
そう、狼男である。
sr「いっそのこと楽しんだほうがいいかなぁ…」
今の時代、仮装しているのは子どもだけではない。
セラフはちょっとだけウキウキしながら外に出た。
―――
そして出会う。
hb「お?」
sr「…え?雲雀もバグ?」
hb「???バグ?せらおはイメチェン?」
sr「だからバグだって」
そう、この二人、お互いの世界にお互いがいるため、会話が成り立たないのである。
悪魔である雲雀の世界にいるのは、最高官位の天使のセラフ。
通常のセラフの世界にいるのは、怪盗一家の跡取りのカフェ店員の雲雀。
話が噛み合わなくて当然だろう。
sr「なんていうか…その、似合ってるね」
hb「いつもの服やけどな〜、あんがと〜!セラおも似合っとるよ。狼男?」
sr「そう。まあ、ハロウィンだしいいかなあって」
hb「へぇ〜天使の世界にもハロウィンってあるんや…」
sr「…ん?」
hb「え?」
セラフは固まる。
いま、天使の世界と言ったか?
雲雀も驚いたように目を見開いた。
え、俺変なこと言ったか?
sr「…天使?」
hb「??おん。やって、せらおやろ?」
sr「たしかに俺はセラフだけど…」
hb「????」
そこでセラフは気づく。
122
271
154
あ、コイツ、雲雀じゃない。
音も、見た目も、笑い方も、何もかも一緒だけど違うやつだ。
え、これもバグ??
hb「せらお?」
sr「いや…その、もしかすると、君の言ってるセラフと俺は違うのかも知れない…」
hb「???どゆこと?」
sr「俺は天使じゃないから」
hb「え”!?!?!?!?」
雲雀もここで気づく。
たしかに、表情豊かや…!
hb「えと、じゃあ、セラフやないん?」
sr「俺もセラフだよ」
hb「???」
sr「えっと…わかりやすく言うと、別世界の俺というか…」
hb「!なるほど!」
ぱっと雲雀の顔が明るくなる。
悪魔の雲雀も勉強やらが苦手なんだとセラフは思った。
sr「まあ、バグじゃなくて、ハロウィンのせいもあるのか…」
hb「なんで?」
sr「ハロウィンって、死者の世界とこちらの世界が近くなる日でしょ?そこで悪霊がこちらの世界にやってきてさらっていくから仮装をして、仲間のふりをしてるんだ」
hb「へぇ…セラおって頭いいんな。」
sr「まあ、知ってることだけだけどね」
hb「それでもすげえや。え、これからどうするん?」
sr「んー、俺は急に狼男になっちゃったから取り敢えず今日は楽しもうかな」
hb「俺も一緒の行動してええ?」
sr「いーよ」
hb「やった!」
ぴょん!と雲雀が跳ねる。
ふわりと触れる尻尾は、どこからどうみても本物だった。
sr「…あまり、目立ちすぎないようにね」
hb「わかっとるって!」
鼻歌交じりに雲雀が歩き出す。
今日は変な一日になりそうだなあ、とセラフは微笑んだ。
――急なセラフ視点
雲雀はこちらの世界に慣れているのか、物珍しそうにする素振りはなかった。
何なら、近所のマダムに話しかけられ、笑顔で答えている。
あちらの雲雀も人当たりがいいんだなぁ…。
hb「?せらお?どしたん?」
sr「なんでも」
hb「???そか」
お菓子をもらって喜ぶ雲雀。
先程まで食べていた飴の棒をゴミ箱に捨て、つぎのお菓子を口にいれた。
hb「んま〜」
sr「んふふ、良かったねぃ」
嬉しそうに尻尾が上下に振られる。
ふと好奇心でその尻尾を掴んでみた。
hb「きゃんっ!?!?!」
ビクッ!!!!と雲雀体が跳ねる。
sr「え、ごめん」
慌てて手を離すと、雲雀は恨みがましそうにこちらをみてきた。
hb「せらお???」
sr「ごめん」
hb「…そか、こっちのせらおは知らんのか。あのね、悪魔の尻尾って重要な器官やから触っちゃだめなの。それこそ恋人でもない限りな」
sr「…ごめん」
案外重大なことで肩を落とす。
やらかしてしまったようだ。
hb「まあ、ええけど。つぎはねーからな?」
sr「はい…」
hb「もー、あんまへこまんで?ほら、チョコやるから」
sr「ありがと」
雲雀からビターのチョコレートを貰う。
口に入れると、カカオの味が広がった。
hb「あ、そうや!せらお、トリック・オア・トリート!!!」
sr「え?」
hb「だから、トリック・オア・トリート」
生憎だが、俺はお菓子を持ち合わせていない。
その旨を伝えると、雲雀の目が怪しく光った。
hb「んじゃ、いたずらやね☆おりゃー!」
雲雀がこちょこちょとくすぐってくる。
だが、ほぼすべての罰ゲームに耐性がある俺には効かない。
sr「…なんか、ごめん」
hb「嘘やろ……?」
雲雀は唖然としたようにつぶやいた。
hb「これならどうや!」
sr「わっ、」
とりゃ!と雲雀が飛びついてくる。
体制を崩すことなく受け止めると、また驚いたように目を見開いた。
hb「え、最強過ぎん?」
sr「まあ、左は制覇してるし…」
hb「????」
何のことだかわからないと雲雀が首を傾げる。
こちらの世界の俺達のことはやはり知らないようだった。
sr「こっちの話。雲雀も右制覇してるから強いはず」
hb「そうなん??ようわからんけど…」
諦めたのか、雲雀が俺から離れる。
hb「あ、」
ふと、雲雀が思い出したように声を出した。
sr「どうしたの?」
hb「んや、もう少しでハロウィン終わっちゃうなって」
sr「ホントだ」
時計に示されている時刻は23時55分。
もうすぐ日付が変わる。
hb「じゃあ、こっちのセラおともお別れやな〜」
sr「そう、だね」
ちょっとした寂しさを覚えつつ、手を振る。
hb「あ、そうや!」
雲雀が思いついたように言った。
美しい顔が近づいてくる。
ちゅ、とリップ音がなった。
sr「え?」
hb「お菓子くれなかったからいたずら!ハッピーハロウィン〜」
時計の針が十二時を示す。
強い風が吹いてきて目を閉じる。
つぎに開けた時、もう悪魔の雲雀の姿はなかった。
sr「あ」
俺のハロウィンのバグも解けたようで、元の姿に戻っている。
今日は、というか昨日か。
は色々ありすぎた。
まずは帰ろうと帰路につく。
sr「……ん?」
いや、流石にキスされたのはスルーできないのだが???
sr「はぁ…」
本人がもういないため、一人で抱えていくことしかできない。
sr「…雲雀事好きになったらどうしてくれんだよ、もう…」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!