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🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった
第25話 - 第25話 (最終話) ◇やり直す 71.72.73
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3,270文字
2026年09月30日
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71 ◇やり直す
私はカオスの中にいた。
一体私はどうすればいいのか、どうするのが正解なのか。
どんどん分からなくなってしまった。
ただ、月に4~5回を少しずつ増やして3か月くらい経った頃
私は瑛士さんと一緒にいても思ってたほどそう嫌な感情になることもなく
自然体で居られる自分に気づいた。
別のことで、つまり瑛士さんとのことで悩んでいるうちに
蓮さんとの別れの辛さがいつの間にか中和されていて、元気を
取り戻せていたってこともあったりして。
瑛士さんのことはまだまだ意地悪く生暖かぁ~い白い目で見ている
私だったのだけれど。
ずっと一緒に暮らすのにはまだまだ抵抗があって、土・日・月・火
は、瑛士さんの家で過ごし、水・木・金は実家に帰ったりして子供で
いうところのお慣らしみたいな感じで無理なく両方の家で暮らすように
なった。
子育ては実家では両親がサポートしてくれ、瑛士さんの家でも
土・日、瑛士さんのサポートが半端なく、そして何より息子の将大を
身内のように愛でてくれるのを常々目の当たりにし、再婚への気持ちが
日に日に少しずつ大きくなっていった。
将大が瑛士さんにあやされると笑うのだ。
瑛士さんが将大と添い寝して一緒に寝てしまうこともあって、
ふたりの寝顔に癒されている自分に気づいたりして……。
外へ3人で出かけたりすることでその大きくなった想いは
より一層顕著になっていった。
他所の親子連れなんかが目に入ったりした時などに……
きっと将大と2人だったら、私はちょっぴり淋しい想いをしたかもしれない。
してまた、将大がこの先幼稚園、小学校と進み友達ができた時、私だけだと
淋しい思いをするのだろうなぁとか考えてしまい、瑛士さんの存在を無視できなく
なっている自分に気づいたのだ。
私って自分で思ってたより甘いよねぇ~。
最後まで絶対瑛士さんのことは拒否るって決めてたのに。
だけども、徐々に徐々に少しずつ気持ちに変化があり……。
彼とやり直してみて、やっぱり駄目ってことになったらその時こそ
きっぱり別れればいいのだからそんなに頑なにならなくてもいいんじゃない?
眞奈、って自問自答をして、私は瑛士さんとその後再婚することに決めた。
両親は、特に母親は待ってたとばかりに、私と瑛士さんの再婚を喜んで
くれた。
72 ◇再婚
十数年振りに復活した夫婦の営み時、眞奈は激しく燃えた。
よもやよもやの夫とのSEX.
何で今更?
──感が半端なく、再婚はしたものの眞奈の今後の予定に
夫婦間の営みなどなかったはずなのに。
自分を蔑ろにされてた感はそうそう消える筈もなく、自尊心を傷つけられたことは
死ぬまで永遠に忘れられないだろう。
そんな風に息巻いてたのだ、夫の不貞を知ったあの日から。
もう夫婦関係がなくなって久しく、ずっと私の身体に見向きもせず
それを日常にして悠々と余裕でいた夫が、再婚したからとて何で今更
私を誘う?
不信感を持ったものの夫から誘われたのは、たまたま私は蓮さんのことを
思い出していて……まさにその時だったのだ。
何と間の悪いこと……。
唯一心も身体も通じ合えた今は亡き夫の蓮を忍び、私のメンタルは
おかしくなっていたようで、まんまと夫の誘いに応じてしまったのだ。
蓮さんが生きていてくれたらと、再婚してからも何度そう思ったことか。
瑛士さんに対して悪いとは微塵も思わなかった。
知らず知らずのうちに、瑛士は裏切り者なのだからこの先もずっと私に
傅いていればよいのだという気持ちがどこかにあるからだと思う。
瑛士に抱かれている間、蓮さん、蓮さん……と心の中で蓮への思慕を
募らせながら、いつしか目の前の瑛士が蓮と重なり眞奈は蓮と未知の
甘やかで密の味のする饗宴を繰り広げるのだった。
そんな甘美さで応じてくる妻の様子に瑛士は刺激を受け互いの行為に
没頭するも、思いもかけず何とも言えない後悔に苛まれていった。
73 ◇ 『仕合わせ』は戻ってこない (最終話)
俺は妻のことが好き過ぎて……
愛し過ぎて……
大切にし過ぎて……
離婚するまでの間、生身の人間としてではなく、壊れ物の人形のように
扱っていたのだ。
――――――
こんな風に自分の気持ちを言葉にするのは、ただのきれいごとだと
分かっている。
好き過ぎて、愛し過ぎて、大切にし過ぎて──
ここまでは嘘偽りのない妻に対する感情である。
だが、深層を覗いてみると──
それはあまりに軽率で破廉恥な自分の行為が見えてくる。
最初は、軽薄で卑猥なことば遊びが少しスリリングで楽しく、
そんなところから余所の女性とのやり取りが始まり……。
どんどん、彼女たちとの交流と妻との間にある関係が別次元で存在するように
なっていった。
彼女たちが皆、性に対して開放的であっけらかんとしていたからか、
妻とは到底できない性技もいろいろとやった。そんな時間を楽しんだ。
そして俺の欲は、満たされた。
だから、妻を抱かなかった。
ただ、それだけのことだ。
妻の気持ちも、妻が望んでいたようなふたりの間に子供を持ちたいというような
家庭生活を続けていくのに大切なことも、うっちゃってたんだな。
その日その日をおかしく楽しく、何も考えずに過ごしてきたのだ。
今思うと、なんにも考えてなかった。
そう、このくだらない理由が妻を苦しめた理由だ。
―――――――――
俺が自分の身体に指1本触れなくなったのを、妻はどんな気持ちで過ごして
いたのだろうかという想いに、この時初めて本当の意味で妻の事を慮ることになった。
人形なら苦しんだりしない。
だが妻は人間なのだ。
自分に指1本触れずに10何年も過ごした夫が他所の女たちと卑猥な下ネタで
やりとりするような遊びをし、もしかしたらSEXもしたかもしれないと
知った日の妻の気持ちを思うと、いかんともしがたい気持ちになる。
最愛の目の前にいる妻は、昔の妻ではない。
俺だけを知っている妻では、もはやないのだ。
もしかしたら、妻は今もあの神崎蓮を忘れられないでいるかもしれない。
そう思うと気が狂いそうだった。
愛する妻が他の男と何度も何度も……俺はたまらなかった。
けれど先に妻を裏切るような真似をしたのは自分なのだ。
気持ちはいつだって妻にあったからと言って、それが贖罪にはならない。
つらいけれど過去のレスが嘘のように俺は眞奈を抱くことを止められなかった。
どうして今まで彼女を放置できていたのか、過去の自分の行いが歯がゆい。
今の彼女を作ったのが蓮なのも歯がゆかった。
嫉妬と悲しみと怒りと愛しさとで繰り広げられる痴態。
夫婦の充実した営みを終えると眞奈はすっきりとした顔で眠りについた。
瑛士は新婚時代の自分たちの行動を遠い記憶の欠片から
必死で思い出そうとしていた。
そう、SEXした後の妻の言動がどうだったのか、確認しておきたかったのだ。
それは満足そうに眞奈が早々と自分との語らいも触れ合いも何もなく
さっさと自分だけの眠りの国へと去っていったから。
半端なく、置き去りにされた感が拭えず。
あまりに時間が経ち過ぎて瑛士は過去のふたりの時間を
思い出すことができず、じれったかった。
思い出せなかったけれど、違う……何かが違う、と本能が囁く。
瑛士は、知らず知らずに目頭に涙が溜まっていることに気付いた。
それは悔し涙なのだろうか……
嫉妬の涙なのだろうか……
悲しみの涙なのだろうか……
やっと妻は自分の手の中に帰ってきたのだと思っていたのに、
おそらく、それは独りよがりというものだったのだろう。
自分の感じた違和感は恐らく間違っていないのだろうと思う。
それが何なのか、言葉にするのは勿論のこと、心の中で推し量ることすら
したくはなかった。
もう昔のような『仕合わせ』は自分の中に戻ってこないことを
瑛士は思い知らされるのだった。
――――― おしまい ―――――
皆さま、最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。*ᴗ ᴗ)⁾⁾☆彡設樂理沙
コメント
1件
最終話、読み終えました……。 再婚しても、昔みたいな「仕合わせ」はもう戻らない──瑛士さんのその気づきが、すごく切なくて。自分が壊したものを取り戻せないもどかしさが、ひしひしと伝わってきました。 眞奈さんが蓮さんを想いながら応じてしまうシーン、すごく生々しくて、胸が痛かったです。 最後まで丁寧に描いてくださって、ありがとうございました。 設楽さんの言葉、ちゃんと受け取りました。お疲れさまです、ゆっくり休んでくださいね🌙