テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
おれお
1
コメント
3件
みぅ🤍🥀です。第二話、読みました〜! 響くんが奏くんにめっちゃ積極的で…!「内緒」って笑いながら手繋ぐの、重そうで好きだなって思いました。奏くんが「なんで俺なんか」って戸惑いながらも、自然に頬が緩んじゃうところがすごく可愛くて、こっちまでにやけました。千景くんと透真くんの合流シーンも面白くて、この3人の関係性がこれからどう動くのかすごく気になります🌙 次話も楽しみにしてます!
始業式が終わり、教室には再びクラスメイトが集まった。
自分の席に座り、各々好きなことをして担任を待っている。
その中でも特に目立っていたのはあるさいの3人とその3人の近くの席で質問攻めをしている女子生徒だった。
それは奏の左後ろの席に座っている千景のところでも行われている。
「千景くんは彼女いるのー?」
「千景くんってどんな子が好きなの?」
みたいな質問に対し、
「ないしょ〜〜〜」
と答えていた。
奏はそんな会話を聞きながら、スマホをポケットから出し、電源を入れる。
そして、写真アプリを開いた。
「はーい、おはようございます」
その時、前の扉は開き、担任が入ってきた。
あるさいの近くにいた女子生徒は少し面倒くさそうに自分の席に椅子を寄せる。
「えぇ、今年一年このクラスとお世話になります。永目創太です」
担任は教壇に荷物を置き、深く礼をする。
黒色のサラッとした髪の毛。
平均よりも高い身長。
これまた人気がありそうだな。
と奏は思いながら、スマホの電源を落とした。
「ぇ、いけめん……」
「まじそれ、やばい……」
「いやぁ、あるさいのほうがいけめんだよ……」
ほら、聞こえてきた。
そんなことを思いながら、奏は前の席からプリントを受け取った。
***
教室内はあるさいと担任が原因でずっとザワザワしていた。
そのザワザワは収まらないまま、授業を終え、下校時刻を知らせるチャイムが鳴る。
そのチャイムを聞いたと同時に生徒たちは動き出した。
ある生徒は担任のもとへ
ある生徒はあるさいのもとへ
その動きをチラリと見ながら、奏は下校のために教室の後ろにあるロッカーへと向かった。
奏のロッカーから少し離れたところでは響と女子生徒が集まっている。
「響くん!この後遊ばない?」
「無理」
「えぇぇ、なんでよぉ…響くん彼女いないんでしょ?」
「いても、いなくても遊ぶことはないよ」
響は冷たくあしらう。
どうやらモテ男子、観月響には彼女はいないらしい。
(俺が関わることは無いんだろうな)
奏はつい心に漏れたその思いをしまいながら、ロッカーから去ろうとする。
その時、響のもとに千景と透真が集まった。
「響はねぇ、重たいから」
千景は響の机に座りながら、笑ってそう言った。
それを制御するかのように透真は千景の背中を叩く。
「いった………!」
「そういうことは言わないほうがいいんだよ……なぁ?」
透真は響に疑問を向けながら、奏のほうを向いた。
視線を感じた奏は咄嗟に響たちのいる方向に向く。
その時、奏は一人の人物と目が合った。
その人物は鬱陶しそうな顔をしている響だ。
目が合った瞬間、響の顔からは鬱陶しそうな雰囲気は感じられなくなり、少し耳を赤らめている。
そんな響を見た透真は響の耳に顔を寄せ、なにかを言っている。
それを聞いた響の顔はますます赤くなっていた。
さすがにこれ以上見るのは申し訳にくいな、そう思った奏は華麗に背を向け、自分の席に向かった。
キーンコーンカーンコーン
ちょうどそのタイミングでチャイムが鳴る。
今日は部活がない。
だから、この時間のチャイムが最終下校を知らせていることになる。
そう思った奏は少し焦りながら、カバンを持ち、後ろの扉から教室を出た。
「音河くん…!」
「……へ?」
「音河くんだよね」
「あ、は、はい」
扉を出て階段を下ろうとしたところで、奏は後ろから名前を呼ばれた。
それも片手にチャックが閉まっていないカバンを持ちながら、ゼーハーと息を切らしている、観月響に。
「み、観月くん…だよね。ど、どうしたの?」
響の顔は今の奏の言葉を聞き、パッと明るくなる。
「音河くん、一緒に……」
「観月早えって、、、、あ」
響がなにか言おうとした途端、千景が響のもとへ走ってきた。
「はぁぁぁぁ」
「ご、ごめんて」
「桐生っ!カバン、、、、あ」
響がため息を吐き、それを千景が慰める。
そこに千景のカバンを振り回している透真が合流した。
透真は千景と同様「あ」と言いながら少し気まずそうな顔をしている。
予め打ち合わせていたようなタイミングで合流したのがなんだか面白く、奏の表情には笑みが浮かんでいた。
「み、観月くん、なにかあった?」
奏は響が自分の名前を呼んでいたことを思い出し、質問する。
先程の合流が面白く、奏の声色には少し笑みが含まれていた。
「うん、実は一緒に帰ろうと思って」
「え、えと、誰と?」
奏は少し困惑しながら聞いた。
「音河くんとだよ」
響は奏のもとへ一歩近付きながらそう言った。
それを聞いた千景は「ひゅ〜〜〜〜〜」と盛り上がっており、それを透真は静かに黙らせていた。
なぜ、そんなに盛り上がっているのか分からぬまま、奏は響を見上げる。
「俺と……?」
「うん、もしかして約束とかあったりした?」
「いや、そういう訳じゃなくて」
「よかった。じゃあ行こ」
響はそう言いながら、奏の手を取り、自然に手を繋ぐ。
「なんで、俺なんかと……?てか、なんで手繋いでんの……?」
「う〜ん、内緒」
響は笑いながらそう答えた。
女子生徒は響が奏と手を繋ぐ場面を見て、少しざわついている。
奏は居心地が少し悪くなり、それを響に報告しようと響の顔を向いた。
奏の目に映る響の顔は一般人かと疑うほどに綺麗に整っている。
でも、それよりも嬉しそうで楽しそうなことが分かり、奏の頬も自然に緩んでいた。
その顔を見た奏は報告を諦め、ただ響について行くことにした。